3回前の続き。
東京でまず向かったのは防衛研究所の史料閲覧室。長門の外板の関係ですが詳しくは後で書きます。
次に行ったのは靖國偕行文庫という名前の図書室。靖国神社の中にあり、近現代の軍事や神道関係の資料が納められています。その中に艦船研究家の遠藤昭氏が寄贈した旧海軍艦艇の公式図が約800種類ほどあり、大和ミュージアムの公開資料にないものを中心に幾つか見てきました。

概要は
公式サイトの通りで特に書き加えることはありません。上の画像の靖国会館1F向かって右側がその場所になります。左側は参拝客の休憩所になっていて、便所も同一フロア内にあります。閲覧室の作りは普通の図書室と同じで、職員が詰めるカウンターと閲覧用の長机が4台、周囲に開架の本棚はありますが、大多数の資料は閉架の書庫にあります。閉架資料の閲覧方法は館内の端末で検索し申込票に必要事項を記入して職員に提出する手順で、一度に閲覧できるのは3件まで、それを越える場合はその都度申込票に記入→返却資料と共に提出を繰り返すことになります。

ただし、靖國偕行文庫の蔵書検索画面は一度に10件しか表示しないので、館内の端末で検索していたら時間が幾らあっても足りません。幸い検索システム自体は
web上で公開されているので、これを元に準備できるものはできるだけ準備します。上の画像は遠藤昭氏が寄贈した資料の一覧表で、事前に電話し閲覧申込票に必要な記入項目(受入番号・図書記号・書名・著者名・請求記号・出版社)を確認した上で、webに表示される検索結果をそのままexcelに貼り付け、項目を抽出して印刷すれば比較的簡単に作れます。件数が少なければwebの検索結果を直接印刷しても代わりになります。
なお、閲覧申込書で実際に職員が出庫のために見るのは受入番号・図書記号・請求記号の3項目なので、書名は表示された全てを書く必要はなく、例えば艦船の図面の場合は艦名と内容の頭数文字程度でも支障はありません。書名と出版社のフリガナも記入不要です。
遠藤氏寄贈の図面は、全部で20種類強見てきた範囲ですが、いずれも公式図のネガポジを逆にした複写図で、見た範囲ではオリジナル(原資料の意)の図面はありませんでした。サイズも大型艦は75%程度に縮小プリントされているようです。また軍艦原図集第○○集と連番が入っているものは、かつて有償配布されていた資料のようです。
図面のコピーは有償(A3/20円)で全範囲取れますが、いわゆるコピー機の複写でA3サイズ分割、上側面図で8~10枚程になります。また複写の更に複写なので書かれている文字などは判別が難しくなるものも少なくないようです。利便性ではデジタルデータから直接A3用紙×2~3枚に縮小プリントし、端末上で原資料との突き合わせもできる大和ミュージアムの複写図面のほうが優れていますが、トータルの費用も3倍以上でコストパフォーマンスを考えると微妙なところです。いずれにしてもこれでは使いにくいので、スキャンして画像編集ソフトで連結して清書し再出力したほうが良いかもしれません。
以下次回。