1/700で軽巡鬼怒を作ってみる(その11)

2015–02–14 (Sat)
 今週から塗装の工程が加わります。塗料はサフを除いて全て水性塗料を用います。製作を始めた当時はアクリジョンも含めた形での塗装を考えていましたが、墨入れ汚しの適切な方法が見つからないので今回はパスします。アクリジョンについては以降の製作で導入する見込みなので、使用感はその際にまた改めて触れることにします。

 今回はファレホに加えてモデルマスターを使用します。以前に少し触れた事がありましたが、これは米国テスター社が販売している模型用の水性塗料で、有機溶剤を含んでいないためほぼ無臭で、かつ乾燥は冬場の低温下でもラッカー系塗料並に速く、塗膜も食い付きも強いというメリットがあります。水性塗料は極端に厚塗りすると内側が乾かない事がありますが、モデルマスターは表面が滴るほど厚塗りしてもしっかり乾燥します。筆塗りは原液のまま、エアブラシで吹く場合は専用溶剤でだいたい15~20%前後薄めるのが適正値のようです(それ以上薄めると下地にも依りますが塗料が弾いてきます)。

モデルマスターカラー、1色14.7mlで実売価格400~410円前後
左端は専用溶剤、118mlで1200~1300円前後
(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 利便性はタミヤアクリルやMr.水性ホビーカラーとは比較になりませんが、その反面、色は欧米の自動車や航空機関係が中心で日本陸海軍専門色は全くなく、国内で極く一部の業者が取り扱っているだけなので価格が非常に高価で、必要な色が常に入手できる保障もないというデメリットがあります。またアクリジョン程ではありませんがエアブラシの濃度調整が難しく詰まりやすいので、艦船は大半が直線塗り分けのベタ吹きで大きな影響はありませんが、エア圧を落とした細吹きはなどはほとんどできません。隠蔽力(下の色を覆い隠す力)もそれほど強くなく、アクリジョンよりやや良い程度です。

 モデルマスターとファレホの関係は以下の通りで、
 上塗り
ファレホモデルマスター


ファレホ
モデルマスター

つまり、ファレホの上からモデルマスターを塗った時に下地が溶け出します。従ってこの2つの塗料を併用する際にはモデルマスターをラッカー系、ファレホをエナメル系の位置付けで使うと良いようです。

 どちらも日本海軍専門色は無いので、調合か近似色を用います。今回使用する主な色は以下の通り。

軍艦色…モデルマスター
     4769フラットホワイト:4768フラットブラック=3:1
     +4659フレンチブルー・4675ラスト各少量で調整
リノリウム色…モデルマスター4675ラスト
艦底色…モデルマスター4609ブリティッシュクリムゾン
艦載機上面…ファレホモデルエアー71007オリーブグリーン
艦載機下面…モデルマスター4765ライトグレー
  +4659フレンチブルー・4684ブルーエンジェルイエロー各少量で調整

 モデルマスターのラストは本来は錆を表現する色ですが、赤みががったリノリウム色としてそのまま使えます(以前の製作で使用したファレホモデルカラー139/70846マホガニーブラウンよりわずかに赤が強い色です)。

 艦底色として使用するブリティッシュクリムゾンは、本来何に使う色なのかはよくわかりません。海外の作例の中に艦底色としてこの色を使っているものがあり、個人的にはフルハルにはタミヤスプレーのダルレッドに比べて鮮やかさが足りない印象がありますが、ウォーターラインのわずかな面積であればそれほど違和感はありません。

 艦載機の上面についてはファレホモデルエアーのオリーブグリーンが三菱系の濃緑色に近い色なのでこれを使います。筆塗り用のモデルカラーに該当色はありませんが、少量のタッチアップであれば取り出し口で固まり掛かった塗料を塗ることで代用できます。

 艦載機の下面の明灰色はMr.カラーもタミヤアクリルも以前のブルーグレーから最近は畳色に近い色調に変わっています。研究結果の反映との事ですが、これらの色は1/32や1/48の航空機と比べて1/700では緑が出過ぎて強い違和感があります。そのため、この製作ではモデルマスターのライトグレーをベースに青と黄を若干調整してわずかに緑が出た程度の色を調合しています。


 今週の製作は船体と甲板色を吹いたところまでです。
 画像は加工の都合で赤が強めに出ていますが、実際はもう少し抑えた色です。

 以下次回。

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コメント

私は狭いながらも独立した工作室があるのですが、溶剤の臭いが漏れるのでできるだけ水性塗料を使うようにしており、主に水性ホビーカラーを使っています。

自分なりにネット上の情報から、
分離した上澄みのクリア分を捨て同量程度の薄め液と多少のフラットベースを添加し、エアブラシ塗装に際しては薄め液を50%程度加えて使用しています。
こうするとファレホに比べても使い勝手は遜色無いと思っています。
むしろ、ファレホ(及びエア)に比べても乾燥時間は早く塗膜の強度は上、入手製に至っては問題外だと感じます。

管理人さんの仰るタミヤ、クレオス水性塗料の「利便性の悪さ」はどの様な事象を指すのでしょう(もしかして過去ログにあったら申し訳ありません)。

私が感じる水性ホビーカラーの駄目なところはマークソフターとの相性が最悪なところでしょうか。
艦船の場合、スライドマークを使う機会が少ないのでまあ許せますが。

利便性

 WLモデラーさん、はじめまして。

 誤解を与える文章だったかもしれませんが、「比較にならない」とはモデルマスターカラーとの比較を意味して書いたものです。モデルマスターは乾燥がとにかく速く、この記事最後の船体塗装の場合、リノリウム色を吹いて室温5~7度前後の室内に4時間程置いてからマスキング作業に入って軍艦色を吹いています。それほど短期間の乾燥にもかかわらず、テープを貼った跡が残りません。水性塗料はファレホも含めて極端に厚塗りすると内側が完全に乾かない事があり、薄目の重ね塗りが推奨されていますが、モデルマスターは表面が光って垂れるほど厚塗りしても内側まで乾きます。この二点を取ってもタミヤアクリルや水性ホビーカラーとは比較にならないと書いた訳です。塗膜の強さに関してはこの次の21日付記事の最初の画像の削れ具合をご覧になれば判ると思います。

 ファレホに関しては過去に何度か述べていますが、取り扱いにコツがあるものの、彩度が高く隠蔽力や伸びが良い点に特徴があり、これは長時間に渡って面相筆での細かい塗り分けを強いられる艦船にとってメリットがあると考えます。例えば主砲の防水カバーの白塗装は塗り一回半くらいで仕上がります。

 私がタミヤアクリルや水性ホビーカラーで難儀したのは面相筆での微細な凹凸モールドの塗り分けのやりにくさで、原液のままでは伸びが良くなく綺麗に塗り分けられず、薄めたら今度は隠蔽力の弱さと微細な凹凸モールドに塗料が溜まってしまう点にありました。水性ホビーカラーの蓋の固着も悩みの種で、それでファレホを知ったときに乗り換えた訳です。WLモデラーさんの方法は初見ですが、これらの問題は解決できているのかもしれません。また低価格と入手の容易さは普遍的に大きなメリットです。

 模型製作全てに言えることですが、メリットとデメリットのうちで何を優先させるかは作る人の環境や考え方、作る対象などによって変わってくるものだろうと思います。

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