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雑感:ハセガワ1/350空母「赤城」(その6)

2008–12–19 (Fri)
 前々回と前回で空母赤城の飛行甲板の右舷側煙突付近の甲板材質について一旦触れて撤回しました。その後、この部分は鉄甲板で間違いないのではないか?というメールを頂き、再度検討しました。

 その前に、前回までに書き漏らした、明らかに誤っている部分について。

20081219_1

 上の画像は写真日本の軍艦第三巻空母Ip63の、昭和16年12月頃とされる有名な空撮写真からの引用ですが、赤矢印で示したように艦橋前の甲板上に航空機の滑走制止装置が二組はっきりと写っています。しかしキットのモールドは艦橋寄りの1組しかありません。よって、艦首側の制止装置のモールドを加える必要があります。なお、この写真でもわかるようにキットには各制止装置の静止索の表現がありません。恐らく木目モールドの再現性を優先させたためではないかと思われますが、厳密を期するのであれば極細の糸を付ける必要があります。


 上の写真の青矢印でも示したように、この空撮写真からも煙突付近の甲板縁の色調が一部違って見えます。また、昭和18年に公開された映画「帝国海軍勝利の記録」の開始から34分02秒付近、赤城の97艦攻発艦シーンにも、同じ箇所で明らかに甲板上の色調が変わって見えます。

20081219_2
(この画像はクリックすると拡大表示します)

 前回示した甲板上の写真を再度掲載しますが、

20081211_1

 この赤矢印で示した部分は、掲載誌によってはもう少し広い範囲まで写っていて、それによれば画面左端の部分で更に色調が変わって見えます。

 これらの点から、空母赤城の飛行甲板には煙突付近に木甲板の色とは異なる何かがあった事は間違いないと考え直しました。ただしそれが鉄甲板という点に関しては疑念が残ります。

 最初に書いた時には見逃していたことですが、艦船の木甲板の貼り方には一定のルールがあり、木材の縦の面が甲板上の大きな構造物や甲板材質が異なる部分に当たる場合には、直接面を当てるのではなく、まず接する部分を縁取る形でマージンプランクと呼ばれる木材を貼り、その外側に当てて貼ってゆくのが一般的な方法です。

20081219_3

 上の画像は写真日本の軍艦第三巻空母Ip171、空母瑞鶴の後部飛行甲板の鉄甲板部を写した写真からの引用ですが、木甲板との境目に沿って赤矢印で示したマージンプランクが付き、青矢印で示したようにその外側に食い込む形で縦の面が接しています。

 これは基本原則であり、必ずしも全てに於いて適用されていた訳でもないようですが、2枚上で示した甲板写真を更に拡大すると、

20081219_4

 この画像では少し判りにくいのですが、飛行甲板の最も縁の部分、左上の矢印が示す鉄張りとの境目に沿ってマージンプランクが貼られているのが確認できます。また他の写真でエレベーターとの接点にも同様の処理が成されているのがわかります。ところが、手前の色調が異なる部分にはマージンプランクがなく、直接木材の縦の面が接しています。全てが異なるのならまだしも、この部分だけルールが異なるのはいかにも不自然で、また掲載誌の印刷によっては木材の横の接合部が一部続いているようにも見えます。

 複数の異なる媒体で同じように色調が異なるように見える以上、この部分に木甲板の色と違う何かがあったのは間違いないと考えます。ただし、上に示したマージンプランクの処理が見当たらない事から、鉄甲板と断定するには疑念が残るというのが私の現在の個人的な見方です。

 前々回と前回の甲板に関する部分は全て削ってしまうと流れがわからなくなるため、打ち消し線による処理としました。読みにくくなった点には申し訳なく思っています。


 あと1回続きます。

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コメント

お騒がせしています。私もいろいろな写真、資料等を検討してみました。先ず再度掲載された甲板上の写真ですが、写真の左側が更に写っている写真があり(丸スペシャル"129)、この黒い部分のすぐ左が木甲板と同じ色のように写っています。この写真は、その近くの人物の影(後方の飛行機には影らしきものはある)がないので、何かの影ではないようです。次に発艦直後の飛行機から写した飛行甲板。同じ場所らしい部分にシミのようなものが写っています。これも甲板端にまでシミが至っていません。改装前の写真の一部には木甲板と異なる色の部分が煙突付近に見られます。モデルアート9月号、改装前の赤城の解説に使われいる図面では煙突付近の甲板が灰色に表され、右端は木甲板が切れているように表されています。確かにこのように見える甲板を真上から写した写真もあります。残念ながら解説がありません。いずれにしても公式図面を持つ方の解析を待ちたいものです。

私のコメント大変失礼しました。前半は既にご指摘済みですね。このキットに関し今のところの私の不満足の所は、甲板が波打っていない、艦体の後半部分に分割された金型のずれが見られる点です。長谷川は三段飛行甲板時のキットを制作した関係か、改装後との関連が良く分かります。格納庫後部の平面が上向きに広がって傾斜しているのも、改装前の支柱に沿って外板を張った事なども分かります。左舷壁前方上部の格納された探照灯も改装前と雄ねじ位置であるのが分かります。      

 りゅうさん、こんにちは。

 記事の飛行甲板上の写真の右端の、人物の後ろに見えている高角砲の切り欠きは甲板上では非常に深く見えますが、全景写真と模型ではほんのわずかの凹みに過ぎません。甲板上の波打ちもそれと同じことではないかと、私自身は捉えています。

 赤城の公式図の中では上面図と左舷側面図が公開されていないという話を以前に聞いたことがあります。今はどうかわかりませんが、これまで世に出た図や模型の飛行甲板が写真で受ける印象と異なる部分があるのは、そういった面も影響しているのかもしれません。

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