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雑感:アオシマ1/350日本石炭輸送船日本丸/海王丸(3)

2008–06–04 (Wed)
 フォアブリッジ以外の修正点をまとめておきます。

 まず、舷側の舷窓のパターンは左舷のもので、右舷は数やパターンが若干異なります。今回は特に触れませんが、こだわる人は竣工時の一般配置図などを参考に埋めて開け直すと良いと思います。また、この時代は中甲板レベルに片舷当たり3ヶ所に物資搬入用のハッチがあったので、プラ板などで追加します。

 舷側には舷窓とは別に、0.5mm程度の凹穴が片舷当たり3ヶ所にあります。これはヤードを操作するロープを甲板に引き込むための滑車が付いた、パンプキンと呼ばれる棒状の装備品を付けるためのものと思われます。パンプキンそのものは元々の部品にありませんが、戦後の引き揚げ船当時の写真を見る限り、帆装の撤去に伴い取り外されていたように見えるので、この穴は埋めておきます。それと、フォアブリッジの右舷側には係船桁があったので、プラ棒などで追加します。

 次に船首先端のフェアリードが省略されているのでプラ材などで追加します。船首楼甲板にはこの時代は小型の吸気口が1本あったので、他から調達して付けます。

 船首楼に接して立っている吸気口は、右舷側はこの時代は2本なので取り付け穴を埋めた上で2本分開けて、No.63を2本立てます。また、左舷側は吸気口とラッタルの位置関係が逆なので、穴を開け直した上で入れ替えます。なお、この吸気口もキセル型なのでNo.63を付けます(No.63は計2本不足します)。

20080604_1
1943年当時の船首付近

 ウェルデッキ(上甲板露天部、船首側の一段凹んで見える甲板)の内部は、まずブルワークに接して付いているファイフレールが省略されているので0.3mmプラ板を切って貼ります。ただし、左舷側は舷門(ブルワーク外側の扉状のモールド)の位置だけ切れているので、この部分は開けておきます。また、舷門のモールドは右舷側の外側にもありますが、戦後に追加されたものでこの時代には無かったので削り落とします。船首楼甲板寄りの2個のボラードも省略されているので、これもプラ材などから作って付けます。

 なお、右舷のファイフレールは本来は船首楼まで届いていますが、以前に1/100の製作記で述べた船体型の問題をこのキットも踏襲しているためにその分のスペースがありません。そのため、吸気口の手前で切るしかないようです。

 内側の船室は天井に接する部分に段差がありますが、ここは凹んだ部分に0.5mmプラ板を貼って面一にしておきます。この船室や後部の壁面には舷窓やハッチなどがあるので追加します(ただし、完成後はほとんど見えなくなります)。それと、船室と2番倉口の間の4本のキセル型吸気口が省略されているので追加します。

20080604_2
ウェルデッキ周辺。左舷側から見た画像はこちらを。

 船体中央部、実習生出入口(No.15,16,19,20)の天蓋に付く吸気口は、竣工時はカマボコ型でしたが、戦後の引き揚げ船の写真ではキセル型に換装されています。見本ではキセル型としましたが、大戦中はカマボコ型だった可能性もあります。その場合はNo.41を、天蓋から1mm程度出るように切り詰めた上で接着します。

 キットの煙突は1975年秋以降の、背面に焼却炉室が増設された状態を示しています。大戦中の状態にするためには、煙突背面の部品(No.84)は使用せず、プラ材などで前面と同じような形を作って付けると共に、頂部の部品(No.79)との境目の位置に0.4mm程度のプラ材を巻いてパテでねばりを付けて整形し、前方の大型吸気口(No.86)に寄せる形で船体に取り付けます。そして、タンクの部品(No.75,76)のモールドのない側を約1mm程度削った上で、煙突と天窓の間に取り付けます。また、右舷側大型吸気口の直前のキセル型吸気口はこの時代には2本あったため、取り付け穴の左舷側に穴を開けてNo.64をもう1本立てます。

20080604_3

 アフターブリッジ(No.34-37)は、1943年の状態とするならば、天蓋の吸気口をキセル型のものと取り替え、後部にコンパスと天蓋に登るラッタルを付ける以外は、このままで大丈夫です。ただし、船首側の扉は後方のものと同じ木製扉だった可能性があります。また、この船尾側の区画は無線室ですが、そのレイアウトは竣工時と戦後では異なり、竣工時の一般配置図では右舷の船尾側に木製扉がもう一枚描かれています。そのため、大戦中も扉があった可能性はあります。また、この時代は船尾舵輪前の2個のコンパスの左舷側の脇にエンジンテレグラフが装備されていたので、プラ材などから作って追加します。

 右舷船尾側の5番救命艇用ダビッドの脇に、舷梯操作用の小型ダビッドがあります。これは部品にないので他から調達or自作する必要があります。竣工時は2本ありましたが、少なくとも1950年代までに船首側の1本は撤去されました。その時期が良く判らないため見本では2本付けましたが、船首側のものは無かった可能性もあります。

 実船では船尾側の4隻の救命艇には架台がありません。いずれもダビッドに吊された状態が収納位置で、最も船尾側の2隻は緊急時に対応できるよう外舷側に回していました。しかしながら、このキットは構造上それができないので、架台を削って直置きするか、間違いを承知で架台の上に乗せるしかありません(最も船尾側の2隻は架台を削るとボラードが干渉します)。

20080604_4

 この時代の船内への通風装置は全て自然通風だったようで、甲板上にはキセル型吸気口が林立する形になり、部品が全く足りませんが、これは他から流用か複製か自作しかありません。ちなみにこれらのキセル型吸気口は戦後は一部が機械式のベンチレーターに取り替えられたほか、海王丸では70年代後半以降、その多くが撤去されることになります。

 以下、次の項にて。

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