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ハセガワ1/350隼鷹を作る(その87)

2019–02–24 (Sun)
 前回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 右舷後部機銃座周辺や格納庫後端の張り出しなどを取り付けた所まで。

左:昭和造船史別冊艦艇図面集収録の公式図より
右:写真日本の軍艦第四巻より

 隼鷹の機銃座上の弾薬供給所は天蓋が飛行甲板からの兵員待機所になっています。この供給所の「扉」は、竣工時の公式図では側面方向に開くように描かれています(上画像左)が、終戦後の写真では前後方向に開く形(同右)になっています。


 戦時中のこの部分が明瞭にわかる写真がないのでいつ変更されたのか、そもそも竣工時が図面通りの仕様だったのかも不明ですが、模型で図面通りに作ってみると両開きの外側の扉は180度広げる事ができますが、中央の2枚は90度近辺までしか広げられず、弾薬匡の取り出しの際や交通の支障になりそうです。対して終戦後の写真が示すように前後方向の扉ならば支障は少ないので、変更があったとすればこのような事情ではないかと考えます。この製作では竣工時の図面に従うこととします。

 弾薬供給所はいくつか扉を開けて変化を付ける事にします。扉は適切なエッチングが見つからなかったので、元の部品のモールドを切り出し、裏側にフライホークの0.8mm角メッシュ(FH700052)を貼って補強としたものを取り付けています。また右舷機銃座上の2ヶ所の弾薬供給所は共に側面に垂直梯子を付けています。これは昭和18年6月出図の飛鷹の公式図に記載があるもので、隼鷹は上記の通り扉の位置が変わったために終戦後の写真からは確認できませんが、右舷側の他の兵員待機所には下に降りるラッタルが設けられているため、一応飛鷹の図面に従う形で付けています。


 格納庫後端の張り出しは手すりをキットの専用エッチングから替えています。またこの部分は塗装が難しいため、取り付ける前に張り出しの裏側と壁面に軍艦色を吹いています。

 以下次回。

ハセガワ1/350隼鷹を作る(その86)

2019–02–18 (Mon)
 前回の続き。

 大和ミュージアムの公開資料の中に軍艦剣崎(空母祥鳳)飛行機着艦指導燈装備要項図というものがあります。これは船体への取り付けの大まかな仕様に関する図面で着艦指導燈そのものは概略のアウトラインでしか描かれてなく、また実際にその通りに装備されたかどうかも不明ですが、詳細なディテールがわかる写真がほとんど見当たらない航空母艦の着艦指導灯の構造を考える上で貴重なものです。

 図面には注としてこのような事が書かれています。

二.装備要項
 (一)各燈筐ハ仰角十二度ニ装備<以下略>
 (二)照門燈(赤色燈二個)ハ図示寸度ニ準ジ指導角四度乃至
   九度ニ調整可能ナル上下作動装置ヲ有シ且折疊<畳>容易(右舷ノミ)
   ナル支基ニ取付クルコト
 (三)照門燈支基附近ニ指導角ヲ容易ニ視認シ得ル目盛リヲ附スルコト
 (四)照星燈(緑色燈四個)ハ図示寸度ニヨリ折疊容易ナル支基上ニ
   取付クルコト

 私自身は航空母艦の着艦指導灯は艦上機の進入角6~6.5度に固定して装備されていたものと考えていて、写真や図面を深く見る事も無かったのですが、この記述を見て改めて見直してみました。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 隼鷹の場合、昭和18年2月頃と考えられる日本ニュース第145号の映像に於いて発艦する零戦の後方に着艦指導灯の照門灯が写っているのが確認できます(上画像左)。これに対して昭和19年春とされる消火装置の実験中の写真には何も写っていません(同右)。公式図では左舷の照門灯は不要時には艦尾方向に折り畳んでいたようですが、高さが固定ならば折り畳んでいても照門灯は見えているはずです。これにより隼鷹の照門灯は祥鳳の装備要項と同様に上下に可動する仕様である事が推察できます。

 キットの照門灯の部品(No.Q1)は左右両舷共通で、舷側から張り出す長さも同様です。これは竣工時の上部平面図の通りですが、右舷側面図の収納状態の照門灯は上面図よりも長く描かれています。

ハセガワ1/350キット付属の張線図より

 上面図で照門灯と照星灯の位置関係を線を引いて比較すると、図面の(キットの)長さでは右舷と左舷の交差位置が飛行甲板の中心線よりも左舷寄りで交差します。これでは誘導灯の役目を果たせません。対して側面図から割り出した長さで比較するとほぼ中心位置で交差します。従って上面図の右舷照門灯の張り出す長さは誤りで、側面図が正しいのではないかと考えます。

 また、上記の祥鳳の飛行機着艦指導燈装備要項図では、左舷側の照門灯の内側に着艦指揮信号灯というものが描かれています。他の空母の公式図を見ると、葛城は照門灯二個の間に描かれていますが、隼鷹と千代田と龍鳳には記載がありません。瑞鶴は昭和17年後半と考えられる映像にそれらしいものが映っているのが確認できます。

軍艦瑞鶴写真班「南太平洋作戦」
ビデオ「日本海軍艦艇集下巻」より

 確認できるものとできないものがありますが、信号灯はある程度統一基準の下で設けられるもので、艦によって有る無しに違いがあるとパイロットに混乱を与えかねません。従って公式図に描かれていない艦についても装備はあったのではないかと考えます。

 川崎まなぶ著「日本海軍の艦上機と水上機」(大日本絵画社刊2011)のp192に、飛鷹の艦上機の発艦の写真が掲載されていますが、ここに写っている照門灯の架台は瑞鶴と異なり支柱から左右方向の大きさに違いはなく、灯の間が埋まっているように見えます。これより隼鷹の着艦指揮信号灯は葛城と同じく灯の間にあったのではないかと考えますが確証はありません。




 製作はキットの照門灯の部品を上下可動できるように修正します(正確な高さは船体に取り付ける際に決めます)。基部で一旦切り離し、ファインモールドのメタルメッシュ長方形(AE-07)を箱状に組んで支柱とし、その上にプラ材で作った台座を付け、元の部品から切り離した灯を角度を付けて接着します。基部は右舷側のみ約1.5mm延伸、左舷の灯の間に指導灯を追加しています。

 上記の祥鳳の要項図では基部に昇降用のハンドルが描かれているのでそれらしいものを追加しています。図面では基部はトラス状に描かれていますが、非常に小さい上に形状が今ひとつ把握できなかったのでキットのままとしています。また終戦後の写真を見る限り右舷側の照門灯の台座形状は明らかに異なるのですが、これも全体の形状が把握できなかったのでキットに準じた形に留めています。なお照星灯の方は架台の表現方法がまだ決まらないので後回しにします。


 その他は、船体右舷後部の張り出しなどを取り付けています。これから機銃座上の弾薬供給所などを取り付けて艦尾から左舷に移ります。

 以下次回。

ハセガワ1/350隼鷹を作る(その85)

2019–02–10 (Sun)
 前回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 前回作り直すと書いた右舷3・5番高角砲間の係船桁下通路の付け直し。外す際に表面をかなり傷めてしまったので外板を2ヶ所剥がして貼り直し、舷窓も付け替えています。その他周辺も若干勢い余って壊したので手を入れています。


 通路は前回から取り付け位置を若干上げ、汚水捨管との位置関係を整合させただけで表現そのものは同じです。急いては事をし損じるの格言通りになってしまいました。少しわかりにくいのですが、画像右から3本目の下部支柱と汚水捨管の位置関係は戦後の写真ではっきりわかるものがないため、公式図の表現に従っています。


 その後は航空機着艦指導灯の照門灯(部品No.Q1)の表現を考えていました。これは上下方向は固定だと考えていたのですが実際は可動式で着艦の他に発艦時にも上に上げていたようです。形はできましたが、詳細は次回まとめて書きます。

 以下次回。

ハセガワ1/350隼鷹を作る(その84)

2019–02–03 (Sun)
 前回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 右舷3・5番高角砲の周辺まで進みましたが、係船桁の周辺は画像の状態からもう一度やり直します。


 艦橋後部下の作業員控所(部品No.J10)は、上画像左のキットの指定位置は竣工時のものです。老猿さんのブログ「海に憧れる山猿」の解説図では直上に機銃座が増設された際に若干左側に移動したように描かれていて、それは昭和18年6月出図の飛鷹の公式図や終戦後の写真からも確認できます。この製作では側壁が折れる角の部分まで移動して先端にラッタルを設けるための張り出しを追加しています(なお飛鷹の公式図ではラッタルは控所の端ではなく手前側の中央から下に降りるように描かれています)。


 隼鷹の係船桁周辺の構造はグランプリ出版「日本の航空母艦」p102に図解があります。しかしながら説明では左舷となっていますが、周辺の状況からどうも右舷側で、図そのものが逆版になっているようです(左舷係船桁の後方に通路は無く、また下側の通路の艦首側にそれををまたぐ汚水捨管もありません。いずれも右舷の特徴です)。またこの図解では係船桁の下に台がありますが、終戦後の写真にそれらしいものは見当たりません。仕様が途中で変わった可能性もありますが、根拠もはっきりしないので付けない事とします。

 また見た目はそれほど目立たないものの、写真に撮って見ると下の通路が若干下がり気味であまりバランスが良くありません。以前に追加した汚水捨管との位置関係もずれているので、この近辺はもう一度作り直す事にします。


 下から見るとこのような感じです。係船桁周辺の通路の手すりは前に述べたレインボーモデルのタイタニック用と日本海軍艦艇用II(Rb3502)を加工して差し替えていますが、メーカー作例の純正エッチングを使用した状態と比較すると効果がわかると思います。

 以下次回。

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プロフィール

MOMOKO.120%

Author:MOMOKO.120%
職業:自営業見習い
趣味:ブログの通り
模型の守備範囲:船
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現在は1/100初代海王丸の製作を一時休止して、ハセガワ1/350空母隼鷹を製作しています。

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