FC2ブログ

ハセガワ1/350隼鷹を作る(その45)

2018–01–28 (Sun)
 前々回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 右舷側後部の吸排気筒等の復旧が済みました。吸排気筒については竣工時の公式図上に存在してキットのモールドには無いものも幾つかありますが、一応図面に従って追加しています。多くはキットの元のモールドより若干誇張気味に作ってあるので目立つ事もありますが、隼鷹の右舷側舷側は吸排気筒だらけです。航空母艦は露天甲板上に吸排気筒が出せないので舷側に出すしかないのですが、他艦の公式図と比較しても際立って多いようです。詳細はわかりませんが、建造途中の艦種変更という事も影響しているのかもしれません。


 右舷側の係船桁は終戦後の写真では撤去されたようで詳細はわかりません。この製作ではグランプリ出版刊「日本の航空母艦」p102の図解を元にしています。ただし当該の図については左舷側を示すとありますが周辺の状況から右舷側で、図も左右反転で掲載されているようです。係船桁についてはキットの部品(Q34)のほうが実寸に近いのですが、どうも表現的に貧弱に感じたので、ハセガワの1/350艦船装備セットBの部品(AJ69)に手を加えたものを使用しています。

 係船桁の艦首側(画像右側)の下に付いているのは塵捨筒で、竣工時の公式図には描かれていますがキットにはモールドされていません。マリアナ沖海戦直前の傾斜実験の写真ではどうも有るように見えるのでエポパテを盛って追加しています。


 後部の配管状のものは艦首側(画像右側、部品E18)が鍛冶工場の煙突、中央の4本が溶接工場の排気筒、その左側が鋳物工場の煙突になります。いずれの工場も大型艦には設置されていて、その煙突や排気筒の位置は内部配置と関係があります。つまり配置があれば(形状や数の違いはあるにせよ)必ず付いてくるものですが、図面資料が充分残っていない艦の再現では考慮されていない例が少なくないようです。


 あと前々回の記事で書き損ねた事ですが、右舷艦橋下の排水管のようなモールドのうち、キットは赤矢印で示した中央の1本分が表現されていません。マリアナ沖海戦直前の傾斜実験の写真では等間隔に5本あるように見えるので、厳密を期するのであれば追加する必要があります。

 以下次回。

続・旧海軍艦艇の推進軸の「色」について。

2018–01–21 (Sun)
 これは隼鷹の船体塗装まで進んだときに触れるつもりでしたが、先日Twitterで推進軸の色が話題になったのでその関連で触れることにします。



 以前、旧海軍艦艇の推進軸の「色」について。という記事を書きました。その後、防研史料閲覧室の技術関係を見ているうちに、こんな資料に当たりました。

「入渠艦船乾水後ニ於ケル船底塗料成績調査 昭和十四年度
 昭和十五年七月 呉海軍工廠 造船實驗部」

(防衛研究所史料閲覧室登録番号(6)技術-研究資料-376)

 これは昭和14年から15年に掛けて入渠した艦艇の船底塗装の報告のうち、成績不良に属するものを抜粋してまとめた一覧表です。原書房の昭和造船史1巻p165によれば昭和11年より艦政本部主催で船底塗料の基礎的研究が行われたとあるので、この資料もその一環として作成されたもののようです。
 ここに記載されている艦は以下の通り。

戦艦 山城 扶桑 日向
巡洋艦 摩耶 愛宕 鈴谷 神通 熊野 足柄 夕張 三隈 熊野 神通
駆逐艦 神風 朝顔 峯雲 芙蓉 峯雲 天霧 朝霧 長月 夕霧 水無月 白雪
潜水艦 伊1 伊2 伊3 伊51 伊8 伊75(175)
特務艦 佐多 室戸
敷設艦 勝力 沖島
潜水母艦 長鯨
特務艇 駒橋
雑船 (略)

 艦名に重複があるのは対象期間中に二度入渠し各々の成績が記載されているという意味です。一例として山城の内容を列記します。

・艦名
 山城
・前回入渠 前回出渠
 13-11-2
・今回入渠 今回出渠
 15-1-12
 15-2-10
・経過日数
 437日
・航海日数
 76日
・行動概略
 伊勢、ウルシイ、伊東、岸和田、洲本、佐伯
・使用塗料名
 高田 一号 一回 二号 一回
 (塗分線下2米間)
 ホットヴェネヂアン 一号 一回 二号 一回
・一号塗料成績
 塗分線下約1米間剥落約30%該部厚錆ヲ生ジ以下剥落僅少ナリ
 塗分線下3米間両舷共中央部ニ僅カニ発錆セル所アリ
・二号塗料成績
 水際以下2米間剥落約30%
 青サ富士壺ノ大ナルモノ「むらさき貝」「ゑぼし貝」等約90%
 以下「まくらほや」総苔虫長髭苔虫等全面ニ約90%
・今回塗料要領
 高田ホット 一号 二回 二号 一回及増塗
・推進軸
 前回塗装 ホットヴェネヂアン  一号 一回 二号 一回
 成績 一、二号共剥落僅少ナリ該部発錆ス
     「まくらほや」長髭苔虫等全面ニ寄着ス約80%
 今回塗装 ホットヴェネヂアン  一号 三回 二号 一回
・成績調査所
 横廠

 ホットヴェネヂアン(ホットベネジアン)とは東亜ペイントが製造した、湯せんで温めて塗る厚膜タイプの船底塗料です。このように塗装要領と入渠後の状況が詳しく書かれているものです。

 そしてこの資料では空欄や不明となっている特務艦佐多・室戸及び雑船を除き、上記の艦船の推進軸は全て塗装処理とされています。以前の記事で挙げた海軍制度沿革の艦艇推進軸防触法の内容と合わせると、昭和15年の時点で艦船の推進軸の防蝕法は船底塗料による塗装、すなわち艦底色が一般的だったのではないかと考えます。

 ただし、(私自身は未確認ですが)明治ゴム製造所の社史には大正9年竣工の呂1・昭和元年竣工の伊1以降、全ての推進軸のゴム巻きを担当した旨が記載されているそうなので、潜水艦に関しては当初はゴム巻きを採用し途中で防蝕方針が変更になったのかもしれません。

 あと以前の記事でも書いた事ですが、事実としても推進軸が艦底色の模型は見栄えがしません。規定は知識として、より模型映えする金や銀系の色など推進軸は各人の好みで処理して良いのではないかと考えます。

 この項目は以上です。

ハセガワ1/350隼鷹を作る(その44)

2018–01–14 (Sun)
 前回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 相変わらず舷側の吸排気口などを再生しています。画像に写っている右舷艦橋下の吸排気口のうち、竣工時の公式図にあるのは舷外電路が上を通っている太い二本だけで、また長さも竣工時の図面よりも短くなっています。これは上を通る舷外通路の設置に伴い短縮されたもののようです。すなわち南太平洋海戦当時は右舷艦橋下の舷外通路は設置済と判断しています。それに関しては通路を取り付ける際にまた詳しく書くことにします。

 その他の細いものについてはマリアナ沖海戦当時の写真には写っているものの、正確な設置時期はわかりません。舷外電路をまたくように取り付けられている事から竣工時より後の時期に設置されたもののようです。見栄えが良いのと後から外して修正するのはそれほど困難な作業ではないので一応取り付けることにします。

 以下次回。

ハセガワ1/350隼鷹を作る(その43)

2018–01–07 (Sun)
 新年明けましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願い致します。



 前回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 外板を貼るに当たって一旦削り落とした吸気口や防雷具・舷梯用クレーンの部品などを作り直して取り付けています。メリハリを付けるため、吸気口のうち作り直したものについてはキットのモールドよりも若干大きめとしています。


 右舷前部の1番高角砲座と周辺の張り出しを仮に付けるとこんな感じになります(まだ接着はしません)。画像右奥の水面見張所から錨甲板に向かう張り出しについては、キットのマリアナ沖海戦時は艦首に機銃座を増設した関係で竣工時よりも短縮されていたようです。この製作では錨甲板まで延伸して下側にサポートを付けています。

 また左手前の短艇用張り出しのサポートは作り直すのが大変なのでキットのモールドにドリルで穴開けした程度に留めています。この前縁部は後で穴空き板のエッチングを貼ります。

 以下次回。

 | HOME | 

プロフィール

MOMOKO.120%

Author:MOMOKO.120%
職業:自営業見習い
趣味:ブログの通り
模型の守備範囲:船
Webページ:模型の缶詰

現在は1/100初代海王丸の製作を一時休止して、ハセガワ1/350空母隼鷹を製作しています。

Twitter

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

カレンダー(月別)

12 ≪│2018/01│≫ 02
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

月別アーカイブ

2018年 08月 【3件】
2018年 07月 【8件】
2018年 06月 【5件】
2018年 05月 【3件】
2018年 04月 【4件】
2018年 03月 【5件】
2018年 02月 【1件】
2018年 01月 【4件】
2017年 12月 【5件】
2017年 11月 【5件】
2017年 10月 【5件】
2017年 09月 【3件】
2017年 08月 【4件】
2017年 07月 【4件】
2017年 06月 【3件】
2017年 05月 【4件】
2017年 04月 【4件】
2017年 03月 【2件】
2017年 02月 【3件】
2017年 01月 【3件】
2016年 12月 【5件】
2016年 11月 【5件】
2016年 10月 【4件】
2016年 09月 【6件】
2016年 08月 【4件】
2016年 07月 【4件】
2016年 06月 【3件】
2016年 05月 【4件】
2016年 04月 【2件】
2016年 03月 【7件】
2016年 02月 【4件】
2016年 01月 【3件】
2015年 12月 【4件】
2015年 11月 【2件】
2015年 10月 【3件】
2015年 09月 【3件】
2015年 08月 【6件】
2015年 07月 【4件】
2015年 06月 【5件】
2015年 05月 【6件】
2015年 04月 【5件】
2015年 03月 【5件】
2015年 02月 【4件】
2015年 01月 【6件】
2014年 12月 【5件】
2014年 11月 【5件】
2014年 10月 【4件】
2014年 09月 【4件】
2014年 08月 【5件】
2014年 07月 【1件】
2014年 06月 【1件】
2014年 05月 【3件】
2014年 03月 【1件】
2014年 02月 【1件】
2014年 01月 【2件】
2013年 12月 【1件】
2013年 11月 【1件】
2013年 10月 【2件】
2013年 09月 【2件】
2013年 08月 【2件】
2013年 07月 【1件】
2013年 05月 【1件】
2013年 04月 【1件】
2013年 03月 【1件】
2013年 02月 【3件】
2013年 01月 【4件】
2012年 12月 【4件】
2012年 11月 【6件】
2012年 10月 【2件】
2012年 09月 【2件】
2012年 08月 【2件】
2012年 07月 【2件】
2012年 06月 【3件】
2012年 05月 【4件】
2012年 04月 【1件】
2012年 03月 【2件】
2012年 02月 【4件】
2012年 01月 【9件】
2011年 12月 【8件】
2011年 11月 【6件】
2011年 10月 【14件】
2011年 09月 【8件】
2011年 08月 【5件】
2011年 07月 【6件】
2011年 06月 【4件】
2011年 05月 【4件】
2011年 04月 【4件】
2011年 03月 【1件】
2011年 02月 【3件】
2011年 01月 【3件】
2010年 12月 【7件】
2010年 11月 【9件】
2010年 10月 【9件】
2010年 09月 【10件】
2010年 08月 【11件】
2010年 07月 【6件】
2010年 06月 【4件】
2010年 05月 【5件】
2010年 04月 【5件】
2010年 03月 【3件】
2010年 01月 【3件】
2009年 12月 【7件】
2009年 11月 【4件】
2009年 10月 【1件】
2009年 09月 【5件】
2009年 08月 【10件】
2009年 07月 【3件】
2009年 06月 【5件】
2009年 05月 【9件】
2009年 04月 【2件】
2009年 03月 【9件】
2009年 02月 【7件】
2009年 01月 【9件】
2008年 12月 【7件】
2008年 11月 【9件】
2008年 10月 【4件】
2008年 09月 【9件】
2008年 08月 【9件】
2008年 07月 【11件】
2008年 06月 【10件】
2008年 05月 【11件】
2008年 04月 【10件】
2008年 03月 【10件】
2008年 02月 【14件】
2008年 01月 【15件】
2007年 12月 【16件】
2007年 11月 【15件】
2007年 10月 【15件】
2007年 09月 【15件】
2007年 08月 【16件】
2007年 07月 【15件】
2007年 06月 【15件】
2007年 05月 【17件】
2007年 04月 【15件】
2007年 03月 【15件】
2007年 02月 【14件】
2007年 01月 【16件】
2006年 12月 【16件】
2006年 11月 【15件】
2006年 10月 【16件】
2006年 09月 【15件】
2006年 08月 【15件】
2006年 07月 【17件】
2006年 06月 【13件】

ブログ内検索

リンク

RSSフィード

ブログランキング

気に入っていただけましたら
押して頂けると励みになります

AD banner

楽天で探す
楽天市場