1/700で軽巡鬼怒を作ってみる(その13)

2015–02–28 (Sat)
 前回の続き。

 船体の残っていた部分の塗装と甲板のリノリウム押さえ板の展開まで進みました。この時期のリノリウム押さえ板は亜鉛メッキを施した鋼板なので本来であれば銀色とすべき所ですが、茶系のリノリウム色に銀は強い違和感があり、あえて戦前仕様の黄銅板=金色としています。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 露天甲板ほぼ全面に及ぶリノリウム押さえ板の展開は、5500トン軽巡の製作の中でも頭の痛い過程の一つです。ただ、構造物や装備品の大半を後から取り付けるこのような作り方の場合、リノリウム押さえ板はおおよその間隔さえ取れていれば、若干のよれや曲がりは神経質にならなくても良いだろうと考えています。


 船体はそのままではあっさり感が強いので若干汚しています。Mr.ウェザリングカラーのステインブラウンでウォッシング後にタミヤのスミ入れ塗料のブラックなどで陰影を付けています。前回書いたモデルマスターカラーの下地は共に大きな問題はありませんが、エッチングの金属部分には若干の剥がれが出ます。私自身はこういった小型の洋上模型はディテールの不足を補う意味でも効果的な汚しは有効だと考えますが、具体的にどうしたらといった事は試行錯誤中で、有効な方法が見当たりません。まだまだ考える事は多いようです。



 このほどツイッターを始めました。アカウントはこちら。あまり面白い事は言えませんし使い方もよくわからないので、当面はブログの更新通知程度に留めるつもりです。

 以下次回。

1/700で軽巡鬼怒を作ってみる(その12)

2015–02–21 (Sat)
 前回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 艦尾甲板に機雷敷設軌条を付け、リノリウム押さえ板の表現を付けてシェルター甲板を取り付けた所まで。シェルター甲板と中央部甲板の接合部でパテ盛り整形した関係で前回塗装した部分が一部削れていますが、この画像からモデルマスターの塗膜と食い付きの強さが判ると思います。


 機雷敷設軌条は公式図上では画像のように舷外で下に下がっています。これも他の部分同様に写真文献等の裏付けはありません。モデルアートの軽巡総ざらいの解説図では昭和18年当時の鬼怒は軌条を撤去し爆雷投下機と投射機を設置と書かれていますが、裏付けとなる根拠は関知していません。同年11月に作成された公式図では軌条は残ったままとされています。


 機雷敷設軌条はファインモールドの丸穴空きステンレス帯金(AG-05)の外枠の部分を切り取り、0.2mm真鍮線を貼って作成しました。エッチングの「枠」はこのように使うこともできるため、中の部品を使い切った後もできるだけ残すようにしています。

 以下次回。

1/700で軽巡鬼怒を作ってみる(その11)

2015–02–14 (Sat)
 今週から塗装の工程が加わります。塗料はサフを除いて全て水性塗料を用います。製作を始めた当時はアクリジョンも含めた形での塗装を考えていましたが、墨入れ汚しの適切な方法が見つからないので今回はパスします。アクリジョンについては以降の製作で導入する見込みなので、使用感はその際にまた改めて触れることにします。

 今回はファレホに加えてモデルマスターを使用します。以前に少し触れた事がありましたが、これは米国テスター社が販売している模型用の水性塗料で、有機溶剤を含んでいないためほぼ無臭で、かつ乾燥は冬場の低温下でもラッカー系塗料並に速く、塗膜も食い付きも強いというメリットがあります。水性塗料は極端に厚塗りすると内側が乾かない事がありますが、モデルマスターは表面が滴るほど厚塗りしてもしっかり乾燥します。筆塗りは原液のまま、エアブラシで吹く場合は専用溶剤でだいたい15~20%前後薄めるのが適正値のようです(それ以上薄めると下地にも依りますが塗料が弾いてきます)。

モデルマスターカラー、1色14.7mlで実売価格400~410円前後
左端は専用溶剤、118mlで1200~1300円前後
(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 利便性はタミヤアクリルやMr.水性ホビーカラーとは比較になりませんが、その反面、色は欧米の自動車や航空機関係が中心で日本陸海軍専門色は全くなく、国内で極く一部の業者が取り扱っているだけなので価格が非常に高価で、必要な色が常に入手できる保障もないというデメリットがあります。またアクリジョン程ではありませんがエアブラシの濃度調整が難しく詰まりやすいので、艦船は大半が直線塗り分けのベタ吹きで大きな影響はありませんが、エア圧を落とした細吹きはなどはほとんどできません。隠蔽力(下の色を覆い隠す力)もそれほど強くなく、アクリジョンよりやや良い程度です。

 モデルマスターとファレホの関係は以下の通りで、
 上塗り
ファレホモデルマスター


ファレホ
モデルマスター

つまり、ファレホの上からモデルマスターを塗った時に下地が溶け出します。従ってこの2つの塗料を併用する際にはモデルマスターをラッカー系、ファレホをエナメル系の位置付けで使うと良いようです。

 どちらも日本海軍専門色は無いので、調合か近似色を用います。今回使用する主な色は以下の通り。

軍艦色…モデルマスター
     4769フラットホワイト:4768フラットブラック=3:1
     +4659フレンチブルー・4675ラスト各少量で調整
リノリウム色…モデルマスター4675ラスト
艦底色…モデルマスター4609ブリティッシュクリムゾン
艦載機上面…ファレホモデルエアー71007オリーブグリーン
艦載機下面…モデルマスター4765ライトグレー
  +4659フレンチブルー・4684ブルーエンジェルイエロー各少量で調整

 モデルマスターのラストは本来は錆を表現する色ですが、赤みががったリノリウム色としてそのまま使えます(以前の製作で使用したファレホモデルカラー139/70846マホガニーブラウンよりわずかに赤が強い色です)。

 艦底色として使用するブリティッシュクリムゾンは、本来何に使う色なのかはよくわかりません。海外の作例の中に艦底色としてこの色を使っているものがあり、個人的にはフルハルにはタミヤスプレーのダルレッドに比べて鮮やかさが足りない印象がありますが、ウォーターラインのわずかな面積であればそれほど違和感はありません。

 艦載機の上面についてはファレホモデルエアーのオリーブグリーンが三菱系の濃緑色に近い色なのでこれを使います。筆塗り用のモデルカラーに該当色はありませんが、少量のタッチアップであれば取り出し口で固まり掛かった塗料を塗ることで代用できます。

 艦載機の下面の明灰色はMr.カラーもタミヤアクリルも以前のブルーグレーから最近は畳色に近い色調に変わっています。研究結果の反映との事ですが、これらの色は1/32や1/48の航空機と比べて1/700では緑が出過ぎて強い違和感があります。そのため、この製作ではモデルマスターのライトグレーをベースに青と黄を若干調整してわずかに緑が出た程度の色を調合しています。


 今週の製作は船体と甲板色を吹いたところまでです。
 画像は加工の都合で赤が強めに出ていますが、実際はもう少し抑えた色です。

 以下次回。

1/700で軽巡鬼怒を作ってみる(その10)

2015–02–07 (Sat)
 前々回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 艦載機の中でも水上機は構造が複雑で塗装の塗り分けも本当に面倒です。加えてこれはと言う部品がありません。ピットロードやフジミはデッサンに難があり、ウォーターライン標準部品(Wパーツ)は翼が分厚くモールドがあまりありません。ファインモールドのナノドレットには今のところ艦載機が含まれていませんが、こういうアイテムこそ率先して企画して欲しいものです。

 昭和19年6月頃の鬼怒は以前に述べたように零式観測機1機が配備されていました。第16戦隊が熱望した零式三座水偵を載せようかとも考えましたが、一応史実通りとしました。この製作ではウォーターライン標準部品(W4,5,7,10)を用い、翼は上翼の下部と下翼の上部、水平尾翼をそれぞれ削って薄くし、余りのエッチングで支柱等を加えています。


 また製作上の都合で塗装も先に済ませています。下面兼下塗りはモデルマスターの4765ライトグレーに4659フレンチブルーと4684ブルーイエローを少量混ぜて作った明灰色、上面はファレホモデルエアー71007オリーブグリーンを使用しています。塗料に関しては次回詳しく述べます。


 これは艦首楼甲板と中央部甲板の間の通路で、公式図上ではこの通路の両脇に艦載機の予備翼とフロートの格納所があったとされています(ただし舷外側面図には予備翼格納所は描かれていません)。予備翼格納所のフレームはレインボーモデルのエッチング(RB7021)で、これは高さと中に入れるものを替えれば予備円材格納所としても使うことができます。


 上画像右は1・2番煙突間の大型通風筒(第二缶室用)、左が2・3番煙突間のそれ(第三缶室用)です。田宮の元々のキットでは前後共に同じ形ですが、公式図上では前者は平面形が、後者は高さがそれぞれ異なって描かれています。そのため前者は天蓋をプラ板で作り直し、使わなかった天蓋部品を後者の上に乗せて作っています。

 公式図では前者の天蓋に機銃が2挺描かれています。機銃の仕様は明記されていませんが、阿武隈と同じように艦橋に装備されていた7.7mm機銃が13mm連装の装備に伴ってここに移設されたのかもしれません。しかしながら他の部分と同じく公式図を裏付ける資料が皆無であるため本当に存在したかどうかの確証はありません。この製作では他とのバランスを取るためエッチングの機銃部品を取り付けています。天蓋に載っている測距儀はハセガワのエッチング(72083)です。また箱状のものはフライホークの英国海軍用雑用箱(FH700239)で、国籍が違いますがこのスケールであれば汎用の箱として使えます。


 これは第三煙突の背面にある通風筒(第四缶室用)です。公式図上ではこの上に探照灯台が設置され、前檣にあった90cm探照灯が1基に減らされた上で移設されています。

 まだ製作する部品は残っていますが、とりあえず一旦ここで切り上げ、残りは塗装して主要部品を取り付けた後に大きさや位置関係を調整しながら作ることにします。

 以下次回。

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MOMOKO.120%

Author:MOMOKO.120%
職業:自営業見習い
趣味:ブログの通り
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現在は1/100初代海王丸の製作を一時休止して、ハセガワ1/350空母隼鷹を製作しています。

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