趣味の艦船模型と新製品や本の感想、その他いろいろな事を書き綴っています。
このように明確に記述されています。しかしながら、平行であるはずだという思い込みから文章が頭に入っていませんでした。冒頭に掲げた当時の画像では内軸は誤差の範囲内ですが、外軸は正しくは外側にハの字に開きます(シャフトブラケットと船体に入るエディプレートの角度が誤っています)。本来プロペラ軸は、船体中心線とベースラインに対し、共に平行であることが望ましいが、船体の幅や喫水、主機械の配置場所、また船尾形状とプロペラなどの諸条件から、効率を多少犠牲にしても傾斜角を持たせなければならない。
北村氏は出撃直前に大和に配属され退艦した53名の少尉候補生の一人で、具体的な位置までは書かれていませんが、空撮写真と比較すると「25~6本くらいの白線」に相当するものとしては縁の白い点しか見当たらず、艦内防区の数(23区-レイテ沖海戦戦闘詳報に掲載)ともおおむね一致します。また手記が発表されたのは体験から14年後と比較的早期であることなどから、信憑性は比較的高いのではないかと考えます。これに対してフレームナンバーを記入した旨の証言や手記は私が見聞きした範囲では見当たりません。大和自身の眺めはさすがに巨大であって、艦幅の広さは軍艦と云うよりはむしろ島か城のような感じを与え、艦尾の方向を望むと艦橋より後マストの両ゲンには高角砲と機銃掩蓋がぎっしりと隙間無く配置され、甲板上の人影も蟻のように見えるだけであった。艦首から艦尾迄の甲板上にいかなる目的の為か、十米間隔位に短い白線が引かれており、これを数えたところ二十五本か六本あったように記憶している。
北村和夫『戦艦「大和」の思い出-巨艦最後の出撃前の三日間-』
海と空1959年7月号(第十八巻八号)掲載より
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Author:MOMOKO.120%
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