短信

2011–12–30 (Fri)
 12月の2週目に更新を止めた理由ですが、この間に呉の大和ミュージアムに行っていました。タミヤの新版大和発売祝いのお布施ではなく、朝から夕方までライブラリーに籠もっての調べ物で、主にハセガワ1/350赤城に関する事柄ですが、詳しくはまた年明けに。


 12月中頃の時点でミュージアムのショップにタミヤの新版大和はまだ入荷していませんでした。店頭のPOPによれば先月の人気一位はハセガワ1/450、以下マイクロエース1/600、ニチモ30cmシリーズの順。毎回の訪問でニチモ1/200や童友社1/250と並んで置かれていたマイクロエース1/250は、この時はたまたま売れたのか見当たりませんでした。フジミはフルハル1/700終焉時のみ並んでいました。



 今年の更新はこれで終わりです。久しぶりに完成品は出ましたが、一年を通して見れば低調な活動に終始した感があり、1/100海王丸に至っては事実上停止状態でした。来年もそれほど状況が好転する見通しはありませんが、できることから片付けられればと思っております。

雑感:タミヤ1/350新版 日本海軍戦艦「大和」(その6)

2011–12–27 (Tue)
 最後は資料の紹介など。

 模型と同じく、大和と名の付いた本も把握不能なほど出版されています。現在入手可能なものを列記するだけでもページが埋まってしまいますが、ゆえに初めての方は何から読んでいいのかわかりにくい感もあります。私自身も全て把握している訳ではありませんが、知っている範囲で書くことにします。

 大和型戦艦のおおよその外観と行動及び改装に関する情報は1970年代の末にはほぼ固まったという事と、先代のキットがその集大成として1979年に発売された事はその1で述べました。それから約30年の歳月の間に、大和型戦艦の考証に対する大きな転機は3度あり、その結果を取り入れているかいないかで内容が左右されるため、各々の資料に当たる際には「出版年」に注意する必要があります。

1985年 沈没位置特定、NHKによる海底探査
1988年 ヤヌス・シコルスキー著「Anatomy of the ship Battleship YAMATO」発売
1999年 テレビ朝日による海底探査

 まず、実艦に対する事柄よりも手っ取り早くキットをより精巧精密に見せるための情報が欲しいと言うのであれば、モデルアート社から出ていたスーパーイラストレーション戦艦大和を入手するのが近道です。これには2種類あり、2008年に発売された新版(No.745)の方を指しますが、この記事を書いている時点では版元絶版で古書市場でもほとんど入手できないようです。主に出回っているのは旧版で、これは1993年の発売でテレビ朝日の海底探査の成果を反映したものではなく、従ってこのタミヤのキットとも矛盾点が少なくないので注意する必要があります。ちなみに表紙の大部分が青いのが新版、大和中央部の着色図で占められているのが旧版です(また、現時点でモデルアートとモデルグラフィックスの本キットに合わせた別冊が発売される予定です)。



 実艦を理解するための本で、現在入手が比較的容易なものを幾つか挙げます。


 まずは先代のキットが発売された1970年代末当時の大和型戦艦の基礎知識。実艦の計画建造から改装、戦時中の変遷を写真や記事・艦型図と行動記録で示した内容ですが、30年以上前に執筆された内容なので、上記の海底探査等の成果などは反映されていません。しかしながら比較的安価に入手できる上に、後述する資料はこの内容が頭にあるという前提で書かれているため、最初に目を通すと後の理解はより容易になるかもしれません。


  
 学研の一連のシリーズで、左から1996年、1998年、2006年の出版です。最初の号が河井登喜夫氏の1/100精密模型の紹介や実艦の開発経緯と背景・戦歴と総合的な内容であるのに対して、後の号では個々の考証に関する比重が大きくなり、1999年の海底探査の後に出された右端は大半が考証に関する内容です。緑色の艦底色やバルパスバウの形状など現在ではほぼ否定されている説もありますが、3冊共にこの記事を書いている時点では入手が容易なので、セットで順に読んでゆけば平成以降の大和型戦艦に関する考察の変遷が把握できると思います。


 戦艦大和の写真集も幾つか出版されていますが、これは大和ミュージアムが所有する大和型戦艦に関する写真のほとんどと、設計図面の一部の掲載から成るものです。大判(A4判)かつ印刷が非常に鮮明で、また原版写真を拡大して収録したものもあり、細部のディテールがよくわかります。価格はやや高価ですが、それだけの価値はあります。

 一応、これだけ目を通せば実艦に関する基礎的な知識はほぼ把握できると考えますし、他の資料に当たった際にもそれがその人にとって対価に相当する内容かどうかも判断できるようになると思います。ただし何の資料に当たる際にも、上で述べた「出版年」には気を付ける必要があります。

 元乗員や関係者の手記や作家に依る戦記も同様に多いのですが、その中からも。


 戦後間もなく書かれたあまりにも有名な本ですが、全てはここから始まっているので未見であれば目を通されることをお勧めします。厳密に言えばノンフィクションではなく作者の当時の体験をベースにした戦記文学と捉えるべき本で、生存者の救助の情景など明らかに事実に反していると考えられる部分もありますが、それらも含めて当時の作者の心情や時代背景がダイレクトに伝わってきます。


 
 作者の手塚正己氏は元々は映画監督で、戦艦武蔵の生存者をテーマにした映画の取材記録を元に書かれたのが本書です。上下合わせて1000pを超える大冊ですが、武蔵に係わった人々の生を克明にかつ淡々と綴った内容で、非常に優れたノンフィクションです。大和型戦艦に限らず旧海軍に関心がある方であればぜひ一読お薦めします。



 最後にキット本体の情報も貼っておきます。

 
 
 
 

雑感:タミヤ1/350新版 日本海軍戦艦「大和」(その5)

2011–12–24 (Sat)
 現時点で気になるのは前回まで触れた所で、全体的にはほぼ2011年現在考えられている戦艦大和の姿を反映したキットだと思います。

 このキットに対する唯一の懸念は価格です。税抜23,000円はここ数年の間に発売された1/350の戦艦空母と同じ価格帯ですが、他はほぼ選択肢が無いのに対し、大和型戦艦は戦後の模型の黎明期から無数に近いキットが発売され、現在でも十指に余るキットが流通しています。大半は昭和時代に発売され元々の会社が倒産廃業して金型が他社に移ったり、開発費の減価償却が済んだりして比較的安い価格で出回っています。タミヤのこの新版大和はニチモ1/200とほぼ同価格、マイクロエース(元オオタキ)や童友社(元日本ホビー)1/250の2.5倍でかつ小さいキットです。考証や部品の精度は比較にはなりませんが、それが大多数の一般の選択判断基準にならない事は、最近発売されたフジミ1/500がバージョン替えで大判のエッチングセットを付けかつ価格を大幅に引き下げている点一つ取っても明白です。だからといって昭和時代の精度で価格を下げたところで解決できるような事柄ではなく、少なくともタミヤがそのような選択を取れる訳がありません。

 通常、艦船キットにあまり複雑な要素を持ち込まない(多種類のエッチングもオプションも付けない)タミヤが、今回は砲塔を基部まで再現して抜けるようにしたり、大判のエッチングを2枚も付けたのも、そういった競合が頭にあったのかもしれません。内容的には価格に見合ったものだと思いますが、ウォーターライン選択可の仕様も含めて他との価格差を埋め切れたかどうかは微妙で、最初はいわゆるマニア層が飛び付いてそこそこ数は出るかもしれませんが、長い目で見た場合は個人的には不安が残ります。

 ただ、旧1/350キットの扱いはこの記事を書いている時点では不明ですが、ハセガワが1/350赤城を出した後も1/450を残したように、廉価版として生産を続ける可能性は考えられます。考証には問題があり細部の表現にも見劣りはしますが、5000円前後の価格帯では最も大和の形に近いキットである事に変わりはなく、価格と大きさのバランスも良く初心者にも取り掛かりやすいものです。これとの二本立てでゆくのであれば、トータルで上手く回ってゆけるかもしれません。

 1979年に旧の大和が出た後、タミヤはバリエーション替え以外の艦船の新規開発が数年間止まり、恐らく今回も止まるのではないかと思います。大型艦で戦歴があり資料もそれなりに残されている艦としては飛鷹型の航空母艦や大淀がありますが、個人的には陽炎型以外-特に丁型の駆逐艦や補助艦艇といった1/700ではディテールが掴みにくい小型の艦艇に目を向けて、1/350全体の層の底上げにつながる方向にゆく事を期待したいものです。

 あと1回続きます。

雑感:タミヤ1/350新版 日本海軍戦艦「大和」(その4)

2011–12–21 (Wed)
 オプションとして用意されているのは下記の製品です。

・1/350 大和46cmメタル砲身砲弾セット
・1/350 ハンドレールセットA
・1/350 日本艦 艦載艇セット
・1/350 船員セット
・1/350 日本艦 舷外電路セット

 このうち、舷外電路はオプションではなく必要部品である事はその2で述べました。46cmメタル砲身は艦船用の金属砲身に一般的に用いられる真鍮ではなく、より軽いアルミ製で重量面での配慮が成されています。ただ、キットのプラの砲身も砲口が深く開いていない以外は精度は悪いものではなく、塗装すれば材質はわからなくなるため、導入に当たってはキットの部品を一度仮組して見た上で判断すれば良いかもしれません。

 ハンドレールセットは一般的なエッチング製品ではなく、1~2ヶ所穴の開いたエッチングの棒を植えて0.1mmの銅線を通して仕上げるものです。一体化された手すりより実感があり、ジョー・ワールドからも同種の製品が発売されていますが、船体上に数百本単位で穴を空けて支柱を植えてゆくのは並大抵の作業ではありません。タミヤが出すからには効率的な作業方法やジグが提供されるのではないかと考えていたのですが、ただ切って植えて通せという指示が成されているのみです。

 実際のところ、縦の棒より横が細くなってより実艦の手すりらしくなる効果はありますが、縦の棒の「のりしろ」が0.5mm程度しかないため、植えてゆく棒が垂直に立たず均一性が取れなくなって返って見栄えが悪くなる可能性があります。労力に対する効果は微妙で、いずれ他社から一体化された専用のエッチング手すりが出るでしょうから、それを導入した方がすっきりした模型になるかもしれません。

 大和型戦艦は艦載艇の多くが艦内に収納されていたため、一応標準で搭載されていたと考えられる種類は網羅されていますが、艦載艇セットは特に大和型戦艦用という訳ではありません。平時の状態で9mカッターとダビッドを舷外に張り出したり、内火艇を収納庫から引き出すような設定にしなれけば特別必要はないものです。

 1/350の艦載艇セットは他にはハセガワから既存のキットの部品別売という形で発売されています。タミヤのセットは艦載艇の種類が多く、船体に架台を取り付けるためのガイドシールも用意されている反面、各々の艇用のエッチング部品が少ないというメリットとデメリットがあります。部品そのものの表現は一長一短といった感じです。ただ、どちらのセットも架台がエッチングで提供されていますが、ハセガワの架台は全体的に腰高の印象があり、重巡以下の艦艇にはタミヤのセットの方が合うかもしれません。ちなみに、エッチングの別途請求の可否は説明書には何も書かれていません。

 また、旗艦任務の巡洋艦に搭載されていた11m長官艇はどちらのセットにもありません。15m内火艇の船室部品を切り詰めて11m内火艇に載せれば良くそれほど手間がかかる改造ではありませんが、長官艇用の船室部品も入れて欲しかったところです。

 なお、この艦載艇セットの12m内火ランチは水線下の船体形状がハセガワのそれよりも太く平べったくなっています。ほとんど目立たない部分で大多数の艦艇への搭載にも支障はありませんが、唯一アオシマ1/350鳥海の後部艦橋両側に搭載する場合、搭載する甲板から下に降りるラッタルを再現するとこの艦載艇は搭載できなくなるので注意が必要です。

 船員セットに関しては発売当初に一度触れましたが、フジミの製品に比べると板人形の印象が強く、またポーズも今一つで曲げると簡単に折れてしまうため変化も付けられません。フジミのフィギュアはいわゆる「超肥満体」なので、艦橋や防空指揮所などの狭い場所に集中して置きたい時にはタミヤの方が多く載せられますが、それ以外ではメリットに乏しいというのが正直な印象です。

 以下次回。

雑感:タミヤ1/350新版 日本海軍戦艦「大和」(その3)

2011–12–18 (Sun)
 キットの設定時期は前回も触れましたが1945年4月の天一号作戦最終状態です。最上甲板中央部の部品の裏側にはMの彫刻があり、その近辺に加工用と思われる溝などが掘られている事から、武蔵の発売も前提とした設計のようです。舷側部品が別々になっていて、竣工時も展開できそうに見えますが、その可否はよくわかりません。

 組立説明書は68pあり、全100過程+別売のハンドレールセットの取り付け方法が4pで日米独仏4ヶ国語併記になっています。しかし、後述する船体の分割が複雑な上にフルハルとウォーターラインの両仕様の記述が入り交り、どちらか片方の記号図しか描かれていないのに文章で片方の仕様にも取り付ける部品があるなどと、タミヤにしては珍しく組立過程にやや判りにくさを感じます。
 フルハルとウォーターラインで給弾部の長さが変わってくる主砲の組立は、別に上部構造の後でも前でも製作に支障はありませんから、ここまで構造が複雑であれば記述に重複する部分はあってもフルハル用の過程とウォーターライン用の過程に完全にページを分けて、最初にこの仕様は何pから何pまたは過程何番から何番までとした方が判りやすかったように感じます。
 また、この説明書では後部副砲を一貫して4番砲としていますが、これは戦闘詳報などから2番砲が正しい記述です。


 キットを手にしてまず目を引くのがバラバラの船体部品。通常の艦船キットであれば船体は一体整形か左右分割、せいぜい喫水線下と上左右の3分割程度ですが、このキットは艦底だけで4分割、上部が7分割、最上甲板も5分割と非常に細かくなっています。これは金型整形上の都合というよりは武蔵やレイテ戦状態への展開を考慮しての事と思われます。タミヤ独特のカッチリしたモールドで、主要部品を仮組した段階では段差や隙間はあまり目立ちません。

 説明書には特に何も書かれていませんが、フルハル仕様の場合、過程13で艦底板(N1,2)を艦底にビス留めしますが、その際に艦底板の裏側の縁に掘られている凹型の溝に艦底上端の凸状部をはめ込みます。ここが上手くはまらないと過程15で艦首舷側(M1)を取り付けた際に艦底との間に大きな隙間が空くので注意が必要です。

船体主要部品
上から最上甲板5、舷側部品・艦尾上甲板・航空機格納庫床板・計5、
ウォーターライン版艦底板兼フルハル版艦底接合板2、船底部品4、
定規は1mです。
(本日の画像はクリックすると拡大表示します)

船体部品を仮組した状態
これまでの資料や模型と比べて
艦首から1・2番砲付近に掛けての甲板がやや幅広めの印象を受けます。

1番砲塔付近の左舷側
裏返しで甲板が下になります。
舷側部品の合いは接着すれば目立たなくなりそうですが、
艦底部(画像上部)前後の合いにはやや隙間が出るようです。

 船体には外板と艦底の給排水口が表現されています。給排水口は機械室の位置に各4個ずつ計16個のモールドがあり、全て小判状の同サイズのものとされています。形状や個数には疑問がありますが、関知していない海底探査の結果や資料が他にあるのかもしれません。艦首に装備されていたはずの水中聴音機のモールドが付けられていないので、こだわる方は艦内側面図などを手がかりに付けると良いかもしれません。

 艦尾形状は呉1/10大和と異なりはっきりした平坦面がありません。元乗員の証言などから長らく平坦面があったとされてきた部分ですが、船型模型と写真解析の比較による検討から最近は平坦面はなく通常の曲線による構成とする見方が有力になっているようです。
 また、3番砲塔付近の舷側に6つ並んでいる窓は丸窓になっています。ここは角窓とする模型が多いのですが、呉海軍工廠で建造中の姿を左舷後方から撮影した有名な写真を拡大してみると、丸窓である事がはっきりとわかります(学研No.20「大和型戦艦2」p21/ダイヤモンド社刊「日本海軍艦艇写真集別巻 戦艦大和・武蔵」p11参照)。

艦尾形状
長方形の穴にはフェアリーダーの部品が入ります。

 エッチングの不要部品の中に、シールド無し25mm三連装機銃用の防弾板があります(a部品102)。この板は大戦末期の機銃の多くに装備されたものですが、必ずしも徹底されたものではなく同じ艦でも装備のあるものと無いものが混在した例もあり、はっきりした事はわかっていません。大和も装備されていたのか不明で、呉1/10大和にも付けられていないため省いたものと思われます。しかしながら、大戦末期の機銃の特徴的な装備なので、装備時期の違いで有無を区別させても変化が出て良いかもしれません。

 以下次回。

雑感:タミヤ1/350新版 日本海軍戦艦「大和」(その2)

2011–12–11 (Sun)
キットの部品割は以下の通り。

・A部品(3枚)
 主砲、主砲基部、砲塔上増設機銃座
・AA部品
 中央構造物基部
・BB部品
 フルハル用ディスプレイスタンド
・B部品(2枚)
 副砲
・C部品(2枚)
 副砲砲座、シールド付き高角砲、シールド付き機銃
・D部品(2枚)
 12.7cm連装高角砲、シールド付き25mm三連装機銃、甲板上増設機銃座
※B・C・D部品はランナー連結
・E部品
 艦橋、15m測距儀、機銃射撃指揮装置基部、艦橋背面下兵員待機所、10m測距儀、
 後部主砲射撃所
・F部品
 三連装機銃座、12.7cm連装高角砲座、増設高角砲甲板
・G部品
 副砲基部、煙突、探照灯台、94式高射装置基部、電探室、後部艦橋下部、ほか
・H部品(2枚)
 フェアリーダー、ケーブルホルダー、ハッチ、12m内火ランチ、ボラード支柱、汚水捨菅、
 リールドラム、艦首通風筒、パラベーン、増設機銃座、機銃射撃指揮装置、従羅針儀、
 12・18cm双眼鏡、1.5m測距儀、探照灯管制器、二式哨信機、22号電探、
 94式高射装置、150cm探照灯、ボートダビッド、航空機運搬回転板、主錨、副錨、ほか
・J部品[ABS]
 航空機作業甲板裏側サポート、艦橋頂部信号灯、メインマスト、高角砲射界制限枠、
 副砲空中線支柱、艦首・艦尾旗竿
・K部品
 零式三座水上偵察機、零式水上観測機、艦載機運搬台座
・L部品
 艦底
・M部品
 艦首(水線位置2分割)
・N部品
 ウォーターライン仕様用艦底板(フルハルでも使用)
・P部品
 舷側(右舷・左舷)
・Q部品
 最上甲板中央部
・R部品
 航空機作業甲板、艦尾上甲板
・S部品
 最上甲板中央舷側部、艦載機格納庫、艦首錨甲板、艦載艇格納部扉、ほか
・T部品
 ビーム、デッドウッド、舵、艦載艇格納庫側壁、艦首・艦尾フェアリーダー、ほか
・U部品[透明部品]
 艦橋角窓、60cm信号探照灯、40cm信号探照灯、2KW信号灯、方位盤観測鏡、
 150cm探照灯ガラス、ほか
・V部品(3枚)
 単装機銃用土嚢、主砲砲身防水カバー
・W部品(3枚)
 25mm三連装機銃
・Y部品(2枚)※説明書の部品請求明細上は1枚
 25mm単装機銃、弾薬箱
・Z部品
 スクリュー、シャフトブラケット、エディプレート、主砲塔座、カタパルト支柱、菊花紋章、
 8m内火ランチ、6m通船、艦尾増設機銃座、キャプスタン、リールドラム、波除け、天窓、
 小型リール、甲板上増設機銃座、航空機作業甲板通風口、クレーン起倒柱、
 クレーンポスト、空中線支柱用ジグ、カタパルト、塵捨筒、ほか
・エッチング部品
 a部品

  錨見台、投鉛台、煙突整流板、煙突周辺通路、21・13号電探、カタパルト上面、
  シールド無し12.7cm高角砲側面、各部ラッタル、艦載機プロペラ、同台車・運搬台車、
  航空機作業甲板舷縁部スノコ板、主砲・副砲基部リベット板、
  25mm三連装機銃用防弾板(使用指示無し)、ほか
 b部品
  艦底給排水口、リール、探照灯正面枠、空中線支柱、クレーンブーム、同ワイヤー、
  主砲塔後部底板、ほか
 ネームプレート(2枚)
・その他
 アンカーチェーン、ポリキャップ、各種ビス・ナット、転写マーク、歩行帯ステッカー、
 軍艦旗シート、組立説明書、カラー塗装図、解説資料集

有効総部品数(選択含)
プラ1,142(船本体1,099、艦載機34、スタンド9)+付属エッチング327
うち艦載機K部品のみ重巡利根からの流用

(別売オプション)
・1/350 大和46cmメタル砲身砲弾セット
・1/350 ハンドレールセットA
・1/350 日本艦 艦載艇セット
・1/350 船員セット
・1/350 日本艦舷外電路セット ※注

※注 このキットの船体には舷外電路の表現がありません。
   キットの最終状態はもちろん、どの時期に改造するとしても電路の部品は必須です。


 大和型戦艦は比較的シンプルな外観なので、発売前には部品数は抑えられるのではないかと考えていましたが、集計してみるとエッチングを除いたプラ部品はハセガワの戦艦長門とほぼ同じ数(有効1106=本体1053、艦載機51、スタンド2)になりました。後述しますが、フルハルの船体外殻と甲板だけでビームや接合部品抜きで16分割とこれまで見たこともない多分割が成されている上に、艤装品の数も予想外に多く、1/350の戦艦空母クラスを細かく作ろうとすれば1000程度の部品は必要なのかなという感があります。

 これだけの価格と部品数のキットを徒手空拳で取りかかる事はあまりないと思いますが、このキットは一般的なプラの組立模型に必要な工具(ニッパー、カッター、ヤスリ、ピンセットetc)の他に、下記の道具が必要です。

・下記の穴を空けられるもの、具体的にはピンバイスとドリル。
 0.3、0.6、0.8、1.0、1.2、1.5、2.5、3.0mm
・ステンレス製のエッチング部品を加工できるもの。
 切り離し … エッチングバサミ
 切り口整形 … エッチングヤスリ(ダイヤモンドヤスリ)
 折り曲げ … エッチングベンダー(精密ラジオペンチ)

 ドリルは無ければ組み立てられません。エッチング部品は数個レベルであれば切り離しも折り曲げもカッター等でできない事はありませんが、部品割で示したようにこのキットの付属部品は327個もあるため、専用の工具を準備した方が作業は楽になります。

 これら必要な工具は説明書の冒頭に書かれてはいるのですが、その1の最後に触れたように店頭で説明書を引き出す事ができない上に、外箱やタミヤ公式サイトにも何も書かれていないため、注意が必要です。

 また、このキットには船体に舷外電路の表現がありません。説明書に付けたい人は別売純正部品を買って付けろと小さく書いてあるのみです。最上や利根と違って大和は竣工から最終状態まで電路が装備されていたのは公試時の写真や海底探査から明白で、両舷の鮮明な写真が公開されているため赤城や飛龍のように正確な設置位置が不明という事もなく、手すりなどと違って船体に密着していて最初から一体で表現すれば済むものなので、わざわざ省略する意図は良くわかりません。

 1/350の舷外電路はタミヤ純正の他、ライオンロアやフライホーク、ファインモールドやレインボーモデルなどのメーカーからもエッチングが発売されています。ただし、海底探査の映像を見る限り少なくとも艦首部の電路にはカバーが無く電線がむき出しのように見えますが、これを表現したエッチングはこの文章を書いている時点ではレインボーモデルの製品のみ(Rb3511 IJN outboard circuit)のようです。また以前にアオシマの電路の部品を紹介したことがありましたが、三次元曲線に良くフイットする付けやすい製品ですが部品の精度が今一つで、個人的にはこの田宮新版大和には多少バランスが合わないように感じます。

 以下次回。

雑感:タミヤ1/350新版 日本海軍戦艦「大和」(その1)

2011–12–08 (Thu)
 戦艦大和は今更改めて説明するまでもなく日本に於いて最も知名度の高い船で、多種多様な模型が発売されてきました。プラの組立模型を列記するだけでもこの貧弱ブログのページが埋まりそうなほどで、2011年の現在もなお十指に余るキットが入手できます。

 市場に多種のキットが流通しているということは、買う側にとって選択肢の幅が広く、競争が激しいアイテムである事を意味します。特にプラの組立模型の場合は30~50年前に発売され開発費の減価償却も終わっていると考えられるキットが相対的に非常に安い価格で流通しているため、後から参入するキットは価格面で厳しい戦いを強いられることになります。基本的には後に世に出たキットであればあるほど内容的により正確であると言えますが、それを重視するのは極一部のマニアだけで、実艦の詳細に詳しくない大多数の人は価格と模型の大きさのバランスで選んでゆきます。これらは以前フジミが1/500で発売した時にも書いたことですが、その後レイテ戦バージョンで大判のエッチングセットを付けかつ価格を引き下げている事からも、競争の厳しさの一端が伺えます。

 実艦について語られるとき、残存写真や資料の少なさが良く挙げられます。ただし、太平洋戦争中の写真や実艦の詳細図面が残存していないのは特に大和型戦艦に限ったことではなく、前に書いた5500トン軽巡の中には図面や写真どころか改装状況やそもそもどういう外観だったのかといった基本的な情報すらはっきりしない艦もあります。それらに比べれば大和型戦艦の資料は発掘公開されてきており、大まかな外観や改装状況といった基本的な部分は1970年代にはほぼ固まり、それ以降の30年間はいわばミクロの部分での検討が続けられてきた印象があります。

 タミヤの先代の1/350キットは1979年に世に出たもので、当時知り得た情報を盛り込んだ決定版という評価が成されたと聞いています。それ以降、実艦の沈没位置の判明と海底探査、ヤヌス・シコルスキー氏の図面集など多くの情報が提示され、それらを盛り込んだ新決定版が発売される事になりました。しかしながら設定された価格は現在の1/350の戦艦空母の価格帯内に収まったとはいえ旧版の約3.5倍です。上で述べたように、ただ単に内容の正確性だけでは一般層に価格差を埋めるだけのアピールにはなりにくいので、その部分をタミヤがどう考えたのかといった点に関心がありました。

 前置きが長くなりました。いつもであれば評価表を挙げるところですが、簡単には評価できにくい部分もあるため、後日改めて載せることにします。


外箱の大きさはハセガワ1/350長門とほぼ同じです。
なお、組立説明書はテープ封された内箱の底に入っているため
店頭で引き出しての確認はできません。


 以下次回。

短信

2011–12–05 (Mon)
 本サイトのウォーターラインの履歴書の内容を更新しました。

 暫定版を最初に上げた時から早や10年以上が経過し、以前にも書きましたがフジミの大量投入やアオシマのフルハル艦船からのリテイク版に番号無しの限定版の多様化など状況は大きく変わり、従来のシリーズ番号付加のキットを正式とするウォーターライン一括りでは把握し辛くなっている感があります。今回は従来の表の追加に留めましたが、いずれそのあたりを含めたものに書き直すつもりです。


次回からしばらくこの話をします。

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プロフィール

MOMOKO.120%

Author:MOMOKO.120%
職業:自営業見習い
趣味:ブログの通り
模型の守備範囲:船
Webページ:模型の缶詰

現在は1/100初代海王丸の製作を一時休止して、ハセガワ1/350空母隼鷹を製作しています。

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