1/350で何か作ってみる(その75)

2011–09–30 (Fri)
 前回の続き。


 艦載艇周辺はこのような感じになりました。この艦のボートダビッドは甲板上に付くタイプと舷側に付くタイプの大小合わせて3種類で、実艦写真からも確認できますが、私は公式図を見るまで全く気が付きませんでした。タミヤ700も2種類までしか用意されていません。詳しくは後でまとめて述べます。


 舷梯は一旦アオシマ純正多摩用エッチングの部品を組んだのですが、いざ取り付けようとしたところ、舷外電路の部分でつかえて水平に張り出せない上に、ラッタルが長いのか下の入口の部分が水没してしまいます。組んだ後の確認が足りませんでした。そのため、ラッタルの部分を外して若干幅が狭く短いライオンロアの汎用舷梯エッチングの部品と入れ替えました。接写でやや上方からの撮影のため画像は入口がかなり水線下のように見えますが、実際は0.5mm程度下に位置しています。また、舷梯用ダビッドはタミヤ1/700球磨/長良型のボートダビッドが丁度合います。



 本体の製作はこれで終わりで、天候を見てツヤ調整のクリヤーを吹くだけです。模型の設定時期では艦載機は搭載していないため、予備部品共々取り付けません。全体の作業はまだ若干残っています。

1/350で何か作ってみる(その74)

2011–09–23 (Fri)
 前回の記事の後に、有り難いことに格子状の線(饋電線)の名称と役割に関して解説を頂きました。私自身は公式図からあまりイメージできないままエッチングを当てはめたのですが、改めて文献を読み直し、饋電線のイメージが掴めたので作り替えることにしました。平行の二本のワイヤーにそれより太い絶縁体が挟まるような形を考えます。


 まず、プラ板にファインモールドのステンレス帯金015(AG-05)を二本平行に瞬間接着剤で止め、前後も同じ帯金で止めます。


 帯金の穴に横に張り線よりも太い糸を一定間隔で通し、全て通し終わったら張り線と同じ太さの線を通して交差する場所を接着剤で固めます。


 切り離して不要部分を外します。


 それを貼ったものがこの写真です。不自然さはまだ残りますが、エッチングを代用するよりは実物の形状に近くはなりました。ご指摘を頂きました鳶色様には深く感謝致します。

1/350で何か作ってみる(その73)

2011–09–20 (Tue)
 前回の続き。


 リギングがやっと張り終わりました。画像は後部マスト周辺で、このあたりは一部省略したり変更や推測による所もありますが、多くは公式図に従って張っています。一度壊してやり直すのは精神的にかなり疲れる上に、1/350くらいになるとあまり省略ができにくいのが辛いところです。

 格子状の空中線は手持ちのエッチングの中から無理矢理当てはめたもので、違和感がありますが、他に適切な表現方法が見当たりませんでした。舵柄標識板はレインボーモデルの1/700日本海軍艦艇用艤装品セットのエッチングを使用しています。1/700用ですがオーバースケールで、むしろ1/350の方がサイズ的には近いようです。110cm探照灯と側面の事業灯はベテランモデルの部品です。

 模型の設定時期では小発動艇が2隻増設されています。部品はピットロードの二等輸送艦(10m特型運貨船)からの複製で、一旦海軍標準塗装としてみたのですが、その後資料を読むうちに陸軍からの供与品ではなかったかと考え、塗装も軍艦色より明るいグレーに艦底色として変化を付けてみることにしました。合わせて若干不自然だった艇内艦尾側の底の部分も彫り込んであります。設置位置は証言からカタパルト後半部両脇、右舷は上甲板、左舷はシェルター甲板上になります。このあたりの詳しい根拠も後でまとめて述べます。 

 あとは舷側にカッターを吊して舷梯などを取り付ける作業が残っています。

船の科学館に行って来ました。(その3)

2011–09–15 (Thu)
 前回の続き。船の科学館の写真から幾つか。


本日の画像はクリックすると拡大表示します。

 1F船をうごかすコーナーにある三菱UEディーゼル実験機関。戦後の船舶用国産ディーゼル機関の開発の礎になったものです。あまりにも巨大な構造物のため、船の科学館を建設する際にまず予定地にこの機関を運び込み、それを覆う形で本館が建てられたという逸話があります。


 同じく1F船をつくるコーナーより。ここは船の一生と題して、1971年に建造された当時世界最大のオイルタンカー日石丸の生涯や備品、模型などが展示されています。恐らく将来本館が再公開された暁には、このあたりの展示は「2010年代現在の状況に合わせて」変わる可能性があるかもしれません。


 2F海をまもるコーナーの1/50戦艦大和と艦艇模型群。前回に触れた1/700連合艦隊の展示ケースはこの画像左手前側の壁面、また武藤忠春氏の1/100空母瑞鶴は画像右手奥側の潜水艦体験コーナーの脇にあります。


 3Fのマリタイムサルーンでは船の科学館の歴史を回顧する特別展が開かれています。また、タイタニック展も開催中ですが、この催し「のみ」撮影禁止となっています。


 3F和船コーナーの奥にある読書ルーム。元々は船の科学館の蔵書庫で、その一部を開放してイベントや一般からの相談などに応じる場所になったものです。右手奥にプールに浮かべたラジコン船を操作できるコーナー、向かい側に海上保安庁の東京港管制室があります。




 船の科学館へは、時間的な余裕があるなら浜松町駅から東京ビックサイト行の都営バスが経済的です。新橋からゆりかもめに乗るより170円安く、道路が込み合っていなければ所用時間もさほど違いはありません。画像は駅に隣接する世界貿易センタービル地下のバスターミナルで、ここが始発になります。

 休館まであと半月ほどになりました。本館の建て替えになるのか別の方策を取るのかわかりませんが、展示自体は時間はかかるかもしれませんがいずれは再開されるだろうとは思います。ただ、展示内容には時代的なギャップを感じる部分もあるため、再開の暁にはそういった部分は2010年代の現在に合わせてリニューアルされる可能性が高いのではないかと個人的には見ています。船と海運に興味のある方であれば、休館までに足を運ばれる事をお勧めします。

船の科学館に行って来ました。(その2)

2011–09–13 (Tue)
 前回の続き。船の科学館の写真の中から幾つか。


本日の画像はクリックすると拡大表示します。

 1F船をつくるコーナーにある浪速丸の模型。この船は戦時中は特設潜水母艦・戦後は引揚船として活動した筑紫丸の姉妹船で、大連航路用の貨客船として計画されましたが、戦争のため建造中止となり、模型だけが残りました。元々は東京神田の交通博物館で展示されていたものです。


 2F船がはこぶコーナーのさんふらわあ5の模型。縮尺は1/30で6mを超える巨大なものです。この船を含めた、さんふらわあシリーズと呼ばれた5隻の姉妹船と船会社の日本高速フェリーは戦後の日本商船史に欠かすことのできない存在で、1973年の登場当時は日本の内航客船のイメージを覆す画期的な船でした。今はもう船会社も船も存在せず、この巨大模型だけが「強者どもが夢の跡」として往時の姿を留めています。


 同じコーナーにある新田丸の模型。縮尺1/50で細部のディテールがよくわかりますが、アオシマ1/700の組立キットはハウス正面と各甲板の関係やプール周辺などの表現が曖昧で、一般配置図では読み取りにくいため、もし将来に渡って作るつもりがある方であれば、ぜひ写真を撮るなりスケッチされる事をお勧めします。


 2F海を護るコーナーに展示されている、武藤忠春氏製作の1/100空母瑞鶴。書籍などで取り上げられたため御存知の方も多いかもしれませんが、模型の実物はここにあります。今更改めて語る事もない作品ですが、物凄い迫力があり、私はたぶん一生涯掛かっても足元にすら及びそうもありません。


 同じコーナーにある1/700連合艦隊。御師匠様の作品で、1970年代末時点でのウォーターラインキット+当時未発売艦のスクラッチ+一部ピットロードの駆逐艦などの構成のようです。エッチングや張り線などは見当たらないのですが、これだけ一同に揃うとそういった要素は全く気にならなくなります。表現方法で途方に暮れている方には何か掴めるものがあるかもしれません。


 6F海をわたるコーナーにある1/50初代日本丸と二代目海王丸の模型。どちらも縮尺の割に細部の表現は今一つの感がありますが、新旧両練習船の外観上の違いはよくわかります。

 以下次回。

船の科学館に行って来ました。(その1)

2011–09–10 (Sat)
 以前にも触れましたが、東京お台場の船の科学館の本館の展示は今月末を以て一旦休止となります。博物館としての活動は今後も継続してゆきますが、展示規模は大幅な縮小が予想され、再開のメドは現時点では示されていません。

 私は子供の頃から通った場所でしたが、思えばここへは「何かを相談しに行く」事がほとんどで、館内外の写真は撮影自由にもかかわらず宗谷と一部の収蔵模型を除いてほとんど撮っていませんでした。そのため、これを機会とカメラを抱えて今週写真を撮りに行ってきました。しかしながら、実質8時間で1000枚程度と思ったほど枚数が撮れず、しかも1・2階フロアの撮影に手間取り3階以上は駆け足で、羊蹄丸に至っては足を運ぶ時間すらなく、かつ帰宅後に見直したら撮ったと思い込んでいた場所やアングルが抜けまくりと、やや不本意な結果になりました。

 撮った写真の中から幾つか。


(本日の画像はクリックすると拡大表示します)

 船の科学館は元々当時世界最大の豪華客船だったイギリスのクイーン・エリザベス号を引退後に買収して東京港で海事博物館として永久保存する壮大な計画から始まった施設でした。計画から買収断念に至るまでの経緯は資料ガイド12「船の科学館」に詳しく書かれていますが、仮に買収できたとしても、引退後のクイーン・エリザベス号の状況や別府で同様の趣旨で保存されていたオリアナ号の末路などを合わせて考えてみると、日本財団を以てしても手に余る-今の羊蹄丸と同じ状況に早晩追い込まれたのではないかというのが個人的な見方です。陸上に大型豪華客船を模した施設の建設は買収断念の代替案だったのですが、結果的にはそれが最善の選択だったようでした。


 1F船のあゆみコーナーのモレタニア号。姉妹船のルシタニア号と共に世界で初めて3万トンを超えた豪華客船で、主機にタービン機関を搭載し北大西洋横断速度記録・ブルーリボンを22年間に渡って保持し続けた偉大な客船です。この模型は特徴的なボートデッキトップに林立する大型吸気口の形状が今一つでイメージを欠いているのが残念ですが、縮尺1/50で大変な迫力があります。


 同じく1F船のあゆみコーナーにある、うめが香丸の大型精密模型。1909年に建造された船で、あまり多くの説明はありませんが、「戦時に補助巡洋艦として戦える商船」という建造の際のコンセプトが上のモレタニア号と同じで、建造時期もほぼ同時です。高速力が出せるタービン機関を搭載し、当時一般の商船より厳しい水防区画を設けた構造上の特徴も同じで、そのためか、ボートデッキハウストップに林立する大型吸気口や後部マストで前後に別れるハウス、船尾の舵の形状など、外観上のスタイルはモレタニア号と非常に良く似ています。

 しかしながら、20世紀初頭の軍艦の急速な発達により、商船による補助巡洋艦は正規軍艦とは所詮戦えないことが第一次大戦が始まってすぐに明白になり、モレタニア号が補助巡洋艦になる事はなく、このうめが香丸に至っては商船としての実績も芳しくないまま建造後わずか3年で事故で沈み、引き揚げられたものの引き取り手もないまま解体されて果てました。現在はこうして模型だけが実船の不本意な生涯を埋めるように面影を留め続けています。船の科学館の展示場所は柱を挟んだ対角線の位置にあるため、もし実際に見る機会があれば、モレタニア号と見比べてみるといろいろ興味深いと思います。


 同じフロアのさんとす丸。戦前に大阪商船が建造した南米航路用の貨客船で、太平洋戦争中は特設潜水母艦として活動した船です。これも縮尺1/50の大スケールでディテールがよくわかります。


 ぶゑのすあいれす丸。同じく大阪商船の南米航路用貨客船で、さんとす丸の拡大改良型とも言える船です。太平洋戦争中は病院船として活動しましたが、米軍機の爆撃で撃沈されました。赤十字標識を見落とした誤爆とされていますが、はっきりした理由はわかっていません。この模型は縮尺1/100で大きさが比較しにくいものの表現のバランスが良く、1/50のさんとす丸と比べても見劣りしません。


 浅間丸。日本郵船の北太平洋サンフランシスコ航路の貨客船で、戦前の日本を代表する豪華客船です。縮尺1/64で、浅間丸の模型は他にも幾つかの施設で展示されていますが、個人的には船の科学館所蔵の模型が最も縮尺とディテールのバランスが良いように感じます。

 以下次回。

1/350で何か作ってみる(その72)

2011–09–09 (Fri)
 前回より前進。


 破損した艦橋上部と後部トップマストの修復は終了、他に細かい部分の破損を復旧している所です。


 今週は出掛けていたためにあまり作業は進みませんでした。どこで何を見たかはまた後日。

1/350で何か作ってみる(その71)

2011–09–02 (Fri)
 前回から後退。


 リギングをほほ張り終わり、片付けて寝ようと工作台を取ろうとして手が滑り、模型は工作台ごと逆さに床に落下。マストの保護カバーは一応付けていたものの吹き飛び、艦橋は主砲指揮所の天蓋から上部が分解、後部マストもトップマストがひん曲がり、他にも艦載艇やダビッドの一部などが小破と散々な事になってしまいました。

 艦橋構造そのものはかなり頑丈に作ってあったため、むしろこの程度で済んだというのが正直なところです。甲板背面のリブなど作っても仕方がないと以前述べましたが、こういう事になってみればむしろ有効に働いたのかもしれません。

 飛んだ部品の大半は回収でき、またひん曲がった後部トップマストも外すことができたため、復旧は比較的容易にできる見込みですが、リギングはまた最初からやり直しです。



 ただ復旧するのもシャクなので、ディテールを更に加えています。

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MOMOKO.120%

Author:MOMOKO.120%
職業:自営業見習い
趣味:ブログの通り
模型の守備範囲:船
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現在は1/100初代海王丸の製作を一時休止して、ハセガワ1/350空母隼鷹を製作しています。

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