1/350で何か作ってみる(その66)

2011–07–29 (Fri)
 前回の続き。

 艦底と甲板をマスキングして船体色を吹きます。船体は艦尾形状の修正に加え外板モールドを付けたため、元々の喫水線の位置を示すモールドが消えています。これに限らずフジミの1/350戦艦金剛のように元々喫水線のモールドが入っていないキットにフリーハンドでマスキングをするのは大変なので、面倒でもこのような治具を作ります。



 工作台の上に船体を取り囲む形で木枠を作り、船体の前後の中心位置が台に接するようにし、艦首先端と艦尾端に当たる位置にスペーサーを入れて枠をゆるい弧を描くような形にします。その上にアクリル板を固定し、木片の上に鉛筆を満載喫水線の高さにセットできるように固定して、台の上を滑らせてマーキングします。少々大がかりですが、これでフルハルキットの喫水線のマスキングの位置決めができます。スペーサーの高さは艦首が水線長の1/300、艦尾が1/600で、この場合はそれぞれ約1.5mmと0.75mmですが、製作では2mmと0.8mmに若干誇張してあります。



 次に甲板のリノリウム押さえを作ります。艦尾甲板と同じく金紙の細切りを貼ってゆきますが、5,500トン軽巡はほぼ甲板一面がリノリウム貼りで手間がかかって仕方がありません。大方貼り終わっていますが、まだ若干作業が残っています。

 現状はここまで。以下次回。

1/350で何か作ってみる(その65)

2011–07–22 (Fri)
 前回の続き。


 製作は先週からほとんど進んでいません。
 魚雷発射管室上の増設機銃のブルワークを付けてリノリウムを吹いたところまで。
 これから甲板と喫水線下をマスキングして船体色を吹きます。

1/350で何か作ってみる(その64)

2011–07–15 (Fri)
 前回の続き。
 シェルター甲板がつながったので、3番煙突から後部の装備品を揃えます。


 この部分には幾つか大型吸気口があります。画像右端、四角型で2つ並んでいるのが第四缶室最後部の缶室吸気口、それに接している長方形状のものとカタパルトの下に2個並んでいるもの、及びカタパルト支柱の基部とその後ろにある吸気口はいずれも後部機械室用のものです。

 球磨型と長良型の残存する公式図を見てゆくと、この第四缶室用と後部機械室用の吸気口は大きさや数・設置位置に若干の違いはあるものの、どの艦にも装備されています。図面が存在しない艦に関しても、機関配置は同じなのですから吸気口も形状の違いはあれ設置はされていた-少なくともこのアオシマ350やタミヤ700のキットのようにシェルター甲板上が真っ平らという事は無かったのではないかと考えます。詳しくは完成後に改めて述べます。


 ループアンテナがある方位測定室の周辺も5500トン軽巡各艦によって違いがあったようです。本製作は公式図の記載に従っていますが、真珠湾攻撃当時の有名な写真と比較すると形状が異なっているようにも見えます。前の床は魚雷の縦舵機調整台の格納所で、滑り止めの根拠は特にありませんが、変化を付けさせるためにそのように表現しています。方位測定室の手前にある半円形の構造物は艦載機の予備発動機格納所で、かなり変わった形ですが、図面からはこのようにしか読み取れません。

 また、設定時期では5番砲塔の撤去跡に兵員待機所が設けられていたようです。これは写真からも裏付けられますが、艦内側面図にのみ描かれているため、幅は1番煙突の前に設置されたものに合わせてあります。ドアや窓の位置には何の根拠もありません。

 まだ若干作るべきものがありますし、魚雷発射管室上の増設機銃のブルワークも残っていますが、それらを作ったら甲板と船体の塗装に入ります。

 以下次回。

1/350で何か作ってみる(その63)

2011–07–08 (Fri)
 前回の続き。
 後部のシェルター甲板を貼らないと船体塗装ができないため、艦尾上甲板の塗装と処理を先に済ましておきます。


 リノリウムはファレホモデルカラーの139マホガニーブラウンをそのまま吹いています。配合色などいろいろ考えてはみたのですが、どれも見た目大差がなかったのでメンテの事も考えて原色のままとしました。リノリウム押さえは金紙の細切りを貼り、貼り終わったら定着剤兼表面保護としてファレホのサテンバーニッシュを吹いておきます。


 魚雷発射管は92式61cm4連装ですが、戦前に撮影された写真や公式図を見る限り、重巡妙高型や高雄型などに搭載されたものとは若干形状が異なるようです。発射管自体はハセガワの艦船装備セットBの部品に手を加えたものですが、外から見える部分のみ形を整えた程度に留めています。


 塗装が終わったらシェルター甲板を取り付け、接合部を整形します。


 シェルター甲板の右舷側に沿って爆風除けの壁(ブラストスクリーン)が設置されています。これは長良型以降の幾つかの艦で見られるもので、球磨型には装備が確認できません。主砲やカタパルトの配置は同じなので、シェルター甲板や下の船室の形状との絡みで設置されたものではないかと思われますが、詳細はわかりません。よって長良・川内型の全ての艦に共通した装備かどうかも不明です。少なくともこの艦に関しては公式図と写真から存在が確認できます。なお、タミヤ700の長良型・アオシマ700の川内型ではいずれも無視されているものなので、こだわる方には注意する必要があります。

 以下次回。

船の科学館の本館展示休止について

2011–07–03 (Sun)
 館内及び施設の老朽化を理由として、船の科学館の本館の展示が今年9月末を以て一旦休止する事になりました。詳細はこちらにありますが、博物館としての活動を完全に止めてしまう訳ではなく、現在本館前に係留されている南極観測船宗谷を中心に屋外展示を行ってゆくとの事です。ただし、本館の建て替えはすぐに実行される事ではないようなので、現状と同規模の展示はしばらくは望めないかもしれません。

 また同時に、宗谷と並んで係留されていた青函連絡船羊蹄丸は保存展示自体が終了となります。これは船が再び流浪の旅に出る事を意味します。日本財団といえども宗谷の維持費用の一部をカンパに頼る現状では、本館建て替えを睨んだリニューアル計画の一環では苦渋の選択もやむを得なかったのかもしれませんが、残念なことです。

1/350で何か作ってみる(その62)

2011–07–01 (Fri)
 前回の続き。


 表面整形と平行して、艦尾の保護亜鉛のモールドを付けていなかったので追加。保護亜鉛に関しては以前に一度触れましたが、一種の腐食防止板で、水線下に複数の金属素材がある船には構造上必ず装備されているものです。本製作では5,500トン軽巡の装備状況を示した資料や写真が手元に無いため、矢矧の入渠用図に記載されている装備状況に従い、スクリューブレード先端付近と舵軸周辺の外板、及び舵にやや誇張気味に付けています。

 フッドの時にも書いたことですが、模型用の艦底色はどれも茶が強く、グレー系の色が多くを占めるフルハルの艦艇にそのまま塗ると全体が地味な感じになってしまいます。しかしながら赤を強めると今度は玩具然とした印象が強くなり、その兼ね合いは非常に難しいものがあります。模型雑誌などでは軍艦色やリノリウムの色調に関する考察が多い割に、効果的な艦底色の考察はなぜかそれほど目にしません。御師匠様の「軍艦の塗装」でも艦底色のあるべき色調に関しては触れられていませんでした。

 今回の製作でもフッドと同じくタミヤスプレーカラーのTS33ダルレッドを使用します。気持ち赤が強い気もしますが、自分としては他に適切な色が見当たりません。タミヤの大型艦艇キットでも艦底色として指定されている色ですが、なぜかアクリルでは発売されていないため、スプレーの色を取り出して吹くことにします。


 スプレー塗料の取り出し方はノズルの先端にストローをマスキングテープなどで留め、コップ等の容器に吹き出せば中身の液体が溜まってゆきます。この際に塗料に溶け込んでいる噴射ガスも大半が気化しないまま溜まってゆくので、取り出した後に手で容器を温めたり棒などで攪拌してガスを追い出す作業を行います。通常はある程度泡が出なくなったらビンに入れふたを締めずに乗せた状態でガスが完全に抜けるまで半日~一日ほど放置しますが、食品保存用の真空容器に入れて空気を抜くと残ったガスをすぐに抜くことができます。

 この際に容器の大きさや形状によっては激しく泡立つ事もあるので、一度に取り出す量は容器の半分以下が目安になります。かなりの臭気とガスが出る作業なので、充分な換気と防毒マスクの着用が必須で、使い捨ての手袋も付けたほうが良いかもしれません。タミヤスプレーミニ1缶でMr.ホビー用空きボトル(Mr.サーフェイサーのボトルと同じもの)ほぼ一杯分の塗料が取り出せます。
 なお、間違っても缶に直接穴を空けて取り出すことはできません。穴が開いた瞬間にコーラにメントスを投入したように塗料が激しく吹き出して収拾がつかなくなります。

 タミヤスプレーはメーカーの宣伝ではラッカー系という事になっています。しかしながら、使用された方なら良く御存知の事と思いますが、その実態は「エナメル系溶剤に溶け出す自称ラッカー系塗料」というある種とんでもないもので、確かにラッカー系溶剤で希釈も洗浄もできるのですが、本当の素性はよくわかりません。そのため、タミヤスプレーを使った上から汚しやスミ入れを施す際にはエナメル塗料は使えず、別の方法が必要になります。それはまた後で述べます。


 模型の艦船に於けるスクリューシャフトの色は一昔前までは金色が一般的でしたが、最近では艦底色または銀色の指示が成されるようになってきました。実際のところは腐食防止の一環として他の部分と同じく艦底色で塗られていたようですが、模型上の効果という点では艦底色のシャフトは全く見映えがよろしくありません。

 本製作ではシャフトとシャフトブラケットを一旦切り離して整形した関係で、接着固定しないと強度が持たない都合上、シャフトは他の部分と一緒に艦底色で塗装します。選択の余地は無かったのですが、上で述べた艦底色の色調などと同じく、実態の反映と模型上の効果の兼ね合いという問題は難しいことがらの一つです。
 また、保護亜鉛板の表面にはフラットアルミを、艦底の諸孔にはフラットブラックを流しておきます。

 現状はここまで。以下次回。

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MOMOKO.120%

Author:MOMOKO.120%
職業:自営業見習い
趣味:ブログの通り
模型の守備範囲:船
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現在は1/100初代海王丸の製作を一時休止して、ハセガワ1/350空母隼鷹を製作しています。

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