1/350で何か作ってみる(その1)

2010–07–29 (Thu)
 二回の大和ミュージアムへの訪問で見たこともない資料が色々出てきたことから、1/100海王丸の製作を2ヶ月ほど一時中断して1/350で何か一隻作ってみることにしました。進捗を期待されている方には申し訳なく思っております。


 ここにあるのはアオシマ1/350長良ですが、長良として作る訳ではありません。他に専用エッチングと、汎用エッチングを数種類、ベテランモデルの艦船装備セット、ファインモールドの1/350探照灯と機銃セット、ハセガワの艦船装備セットABを使います。

 いろいろ手を加えます、といいますかメッタ斬りにします。長良の雑感で触れなかった部分も多々修正しますが、いずれも書いた時には修正の労力に効果が見合わないと判断してのことです。その点ご了承願います。


 まずこれから始めることにします。

昭和19年の軽巡木曽に関する多少の覚え書き。

2010–07–26 (Mon)
 多少の覚え書きです。


 大和ミュージアムの公開資料の中に、軽巡木曽の昭和19年2月現在と称する完成図があります。上側面・艦内側面・各甲板平面と模型製作の参考になる図面が一通り揃ってはいるのですが、残念なことに退色損傷が激しい上に、なぜかこの図面のみデータ化の範囲を間違えたのか他の軽巡より半分近く縮小されているためディテールの判読が困難で、特に側面図は端末の拡大機能を使っても何が描いてあるのかすらほとんど読み取れません。

 それでも図面には後部魚雷発射管の上あたりにトラス状の脚を持った台座らしきものが3基描かれ、そのうち中央部の台座には四角状の装備品らしきものがあるように見えます。確かに言われてみれば学研「軽巡球磨・長良・川内型」p58に掲載されている米海軍撮影の写真にも、倒壊した3番煙突の手前に手すり付きの3基の台座が損傷もなく残っているのがわかります。しかしながら装備品は全て取り払われていて、何があったのかはわかりません。


軽巡木曽昭和19年2月現在完成図より
後部甲板付近の状況(説明は全て推測)

 図面上では中央台座の上面が四角状の装備品には、判読はできませんが三文字の説明があります。最も考えられるのは「探照灯」で、判別困難な艦橋甲板平面図を目を凝らして見る限りでは艦橋の探照灯が探照灯管制器らしきものに置き換えられているようにも見えます。ミュージアムには他に鬼怒の昭和18年10月10日現在の現状調査完成図と称する図面がありますが、この図面では艦橋の探照灯は管制器に置き換えられ、探照灯は1基に減らされた上で3番煙突背後の機械室吸気口の上に移設されている事が描かれています。そのため、木曽も同様の工事が行われたのではないかと考えます。

 また両舷側側にある2基の台座上の装備品には7~8文字程度の説明文があるように見えます。銃身らしきものが見えない事から単装機銃とは考えにくく(そもそもこの上面図には単装機銃は描かれていないようにわずかに上から設置予定位置を書き込んだ跡らしきものは見えます)、増設された連装機銃の脇にあることから「機銃射撃指揮装置」とも思えますが、5,500トン軽巡の増設機銃にわざわざ台座を設けて指揮装置をあてがった例など聞いたことがありません。

 また、改めてマニラ湾で大破着底した木曽の写真を良く見てみると、単装機銃用には変に大きいようにも見える艦橋前の2つの土嚢や前述の用途不明の3つの台座など、これまで伝えられてきた姿に疑念を生じる部分が見て取れます。大戦末期の木曽は今まで見聞きしていた以上に複雑な要素があるのかもしれません。

再度大和ミュージアムに行ってきました(その2)

2010–07–23 (Fri)
以下はミュージアムの担当者からお伺いした内容です。


資料複写の申請及び受領方法
・来館→検索→複写申請→結果確認→代金現金支払→複写資料受け取り。
 複写代金の支払が大和ミュージアムのライブラリー内で行われる事が前提です。
 当日の現金精算に限られ、振込等の対応ができないため、郵送申請は一切不可です。
・枚数が多く当日中の受け取りが困難であり、再度来館ができない場合は、
 現地で代金を先払いした上で複写資料を郵送する事はあり得ます。

資料の利用範囲
・複写資料の使用は申請した本人に限定されます。第三者への複写譲渡は不可です。
・インターネット上への掲載は別途申請が必要で、
 なおかつ複写不可の措置(画像へのスカシ、右クリック不可等)を必要とします。
インターネット上への一部引用も不可です。
・図面を元に別途描き起こした図を使って説明するのは可です。


 要するに複写した資料は個人の利用の範囲内で、ネットへの無断転載引用は駄目ですよということです。また役所の取り決めで支払いが現地現金払のみに限られるため、仮に資料番号を知り得たとしても複写資料の郵送申請には一切対応できないとの事です。

 恐らく大多数の方にとって呉は地理的に遠く、郵送での申請ができないのは辛いことだろうと思います。私も納得はできません。ただ、前回の概要で示したように大和ミュージアムのインデックスには図面の来歴が記載されていないので、いったいいつの時代の図面なのか、一般配置図以外の上側面図や各甲板平面図などが完成図なのかトレースしただけの概略図か、改修工事後の現状調査完成図なのかといった最も重要な情報が、検索結果に於いて何も表示されません。これらはデータを直接参照しない限りわからないので、現状では直接足を運ぶ必要が生じるのはある意味やむを得ない事だろうとは捉えています。

 また、図面の状態やデジタルデータの大きさによっては文字が潰れて判読が困難な場合があります。例えるならば学研歴史群像No.32 軽巡球磨・長良・川内型に掲載されている阿武隈の公式図レベルと言えば大体イメージできると思いますが、説明が判らなければ模型を製作する際に表現を間違える可能性があります。そのため、複写の印刷状態を確認した上で、判読が困難ならば、検索端末の画面参照の拡大機能を使って確かめるプロセスが必要になります。

 もっとも、印刷状態がお世辞にも良いとは言えなかった今日の話題社の海軍艦艇公式図面集ですら模型製作の参考になりましたし、1/700程度の模型であれば大体のレイアウトが判れば形になりますから、説明など読めなくてもいいという方もあるかもしれません。そのあたりも実物を確認した上で判断する必要がありそうです。

 貧弱なインデックスに資料の公開方法など疑問に感じる事は沢山ありますし、資料自体も色々な経緯を経て納まったものも中にはあると聞きます。それでもこれだけの量の旧海軍艦艇公式資料が広く一般に公開されている機会は他に無いのですから、関心のある方は足を運ぶ価値はあります。



 以下おまけ。


 ミュージアムのショップにて、前回4月の訪問で見当たらなかったフジミの大和は1/700フルハル最終状態版が並んでいました。どうやら前回は単に品切れだったようです。

 それと、前回コメントを頂いた方に、お言葉ありがとうございます。どこまでできるかわかりませんが、何かお役に立てる事があるならば有り難く思います。

再度大和ミュージアムに行ってきました(その1)

2010–07–20 (Tue)
※注 これは2010年当時の情報です。
2016年現在では打ち消し線の部分の仕様が変わっています。→こちらへ

 行きも帰りも色々ありましたが、何とか帰ってきました。今回もライブラリー内での図面資料の閲覧でほとんどの時間を費やしたのですが、ミュージアムの公式サイトには載っていない、公開図面資料の概要や有料の複写の申請方法・取り扱い方法などを確認してきました。ここでは現状のみ述べることにします。

 まず概要について。箇条書きですが、内容は掴めると思います。

現在公開されている閲覧複写可能な資料
・2010/07現在で、2,231種類の資料が確認できる。
 (資料番号の頭入力検索による件数、後述のデータ件数ではない)
・旧日本海軍の正規艦艇に関する公式図面類が大半で、
 要目簿は数種類程度と思われる。
・ざっと見た限りでは、大正期以降に建造された艦の、
 昭和期の船体関係の資料が大半と思われる。
 機関や兵装関係(搭載兵器個別の資料)はほとんど見当たらない。
・資料の大半は青焼のようだが、一部原図も存在する。
・図面の状態は様々、原図からと思われるデータは綺麗だが、
 青焼の中にはほとんど判読ができないものもある。
・改大鳳型空母(5024号艦)や空母伊吹の一般艤装図など未成艦の図面も存在する。
・大和型戦艦に関する図面は戦後の復元図と思われるものも含めて10種類程度である。

閲覧の方法
・原資料のデジタルデータをライブラリー内の専用端末で検索閲覧する。
・端末操作は全てタッチパネルで行う。検索の入力はかなカナ英数字及び漢字。
・検索語句は艦名読みが基本。
 データベースのインデックスが各図面の表題に従っているため、
 軍艦○○の表記になっている図面は最初から艦種が登録されていない。
 また登録されている艦でも「センカン」「クチクカン」等の読みでヒットしないので、
 艦種を指定する検索はあまり期待できない。
 一例として千代田は水上機母艦と航空母艦両方の図面が計32種類存在するが、
 艦種別の検索でヒットしないため名前から個々の図面を総当たりする必要がある。

・インデックスには図面の来歴が全く登録されていない(登録項目がない)。
 いつの時期のどんな図面かは直接データを参照しない限りわからない。

公開データの仕様
・1枚の図面が複数のデータに分割されている場合が多い。
 要目簿などの書類は1p毎のデータとなっている。
・上側面図や各甲板平面図に関しては戦艦と航空母艦・重巡洋艦は3分割されたデータ、
 軽巡洋艦以下は2分割となっている例が多いと思われる(ただし均等分割ではない)。
・個々のデータは端末上で拡大できる。

複写の手続きと内容
・端末備付の申請書に記入し受付に提出する。作業時間は約5~10分/1データ。
・複写サイズはA3モノクロのみ(青焼は陰陽反転)。料金は300円/1データ (2010/07現在)。
・1枚の図面が複数のデータにまたがっている場合は原則複数分の閲覧・複写が必要。
 ただし必要部分が限定、または重複外部分が表題のみの場合はこの限りでない。
 元図面に附箋等があるものは附箋の有無でデータを作成している場合もあるので、
 申請前のデータ内容の端末確認は必須である。
・一部改正図など図面に赤や黄色のペン記入がされているものについては、
 複写にはほとんど反映されない(後で端末を参照しながら描き入れる必要がある)。



 以下続きます。

短信

2010–07–12 (Mon)
 色々バタバタしています。もうしばらくこのような状況が続きます。



 5月の見本市で発表されたまま伸びていたフジミ1/500戦艦長門と1/700空母赤城の発売日が、今月中旬と末にそれぞれ確定しました。また参考出品として展示されていた中から、1/700戦艦比叡が来月に発売されるようです

船首楼の製作・後編(その49)

2010–07–04 (Sun)
 前回の続き。


 船首楼甲板の後端を整形していました。後端に穴が3つ空いた板が立っています。



 最も船首側の三角帆3枚の下隅を引くシートと呼ばれるロープがありますが、このロープを留める場所が船首楼甲板ではなく一段下のウェルデッキの前端になる(赤矢印)のため、板に空いた穴にシートロープを通して下に導くために設けられているものです。実際の運用では風下に当たる舷の方向に引くため、右舷と左舷の両方に板と留める場所が設けられています。



 以前にも書きましたが、海王丸の製作は10月頃まで一時中断して、1/350で何か一つ作ることにします。今月の末頃から取りかかる予定ですが、詳しくはまたその時に。

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MOMOKO.120%

Author:MOMOKO.120%
職業:自営業見習い
趣味:ブログの通り
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現在は1/100初代海王丸の製作を一時休止して、ハセガワ1/350空母隼鷹を製作しています。

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