雑感:ハセガワ1/350空母「赤城」(その2)

2008–11–29 (Sat)
キットの部品割は以下の通り。
・A部品
  船体(右舷、左舷)
・B部品
  艦首側格納庫外壁、煙突
・C部品
  艦首甲板、艦尾甲板、艦首下部船室側壁、シャフトブラケ
  ット、スクリューシャフト+エディプレート、ほか
・D部品
  飛行甲板前部、飛行甲板後部、13m運荷船格納部側壁、
  旧飛行甲板後端部、煙突下通路内側、ほか
・E部品
  飛行甲板中央部、13m運荷船格納部、艦尾端格納庫側壁、
  左舷円材格納所、飛行甲板接着補助材、ほか
・F部品
  飛行甲板裏側桁
・G部品
  飛行甲板裏側桁
・J部品
  各所ラッタル、右舷12cm連装高角砲シールド、左舷高角砲
  張り出し、高角砲座サポート、航空機積込用レール、艦首
  フェアリーダー、前部左舷側探照灯格納部、ほか
・K部品
  前部格納庫側壁通路、両舷各部張り出し、各部機銃座、
  左舷艦尾側機銃座内側(発動機調整所)隔壁、ほか
・L部品
  各部張り出し・機銃座サポート、艦尾・高角砲座周辺飛行
  甲板各支柱、ほか
・N部品
  9mカッター用ボートダビッド、起倒式マスト基部、艦橋構成
  部品一式、ほか
・Q部品
  左舷高角砲周辺隔壁、エレベーター関連部品、遮風柵ほか
・R部品
  船体内部隔壁
・S部品
  船体内部隔壁
・T部品
  着艦指導灯、飛行甲板各部兵員待機ポケット、信号マスト、
  航空機積込用クレーン、艦橋ループアンテナ、舷灯、ほか
・U部品(2個)
  舵、起倒式空中線マスト、艦尾周辺飛行甲板支柱、煙突整
  流板、艦首フェアリーダー、9mカッター用ボートダビッド、ほか
・V部品(2個)
  スタンド一脚分
・W部品(透明部品)
  110cm信号灯ガラス、艦橋窓、60cm信号灯、ほか
・AE部品(4個・長門型戦艦の部品流用)
  6m通船、12m内火ランチ、11m内火艇、9mカッター、
  主錨、キャプスタン、ケーブルホルダー
・AF部品(5個・長門型戦艦の部品流用)
  キノコ型通風筒、大型リール、中型リール、25mm連装機銃、
  110cm探照灯、91式高射装置、双眼望遠鏡、磁気羅針儀、
  測的盤、変距率盤、12cm観測鏡、探照灯管制器、方位盤、
  機銃射撃指揮装置、パラベーン、
・AI部品(透明部品、3個)
  零戦・99艦爆各1機、97艦攻2機分
・AG部品(2個)
  副錨、ウインチ、12m内火艇、スクリュー、4.5m高角測
  距儀(2種)、4.5m測距儀、1.5m測距儀、ループアンテ
  ナ、ほか
・AH部品(2個)
  機銃弾薬箱、12cm連装高角砲(シールドなし)、見張方向
  盤(シールドなし)、6cm礼砲、方位盤照準装置、シールド
  付き12cm連装高角砲砲身、同台座、20cm単装砲、ほか
・UB部品
  アンカーチェーン
・P-1部品(2個)
  舵・12cm高角砲回転用ポリキャップ
・P-2部品(2個)及び
  91式高射装置・4.5m高角測距儀回転用ポリキャップ
・その他
  デカール(本体用・艦載機用)、軍艦旗ステッカー2種、
  組立説明書、実艦解説書、塗装指示書
・初回生産限定特典
  A1判パッケージポスター/生頼範義画

有効総部品数(重複含)艦本体1,050+艦載機123
 船体関連314、装備品(含船体艤装品)732、スタンド4
 零戦10×3機分、97艦攻11×6機分、99艦爆9×3機分

(別売オプション)
・エッチングパーツセット5種類
 専用A~C・スーパー、1/350汎用ジャッキステイ
 (12cm高角砲砲身と20cm砲砲身は含まれず)
・木製甲板セット
・日本海軍空母艦載機セット(AI部品×3個別売)
・専用アクリルケース(メーカー直販のみ)


 同型艦がない上に大改装後は外観に大きな変化が無かった事もあり、このキットに関しては部品差し替えの別バージョンは恐らく出ないのではないか(あるとすれば箱替え同然のミッドウェー仕様ぐらい)と考えます。ちなみに、船体と格納庫後部側壁が一体化されているため、改装前の三段甲板バージョンは設計上考慮されていません。

 艦本体の有効部品総数はほぼ前作の長門並です。そのうちの約37%(389/1,050)が長門からの流用になります。

 キットは一応真珠湾攻撃当時となっていますが、艦載機の数が実際の攻撃隊の機数には足りないため、攻撃隊を甲板上に忠実に並べたい場合は別売の艦載機セットを必要分買い足す必要があります。また、これは説明書には記載されていないのですが、デカールの中にはミッドウェー海戦当時の飛行甲板上の日章旗が入っているため、同海戦当時としても作ることができます(ここは日の丸と書かれている資料も多いのですが、当時報道班員として乗艦されていた牧島貞一氏の証言と、海戦当日に撮影された米軍の空中写真に明確に写っていることから、日章旗のマーキングで間違いありません)。

 以下続きます。

雑感:ハセガワ1/350空母「赤城」(その1)

2008–11–25 (Tue)
 航空母艦赤城は南雲機動部隊の旗艦として、開戦の真珠湾攻撃からミッドウエー海戦まで連合艦隊の中心的な位置にあり、大艦巨砲主義から航空機と航空母艦を主体とした機動部隊へと戦争の主体が変更してゆく象徴でもあった、艦船史上に於いても非常に重要な位置を占める艦でした。

 赤城は実艦の位置付けの割に模型の世界ではあまり種類は多くなく、大改装後のキットに関してはミニスケールを除けばハセガワが1971年と73年に出した1/700・1/450と、ニチモが1978年に発売した1/500ぐらいしかありませんでした。ただ写真や図面といった資料が比較的多く残されている事もあり、それらのキットはいずれも発売された当時の水準に見合った内容でした。

 今回ハセガワが発売した1/350赤城は、21世紀の現在の水準に見合った内容であることに加えて、設計思想が従来の艦船キットとは少し異なるもので、艦船の組立キットに於いても「旗艦」に位置づけられるものだろうと思います。しかしながら購入する側にとっても、恐らく開発する側にとっても負担が重い面は否めず、今後コンセプトを同じくするキットが出てくるかどうかに関しては、やや懐疑的な念もあります。

 例によって評価表から。

ジャンル:近代艦船・旧日本海軍航空母艦
名  称:赤城
メーカー:ハセガワ
スケール:1/350
マーキング:
 飛行甲板標識(ミッドウェー海戦の日章旗含む)、艦載機マーキング一式、
 軍艦旗、中将旗、ほか(別売木製甲板セットには専用の転写シール有)
モールド:★★★★☆
 全体的に前作長門に準じた内容です。別売の木甲板セットの表現には注意。
スタイル:★★★★☆
 実艦の巨大なボリュームに詰め込まれたディテールは圧巻です。
難易度:★★★★
 本体のみ素組みなら星3つ半、フルセットならば4つ半。
おすすめ度:★★★☆
 内容は最高ですが、相応の知識や技量に加えてフルセット+ケースを買えるだ
 けのポジションと余裕のある方に向けて作られたキットだと考えます。
コメント:
 個人が作るものであれば、価格的にも内容的にも一生に一度のキットです。
 本体のみ素組みであれば大きさと部品数の割に比較的組みやすい内容だと思
 いますが、できれば模型の充分な経験を積んでから臨まれることをお勧めしま
 す。

20081125_1
外箱の仕様
前作長門より更に一回り大きな箱です。


 以下続きます。

短信2

2008–11–21 (Fri)
 例年にも増して気温が高めだと感じた今年も、昨今はめっきり冷え込んできました。鉛色の低い雲が空一面を覆い、みぞれ混じりの雨が降る、北陸も例年通りの冬模様。空一面の青空がほとんど望めない風景がこれから約4ヶ月ほど続きます。

 相変わらずばたばたと忙しいです。次回からしばらくこの話をします。
20081121_1

雑感:アオシマ1/350日本石炭輸送船日本丸/海王丸(補足)

2008–11–17 (Mon)
 以前に書いた雑感では戦前の状態が良く判らないため、海王丸の竣工時を再現したと思われる籾山艦船模型製作所製のビルダーズモデルを元に推測しましたが、その後日本丸の大戦直前の写真を幾つか見る機会があり、少し修正と補足事項が出てきたのでまとめて書くことにします。

20081117_0
南海
田辺穣著/育英出版社刊(1944)

 これは洋画家の田辺穣氏(1916-83, 二代目日本丸初代船長の田辺キャプテンとは別人)が、昭和15(1940)年5~9月に実施された日本丸第22次実習遠洋航海に同乗した際の、写真と油絵から成る作品集で、日本で最初に出版された帆船写真集と言われています。戦争末期の豪華本という事もあってとても手が出ない値が付けられていましたが、先日たまたま非常に安く売りに出ていたものを入手しました。今回はこの内容を元に、1940年以降の日本丸限定という事で補足します。

20081117_0

 まず、船首楼右舷側のキセル型吸気口ですが、上述本では1本しか写っていません。甲板の根元の状況は不明です。竣工時と思われる図面から元々の仕様は2本だったと考えられ、世界の艦船1980年4月号(No.280)のp13に掲載されている、1958-60年頃と思われる海王丸右舷船首の写真でも吸気口が2本認められます。日本丸では元々1本しかなかったのか、戦前に1本撤去したのか、それとも撮影当時に一時的に取り外していたのかは現状ではよく判りません。

 次に、フォアブリッジ上の甲板ですが、右舷側に3つある小型の吸気口は日本丸には無かったようです。また、海図台と思われる台の位置も中心位置に写っています。それと、右舷側の端にループアンテナが設置されています。

 日本丸の方位測定装置は1940年3月に設置されたもので、海軍のものとは異なり一つの丸い輪だけのアンテナになっています。高さは周囲の構造物などから1/350で輪の根元までが5mm前後、輪が3mm前後ぐらいのようです。なお、海王丸の方位測定アンテナは、五十年史によれば1942年3月に設置されたとありますが、日本丸と同じ仕様と位置だったかは判りません。

20081117_0

 日本丸の実習生出入口天蓋の吸気口は、1940年当時は低いキノコ型のものが写っています。戦後の引揚船の写真ではキセル型に変わっているため、大戦中に変更されたと考えられますが、その時期は不明です。上の作例ではキセル型として示しましたが、もし戦前と同じキノコ型とする場合は設置位置が船首寄り、天窓先端の両脇に付きます。

 またこの天蓋の右舷船尾端に天窓があります。これは中央の4窓ある天窓の1つを切り取ったような形で、右舷側が高く中央に向かって下がる形式になっています。なお、これは上述の海王丸の模型にも認められるため、海王丸にも同様の装備があったと考えられます。

20081117_0

 1940年頃の日本丸のアフターブリッジ上には小型の吸気口が2つ写っています。これは上述の模型にも認められるため、海王丸にも同様の装備があったと考えられます。

 また、アフターブリッジの左舷側の船尾端に空中線引込口が認められます。上部がコの字型に開いた塔状の形状で、高さは1/350で約5mm前後と思われます。海王丸に同様の装備があったかどうかは判りません。

20081117_4
煙突頂部の黒塗装の範囲

 なお、日本丸/海王丸共に煙突頂部の黒塗装の範囲が戦前と戦後では異なっています。大戦中の写真が見当たらないため、いつ変更になったのかは判りませんが、ヤードを降下して船体を灰色に塗り替えた際に、海軍の標準塗装に準じる形で煙突の塗装も変更された可能性は考えられます。一応書き添えておきます。


 補足は以上の通りです。本サイトの海王丸外観変遷一覧もこの内容を元に修正してあります
 なお、先の雑感を書いた後に、船の科学館の資料ガイドの一環として初代日本丸/海王丸が出版されました。私自身はまだ未見ですが、目次のサンプルを見る限りでは一般向けの読本のようで、模型の資料としてはあまり多くは望めないかもしれません。これは入手する機会があればまた触れることにします。

短信

2008–11–14 (Fri)
 気がつけば今年もあと50日程、不況の深刻化に先回りで固定需要を囲い込めとばかり、師走商戦も1ヶ月ほど前倒しで走り始めているようです。期間限定特価と書いたチラシもよく目にするようになってきました。という訳で相変わらずばたばたと忙しい昨今です。

 ブログが止まる前に抱えていたことは、海王丸の製作をとりあえず別にすれば、アオシマ1/350石炭運搬船日本丸/海王丸の記事の修正ですが、これは遅くとも来週中には片付けます。そのあと、もう一つ雑感を書くつもりです。

ウォーターラインの履歴書のことなど

2008–11–11 (Tue)
 本サイトのキット雑感内にあるウォーターラインの履歴書の一覧を最新の情報に更新しました。1年間で発売されたキットはハセガワの三段空母時代の赤城、アオシマの川内型軽巡三隻と田宮の豪駆逐艦ヴァンパイアで、どれも意義があるものです。ただ、ほんの少し前までは想像すらできなかった、1/350大型キットの発売ラッシュで感覚がかなり麻痺しているのか、1/700WLに関しては今一つ印象が薄い感じもあります。

 一覧にも示しましたが、1/700WLが積極的に発売されていた時期は1970年代前半~中頃と、70年代末~80年代前半、そして90年代以降の大きく3つに分けられます。この間の経済状況はいずれも良くなく、

・70年代前半
  いざなぎ景気の反動で後退局面に入り株価が低迷した時期
・70年代末~80年代前半
  第二次オイルショックで原油価格が急騰した世界同時不況
・90年代
  いわゆるバブル崩壊後の「失われた10年」

 そして大恐慌以来と言われる深刻な金融危機が連日報道されている昨年から今年に掛けては、各社が競うように1/350の大型艦船キットを市場に投入しています。それに対して、80年代後半の日本中がバブル景気に湧いた頃はピットロードを除いて艦船の新製品がほとんど出なかった時期でした。

 初期開発とそのリメイク時期、1/700の飽和に伴う1/350への新規開拓がたまたま重なっただけかもしれませんが、不況期に艦船キットの新作が積極的に出てくるのは何とも不思議な現象です。船の模型は他の分野に比べて販売の絶対数が少ない反面、堅い固定層があるため好不況にあまり左右されないという話を聞いたことがあります。また90年代のWLのリメイクを期に新規参入や出戻りなどで固定層が広がり、エッチングなどの周辺パーツが整備されてきた事も影響しているかもしれません。もっとも、失われた10年の中でも最悪期だった1998年頃は田宮の新版大和武蔵だけしか出ませんでしたから、これから徐々に発売ペースは沈静化してゆくかもしれませんが。


 1/350の急速な広がりで、模型店の店頭の艦船コーナーは以前にも増して混沌としてきました。40~50年前に出たキットと今年発売されたキットが並んでいる状況では、新しく入ってくる人にとっては戸惑うだけですし、大型量販店はそこまでフォローはしてくれません。履歴書はその足掛かりとして作ったもので、拡充したい気持ちもありますが、なかなか思うようにはゆきません。

 1/700に限定すればモデルアートの洋上模型ハンドブック2002がありますが、6年間で状況が劇的に変わったこともあるので、全スケールに対象を広げた改訂版をそろそろ望みたいものです。

続フジミの1/350フィギュアセットについて

2008–11–08 (Sat)
 以前、タミヤとフジミの1/350フィギュアセットについて書きましたが、先日フジミから乗組員セット2が発売になりました。前回のセットが立像だったのに対して、今回は、

・高角砲や機銃を操作するポーズ/旋回手と射手の二種(座像)
・単装機銃を操作するポーズ(立像、各種機器操作としても流用可)
・固定式双眼鏡を覗くポーズ(航空機の翼の下や倒せば閉所作業員としても流用可)
・弾薬箱などの運搬作業ポーズ(しゃがみ、空母整備員としても流用可)
・弾薬の運搬作業ポーズ(立像、弾薬先端を削れば機銃装填手としても流用可)

 以上6種類計213体が入っています。非常に立体感と存在感のあるフィギュアで、機銃操作のポーズはライオンロアのエッチング機銃にもちゃんと載せることができます。汎用性の高い単装機銃の操作と弾薬の運搬ポーズの入数の割合が少ない事を除けば応用範囲が広く申し分ない内容です。といいますか、このフジミの乗員セット1・2を揃えればタミヤの乗員セットもエッチングの乗員パーツももう要りません。これで今まで実感に欠けるきらいがあった大型艦船のフィギュアが、容易にかつより実感のあるものになると思います。

 ひょっとしたらセット3が出るかもしれませんが、その際はラッタルを上り下りする/垂直梯子を移動する/手旗信号を送る/ハンディタイプの双眼鏡で上空(水平線)を見張る/指揮棒で機銃に指示を出す/といった実用的なポーズを期待したいものです。またプラの整形色がグレーになっていますが、第二種軍装の場合は白塗装が面倒なので、できれば白色整形として欲しいものです。

 一応、キットの情報も貼っておきます。
フジミ1/350日本海軍乗組員フィギュア2



追伸
 11月22~23日に静岡で開催するタミヤフェアで発表する新製品のリストが、タミヤのWebサイトで公表されていますが、その中に1/350航空巡洋艦最上が挙がっています。詳細は現時点では不明ですが、先日のホビーショーでは旬を逸した感が否めなかった雪風しか無かっただけにやや意外な感がありました。

雑感:アオシマ1/350戦艦「金剛」(その5)

2008–11–05 (Wed)
 金剛型戦艦に関する資料はフジミのキットの感想を書いた時に一通り述べましたが、それ以後に発売された本を一冊挙げておきます。


 学研の一連のシリーズで、No.21金剛型戦艦のアップデート差分版と言える内容です。多数の実艦写真と清水勝巳氏の1/100比叡の模型写真、変遷と考証図説の改訂版など、模型を製作する上では不可欠な一冊です。ただ、内容的にNo.21と重複している部分はあまりないため、可能であれば両方揃えて通して読むとより理解が深まると思います。



 最後に、キット本体の情報を貼っておきます。
アオシマ 1/350戦艦金剛1944
(リンク先を上スクロールすると完成見本写真が見られます)

雑感:アオシマ1/350戦艦「金剛」(その4)

2008–11–02 (Sun)
アオシマの1/350金剛は2015年1月にリテイク(改訂)版が発売され、表現が誤っていた艦橋床の彫刻が修正されたほか、甲板と一体化されていた吸気口等が別部品化されました。よってリテイク版では下記記事のデメリットの上2つは解消されています。この記事は初版を対象としたのもので当時のまま残しているため御注意願います。関連記事はこちらへ



 前回書いた事の他は、いまのところ気が付いた所はありません。最初にも述べたように基本的には悪いキットではありませんし、部品数も1/350の戦艦としては抑えられている方(有効総部品数は特典を除いて約530、フジミの金剛は約830、長谷川の長門で約1,100)です。

 競合するフジミのキットと比較すると、以下の点が挙げられます。
メリット
 ・部品数が抑えられているため初心者でも比較的取り掛かり易い
 ・価格が安い
 ・船体形状が正確、主砲塔や煙突のモールドもより良い
デメリット
 ・甲板上や艦橋周辺のモールドに見劣りする部分がある
 ・艦橋甲板の木甲板モールドの修正が非常に困難である
 ・ディテールアップを考えた場合、特に艦橋の部品割で難航する可能性がある
 ・初回特典はエッチングパーツを除いて何の役にも立たない

 これを買う側がどう考えるかですが、実艦の知識もなく腕に自信がないけれども立派な戦艦のキットを作って飾りたいという方(現実にはそういう方が大多数ではないかと思いますが)には、フジミよりもアオシマのキットのほうがやり易いのではないかと考えます。ある程度腕に自信があって、船体の外形よりも細々したモールドがあった方が良いと考える方にはフジミのキットの方が満足感が得られるかもしれません。開戦時やガダルカナル島砲撃当時に改造したいと考える方にとってはどちらを選んでも大変な工作量が求められます(ただし、これまでの例から見てアオシマが開戦時バージョンを出す可能性は考えられます。対してフジミのキットは以前にも述べたように他年代へのバージョン替えキットを出せる構成にはなっていません)。



 最初に訴求力に今一つ欠ける面があると書きました。アオシマが開発のどの段階でフジミとの競合を知ったのか判らないので何とも言えない部分はありますが、箱を開けた時の率直な印象としては価格的にも内容的にも中途半端な感が否めませんでした。機銃や高角砲の部品は新規開発でそれらの表現はハセガワに準じた良いものですが、艦載艇や艦載機が高雄型重巡からの流用なので全体を通して見るとバランスに欠ける面は否めません。それならば、気になる人はハセガワやベテランモデル等のパーツと取り替えるのですから、機銃高角砲も高雄型の流用として販売価格をもう少し下げるといった判断があっても良かったのではないかと考えます。

 また、特典はあくまでもキットの購入意欲を促進するためにあるべきものですから、キット本体とは全く関係のないアイテムを付けてそれで本当に効果があるのか、という事は今後の課題かもしれません。もちろん96式艦載機が目当てという方も中にはあるかもしれませんが、フジミの真鍮主砲砲身+乗員セット(これはこれで利益が出るのかどうか疑問の出血サービスですが)と比べればインパクト的に見劣りする面は否めないと感じます。次の霧島では真鍮副砲砲身+信号旗と本体に関係したアイテムが付くようですが、アオシマに限らず何を付ければ作る側により強くアピールできるのか、その分の予算と想定される販売価格との兼ね合いということがらは良く考えて欲しいと願います。もちろん、特典にばかり目が行って結果キット本体がなおざりになるようでは本末転倒ですし、本体が優秀であれば特典の有無など意味を持たなくなります。

 あと1回続きます。

 | HOME | 

プロフィール

MOMOKO.120%

Author:MOMOKO.120%
職業:自営業見習い
趣味:ブログの通り
模型の守備範囲:船
Webページ:模型の缶詰

現在は1/100初代海王丸の製作を一時休止して、ハセガワ1/350空母隼鷹を製作しています。

Twitter

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

カレンダー(月別)

10 ≪│2008/11│≫ 12
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

月別アーカイブ

2017年 06月 【3件】
2017年 05月 【4件】
2017年 04月 【4件】
2017年 03月 【2件】
2017年 02月 【3件】
2017年 01月 【3件】
2016年 12月 【5件】
2016年 11月 【5件】
2016年 10月 【4件】
2016年 09月 【6件】
2016年 08月 【4件】
2016年 07月 【4件】
2016年 06月 【3件】
2016年 05月 【4件】
2016年 04月 【2件】
2016年 03月 【7件】
2016年 02月 【4件】
2016年 01月 【3件】
2015年 12月 【4件】
2015年 11月 【2件】
2015年 10月 【3件】
2015年 09月 【3件】
2015年 08月 【6件】
2015年 07月 【4件】
2015年 06月 【5件】
2015年 05月 【6件】
2015年 04月 【5件】
2015年 03月 【5件】
2015年 02月 【4件】
2015年 01月 【6件】
2014年 12月 【5件】
2014年 11月 【5件】
2014年 10月 【4件】
2014年 09月 【4件】
2014年 08月 【5件】
2014年 07月 【1件】
2014年 06月 【1件】
2014年 05月 【3件】
2014年 03月 【1件】
2014年 02月 【1件】
2014年 01月 【2件】
2013年 12月 【1件】
2013年 11月 【1件】
2013年 10月 【2件】
2013年 09月 【2件】
2013年 08月 【2件】
2013年 07月 【1件】
2013年 05月 【1件】
2013年 04月 【1件】
2013年 03月 【1件】
2013年 02月 【3件】
2013年 01月 【4件】
2012年 12月 【4件】
2012年 11月 【6件】
2012年 10月 【2件】
2012年 09月 【2件】
2012年 08月 【2件】
2012年 07月 【2件】
2012年 06月 【3件】
2012年 05月 【4件】
2012年 04月 【1件】
2012年 03月 【2件】
2012年 02月 【4件】
2012年 01月 【9件】
2011年 12月 【8件】
2011年 11月 【6件】
2011年 10月 【14件】
2011年 09月 【8件】
2011年 08月 【5件】
2011年 07月 【6件】
2011年 06月 【4件】
2011年 05月 【4件】
2011年 04月 【4件】
2011年 03月 【1件】
2011年 02月 【3件】
2011年 01月 【3件】
2010年 12月 【7件】
2010年 11月 【9件】
2010年 10月 【9件】
2010年 09月 【10件】
2010年 08月 【11件】
2010年 07月 【6件】
2010年 06月 【4件】
2010年 05月 【5件】
2010年 04月 【5件】
2010年 03月 【3件】
2010年 01月 【3件】
2009年 12月 【7件】
2009年 11月 【4件】
2009年 10月 【1件】
2009年 09月 【5件】
2009年 08月 【10件】
2009年 07月 【3件】
2009年 06月 【5件】
2009年 05月 【9件】
2009年 04月 【2件】
2009年 03月 【9件】
2009年 02月 【7件】
2009年 01月 【9件】
2008年 12月 【7件】
2008年 11月 【9件】
2008年 10月 【4件】
2008年 09月 【9件】
2008年 08月 【9件】
2008年 07月 【11件】
2008年 06月 【10件】
2008年 05月 【11件】
2008年 04月 【10件】
2008年 03月 【10件】
2008年 02月 【14件】
2008年 01月 【15件】
2007年 12月 【16件】
2007年 11月 【15件】
2007年 10月 【15件】
2007年 09月 【15件】
2007年 08月 【16件】
2007年 07月 【15件】
2007年 06月 【15件】
2007年 05月 【17件】
2007年 04月 【15件】
2007年 03月 【15件】
2007年 02月 【14件】
2007年 01月 【16件】
2006年 12月 【16件】
2006年 11月 【15件】
2006年 10月 【16件】
2006年 09月 【15件】
2006年 08月 【15件】
2006年 07月 【17件】
2006年 06月 【13件】

ブログ内検索

リンク

RSSフィード

ブログランキング

気に入っていただけましたら
押して頂けると励みになります

AD banner

楽天で探す
楽天市場