ウェルデッキの製作・後編(その7)

2007–02–28 (Wed)
 前回の続き。

 修正が面倒な部品を3つ以上作る元気がないので、この部品の型を取ってレジンで量産することにします。このボラードの場合は接着面が平らなので、ここを天にした片面だけをシリコンゴムで型取りします。

 シリコンは昔はサンバロンという名前で2~300g程度のチューブ入りのものが売られていて、このようなちょっとした小物を複製するには便利だったのですが、今はフィギュアなどの大量消費が主なためか、Kg単位の缶入りのものしか売っていません。g単位では格段に安くなっているとはいえ、価格は馬鹿になりませんし、シリコンは一旦開封すると次第に品質が劣化するという性質があります。少量の片面型取りであれば熱湯で柔らかくして押し付ける型取りくんのような製品もありますが、私の場合は精度が必要な部品の型取りは上手くできませんでした。

20070228_1

 まず木の板にアクリル板の切れ端を両面テープで止め、型取りする部品を瞬間接着剤を極く少量付けてその上に止め、周囲をブロックで囲って壁を作ります。ブロックは子供の遊びに使うものでも良いですし、型取り専用の製品も販売されています。部品に対してかなり大きめに枠を取るのがコツのようで、シリコンをケチってぎりぎりのサイズにするとレジンを注入したり抜く際に型が変形する可能性があります。

 枠ができたら両面テープでアクリル板の上に固定した上で、内側と外側をガムテープで固めます。私が持っているのはディテールの再現重視の低粘度シリコンで、流動性が非常に高いため、ブロックの合わせ目にしみ込んで固まる前に外に漏れ出してしまいます。そのため、特に底の部分を綿密に固めます。

20070228_2

 準備ができたら、透明の使い捨てのコップに必要な量をマーキングした上でシリコンを入れます。次に凝固剤を使い捨ての注射器で取り出してかき混ぜます。このシリコンの場合はシリコン本体と凝固剤の比率が100:4で、凝固剤が多すぎるとシリコンの質が落ち、少なすぎるといつまでたっても固まりません。そのため、正確に比率を計って混ぜる必要があります。また、混ぜ方にムラがあると固まらない原因になるため、念入りに混ぜた上で枠の中に注ぎ込みます。

20070228_3

 この画像は取り出したシリコンがかなり余ったので急きょ枠を組んでもう一つ型を取ることにしたもので、元は2/20日付で書いたキセル型吸気口です。

 とりあえずこれでシリコンの工程は終わり、あとは固まるまで待つことにします。

ウェルデッキの製作・後編(その6)

2007–02–26 (Mon)
 前回の続き。

20070226_1

 良く良く考えてみれば、甲板の接着位置の穴を削ったり埋めたりして変えるよりも、穴そのものを埋めてしまって部品の甲板に埋まる部分を削って正しい位置に接着し直す方がはるかに楽で綺麗に仕上がります。そのため4ヶ所のボラードの穴を全て埋めました。

 実船のボラードはこのような形になっています。

20070226_2
(2006年7月6日撮影)

 キットの部品はこれ。

20070226_3

 画像左奥がオリジナルの部品で、甲板に埋まる段差の部分で切り離し、また柱の根元の部分が少し違うのでパテ盛りして成形しています。

 このボラードはこの甲板だけで残り3個、全体ではあと5個ありますが、修正が結構面倒でとても直す気になれません。

ウェルデッキの製作・後編(その5)

2007–02–24 (Sat)
 相変わらず進んでいません。

20060224_1

 ウェルデッキの船首側のボラードの接着位置はやや中心線側に寄っているため、船尾側に2mm下げると共に、ウォーターウエイから1mm(今回の製作で使う甲板材1枚分の幅)の位置に来るようにします。キットは接着位置が凹モールドになっているため、削って変更するのは面倒です。

ウェルデッキの製作・後編(その4)

2007–02–22 (Thu)
 製作はあまり進んでいません。

20070222_1

 手動の清水ポンプがある付近は洗い場のようになっています。中の大きな円はキセル型吸気口の通過位置、その前にある小さな穴は排水口です。

 製作順はまずこのウェルデッキの甲板を全て貼ることにし、木材配列に関係のある倉口や船室を先に作ります。それからリギンスクリューの下側を作った上でブルワーク両側のファイフレール回りを作ってゆくことにします。

ウェルデッキの製作・後編(その3)

2007–02–20 (Tue)
 船首楼の壁面に沿って立つキセル型吸気口は、管の部分が実船よりも太いようですが、模型上はキットの表現(右側)の方が安定して見えます。こういう場合はキットのままで通したいのですが、特に右舷側のものは周辺がかなり込み入っているため、プラ棒で一回り細いものと取り替える事にしました。

20070220_1

 吸気口の開口部には雨水などの侵入を防止するためのカバー(内側の筒状のモールド)があります。これはキットでは省略されているため付けますが、面倒なものです。

短信

2007–02–18 (Sun)
 製作は前回からあまり進んでいません。初代海王丸のウェルデッキには配管が多く、1/100では省略が難しいため、数少ない写真を元に絵を描きながらああでもないこうでもないと考えています。実船の全ての配管配置を示す図面は存在しないらしいのですが、幸い管の中身を示すマーキング塗装の内容が判明しているため、それを元に写真に当たっています。

 以前触れた保存船氷川丸の行方ですが、既に御存知の方も多いと思いますが、先月の末に日本郵船がプレスリリースで補修工事と2008年の再公開の方針を発表しました。ドック入りなどの移動による全面的な修理は諦め、現在の場所での対処的な作業になるようです。再公開の方針が決まったのは喜ばしい限りですが、以前にも書いたように再公開はゴールではなくスタートに立ったに過ぎません。その後の船の行方は、郵船がどこまでの維持管理を考えているかという点と、地元の一過性ではない関心を抜きに成り立たない事に変わりはないと考えています。

 最近の艦船の組立模型の新製品のうち、青島の1/700新版戦艦扶桑・山城は色々な点で思う所があるため感想を書くつもりです。ただし、最初に書いたように海王丸絡みの関係で少し後になるかもしれません。長谷川の新版古鷹型はモールドこそ新しいものの、基本的には妙高型の延長線上にあるキットと捉えているため、今のところ書くつもりはありません。ただこれも今年中頃に発売予定の青葉・衣笠の内容次第で、ひょっとしたら軽く触れるかもしれません。

ウェルデッキの製作・後編(その2)

2007–02–16 (Fri)
 まずはキットでは省略されている洗い場と清水ポンプの製作から始めます。

20070216_1

 穴が空いているのはキセル型吸気口の設置口です。キットの吸気口は管がやや太いようです。

ウェルデッキの製作・後編(その1)

2007–02–14 (Wed)
 以前に触れた記憶がありますが、改めてこの部分の説明をしておきます。

 ウェルデッキとは上甲板の露天部のことで、実船ではフォアブリッジの前のマストの基部付近に天蓋がなく、フォアブリッジの後方の2番倉口の付近まで側面がオープンになっていて、凹んで見えることから実船では凹甲板とも呼ばれていました。

20070214_1
(2003年10月20日撮影)

 これは荒天下で船首が大波に突っ込んだ際に、勢いを付けた波が甲板上を走って乗員や実習生を船外に押し流さないように、波の「落とし所」として設けられたものです。実際、荒天下ではこの部分は歩行すら困難だったそうで、周辺の出入口には水密戸が付けられています。また天候の良い時は洗濯や非番の実習生の憩いの場所にもなりました。

 これまで市販された初代海王丸/日本丸の写真集や資料のうち、私が知る限りウェルデッキの状態を明確に示したものはあまり多くはありません。長船尾楼甲板がかぶさって側面だけがオープンになっている後半部は特に写真がなく、2番倉口や後部隔壁中心部、ギャベジタンク(生ごみの貯蔵タンク)の状態がわかる写真はいくら探しても出てきません。幸い1983年と86年に個人的に撮影した写真が何枚かあるため多少の手掛かりにはなるものの、かなりの部分は推測になります。

20070214_2

 キットが想定している1975年秋としても、ウェルデッキの基本レイアウトには幾つか問題があります。ブルワークに接するファイフレールの形が全く異なる事は既に述べました。
この他に、
1.船首楼の右舷側の壁面に付く清水ポンプと洗い場が省略されていること
2.各吸気口の形が日本丸のままで、船首楼壁面の左舷側にあるキノコ型吸気口(部品No.53)が右舷と同じキセル型である事
3.ウェルデッキブリッジ周辺に付く6本のキセル型吸気口のうち最も船首側の右舷に付く1本はキノコ型なので修正する必要があること
4.ウェルデッキブリッジと各倉口の大きさと位置・モールドが若干異なること
5.右舷側後部にあったギャベジタンクが省略されている事
 などが挙げられます。

 更に、この製作の設定時期である1985年春の状態では、

6.ウェルデッキブリッジと2番倉口の間にあった4本のキセル型吸気口が撤去され、後部隔壁の天窓にキノコ型吸気口を設置
7.左舷側後部に船内作業用の酸素アセチレンガスボンベの集積場を設置

 などの変更があります。これらの点を一つずつクリアしてゆきます。

船首楼の製作・前編(その15)

2007–02–12 (Mon)
 前回の続き。

20070212_1

 塗装が済んだ部品を0.3mmプラ板に付け、前後に梁を貼って船首楼の梁の間にはめ込んで接着します。この部分だけ天井が低くなる訳ですが、裏側から見る限り差は全く判らなくなります。また、船室側の梁の間には細切りにした0.3mmプラ板を貼って強度を出しています。

20070212_2

 ここはまだ配管系の作業が残っているのですが、それはウェルデッキと関係する部分なので、船首楼の内部についてはこれで一段落付けることにします。

船首楼の製作・前編(その14)

2007–02–10 (Sat)
 前回の続き。

20070210_1

 これは船首楼甲板のキャプスタンの動力ユニット(と思われるもの)で、天井からぶら下がっています。

船首楼の製作・前編(その13)

2007–02–08 (Thu)
 前回の続き。ウインドラスの直上に伝声管が2本あるので、作って取り付けます。

20070208_1

 この伝声管は直上の船首楼甲板の先端近くで立ち上がっています。現役当時、入出港の主錨の揚げ下ろし作業の際は、一等航海士がベルマウスの真上付近からのぞき込むような形で錨の状態を確認して指示を出していたそうで、恐らくはその際に用いられたものではないかと思います。また、この管は甲板のシヤーラインに沿ってなく、水平に近い位置に取り付けられているため、船首方向に向かうにつれて梁から離れてゆくようになっています。

 伝声管を付けて天井の梁に少し強度が出てきました。

船首楼の製作・前編(その12)

2007–02–06 (Tue)
 まず、天井の梁を作る所から始めます。ここも完成後は全く見えなくなってしまう部分ですが、良く見えるウェルデッキ後半部も同じ要領で作るため、その準備も兼ねてきっちり作る事にします。
20070206_1

 一応作りましたが、ちょっと強度が心配です。

船首楼の製作・前編(その11)

2007–02–04 (Sun)
 船首楼の船室などを取り付け、これで船首楼内部の基本形ができました。
20070204_1

反対側の写真はこちら

 左右両舷の船室のドアは、恐らく波浪の関係だろうと思うのですが全て右開きで、船尾側から2つめのドアのみ奥開きなので蝶番が手前に出ません。左舷側の船尾から2つ目のドアは錨鎖庫への階段に通じていますが、現在の保存船ではこのドアのみ位置も形状も異なっています。各ドアの上に真鍮製の船室銘板があるので、真鍮板の細切りを貼っています。

 ウインドラスの前にある四角形の柱はバウスプリット(船首から斜めに突き出すマスト)の台座ですが、この中に主錨を操作するキャットクレーンの柱が通っています。船首先端にある棚はペイントロッカーと呼ばれるもので、船の塗料などがここに置かれていました。この付近は完成すると全く見えなくなりますが、練習もかねてきっちり作っています。

 船首楼内部の基本形ができたと書きました。今回の製作ではここからが船首楼回りのメインイベントといいますか、本題になります。

船首楼の製作・前編(その10)

2007–02–02 (Fri)
 船首楼のウインドラス関係の製作が一段落しました。

20070202_1

 初代海王丸/日本丸のウインドラスは蒸気動力の比較的オートドックスなものです。構造的には蒸気機関車の車輪をイメージして頂ければピンとくるかもしれません。後方の銀色に塗られたシリンダーからロッドが伸びて前方の駆動輪を回し、歯車の組み合わせで両側のドラムを回して錨鎖を巻き上げます。最も外側の輪に付いている2本のハンドルが手動ブレーキになります。シリンダーには動力用の蒸気パイプが2本付きますが、右舷側のものは現在は配管位置が変わっています。このパイプには保護材が付けられている事もありましたが、模型では両方とも外した状態としています。

 元々このウインドラスには錨鎖の巻き上げの他に、直上の船首楼甲板のキャプスタンを連動して動かす機能があり、日本丸にはその駆動装置が残存しています。しかし海王丸は1982年春の入渠工事の際に船首楼甲板のキャプスタンを動力式のものに換装し、下側にモーターと思われる大きなユニットを取り付けたため、その連動機能も不要になったものと思われますが、現在の状況がどうなっているかは非公開区域のため良くわかりません。模型では完成すると全く見えなくなるため、一応関連装置を取り外した状態として製作しています(最も船首側の、側面に穴だけが空いている部分になります。日本丸はここに歯車とクラッチ、そしてキャプスタンに連動する動力軸が付いています)。

 錨鎖は以前製作したネックレス用のチェーンに仕切棒をハンダ付けして黒染液で染めたもの、そしてベルマウスの前に錨鎖のストッパーがあります。手動のかんぬき式のもので、これは日本丸のものを参考にして製作しています。

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MOMOKO.120%

Author:MOMOKO.120%
職業:自営業見習い
趣味:ブログの通り
模型の守備範囲:船
Webページ:模型の缶詰

現在は1/100初代海王丸の製作を一時休止して、ハセガワ1/350空母隼鷹を製作しています。

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