今年も1年お世話になりました

2006–12–30 (Sat)
 2006年もあと少しとなりました。今年はブログを始めて半年間、ほぼ順調にやれたのが一番の収穫だったような気がします。初代海王丸の製作は来年の夏までには船首楼と長船尾楼甲板を貼って船体塗装までこぎつけたいものです。

 それでは皆様よいお年を。

ウェルデッキの製作・前編(その23)

2006–12–28 (Thu)
 ほぼ1ヶ月ぶりの現況になりますが、サイト移転の準備やら氷川丸の見学と色々あって、製作はあまり進んでいません。

20061228_1

 海王丸の露天部甲板の両端にあるウォーターウエイは、現在はウェルデッキの下端と同じくデイトナグリーンで塗られていますが、現役当時、少なくとも1970年代後半から引退するまでは錆止めの下地塗料に似た赤味の強い茶色で塗られていました。キットでも一応塗り分けるように指示されてはいるのですが、「赤を加えたオレンジイエロー」では黄色が強すぎます。そこで赤をベースにレッドブラウンとオレンジイエローを混ぜながらそれらしい色を作りました。

20061228_2
ウオーターウエイの色調
左:1983年4月23日、右:2002年8月25日撮影
右舷5番救命艇の船尾側ボートダビッド付近の写真

 とりあえず、ここまででウェルデッキの製作は一旦中断とします。年明けからは船首楼内部の製作に入ってゆく予定です。

再度、保存船の行方

2006–12–26 (Tue)
 横浜の氷川丸が昨日営業公開を終了しました。それに先立って日本郵船はプレスリリースを発表しましたが、結論を先送りにしただけで方針はまだ明確になっていません。

 保存船にお金が掛かるという話は以前から書いてきましたが、具体例を一つ挙げてみます。富山の海王丸財団がpdfファイルで財務状況を公開していますが、その収支決算書によれば昨年度の保存船初代海王丸の保存活用事業に費やした費用が約2億6百万円、それに対して乗船料収入は約1,285万円で1割にも足りません。周辺の港湾整備と合わせてですが、毎年2億~2億5千万前後の補助金を投入して事業が成り立っているのが現実です。それは富山県が外郭団体に投入する額としては決して低いものではありません。横浜の日本丸財団も公式サイトで財務資料を公開していますが、状況は似たようなものです。横浜市の財政規模は富山県の倍以上ですが、財政悪化はより深刻で、外郭団体に指定管理者制度を導入して自治体の負担を少しでも軽くしようと躍起になっている状態です。

20061226_1
氷川丸 全長163.30m 船幅20.12m 総屯数12,000トン
初代海王丸 全長97.05m 船幅12.95m 総屯数2,250トン
(図はクリックすると拡大表示します)

 もちろん氷川丸は動くことができない海上施設であり、初代海王丸は定期検査を必要とする船舶である(動くことができる-ただし現在はほとんど形式的なものと聞きますが)という種別の違いはあり、客船と帆船という船種の違いもありますが、上に挙げた比較図が示すように容積で5倍の差があるのですから、今後海王丸/日本丸並みに整備し維持してゆくためには多額の-恐らくは億単位の-費用が毎年かかるであろう事は容易に推察できます。だからといってメンテの費用を削るとどういうことになるかは、4日前のブログに書いた通りです。

 過去に有名だった船が引退し解体が決まると、「どうして保存しないんだ」「日本は海洋遺産に対する意識がない」という批判が上がりますが、少なくとも海に携わった者であれば自らが共にした船を解体場に送り出すような事を是とはしません。保存に至らない背景には、こういった個人や一団体だけではどうにもならない経費的な問題があるのです。

 日本郵船が一旦決めた方針を撤回した、または3月末まで具体案が固まりそうもないのは、こういった少なくない経費をどう負担してゆくのか社内で意思統一が図られていないからではないかと考えます。「氷川丸は横浜市の指定有形文化財に指定されているから自治体が助けてくれるはずだ(助けなければおかしい)」という声があるかもしれませんが、上にも書いたように財政状況が悪化し日本丸の維持管理で精一杯の市に、補助は考えにくいものがあります。国の重要文化財に指定され、東京海洋大学の構内に保存されている明治丸でさえ、保存状態が芳しくなく修復作業に多くのボランティアが参加しています(明治丸の話はいずれまた書くことにします)。

 こういったことがらから、私自身は氷川丸の前途は楽観していません。仮に修復し再公開されたとしても、それは日本郵船が多額の費用を負担した結果であり、将来的な負担にも耐える覚悟を示したということになります。そして、一過性でない地域住民の理解と関心を抜きにして、それを続けてゆくことはできません。


 もしこのブログを読まれる方の近くに保存船があれば、それはこういった事情を乗り越えてそこにあるのですから、日頃から関心を持ってほしいと願います。仮に保存状況が良くなく船内が錆だらけだったとしても、地域住民の関心がある限り姿をとどめておくことができるはずですから。

サイト移転のお知らせ

2006–12–24 (Sun)
 このブログの元になっているサイト「模型の缶詰」が24日午前零時を以て移転しました。新しいアドレスは以下の通りです。

(旧)http://web1.incl.ne.jp/momo120/MODEL_TP.HTML
 ↓
(新)http://www7b.biglobe.ne.jp/momo120/model_tp.html

 雑感のウォーターラインの一覧の訂正増補と、その他幾つかの感想に手を入れた以外はほとんど内容は変わっていませんが、ページデザインは一部変更しています。また横2列で段組していたページの大半は縦1列に変更しています。また大文字だったファイル名は全て小文字で統一しています。

 活動の主体はここで、サイトの方はブログの過去ログからまとめて積んでゆくような形になりますので、今後ともよろしくお願いします。

 なお、何か設定を間違えたのか、現在旧サイトの表示が全くできなくなっています。プロバイダサポートの営業時間の関係で月曜の朝まではこのような状態と思われますので、何卒御容赦願います。原因がわかり復旧しています。

氷川丸を見に行く(その3)

2006–12–22 (Fri)
 比較的傷みが少ない(ように見える)室内とは対照的に、室外、特に雨風に叩かれる船首上甲板やボートデッキ、舷側などはやや傷みが見られます。ただ、4年半前に見た時はそれほど気にならなかったため、経営悪化が伝えられるようになった2年ほど前から室外のメンテに手が回らなくなっていたのかもしれません。
20061222_1

 船首上甲板左舷側のブルワーク内側。左側が2002年8月撮影、右側が2006年12月の現況です。天候が違うために色合いや表面の荒れ方は誇張して見えている可能性がありますが、少なくともブルワークの内側に錆が目立つようになっている事はわかると思います。

20061222_2

 ブリッジ下部、キャプテンズ・デッキの右舷側にある電動測深儀。これも左が2002年8月、右が現況です。この付近の甲板は4年半前も傷みが激しかった所でしたが、現在は更に腐食が進行し、一部宙に浮いている(足を乗せると下に沈み込んでしまう)部分もありました。

20061222_3

 ボートデッキ右舷側。甲板やボートダビッドなどは4年半前から傷みが目立っていましたが、錆や船室下隅の塗装の劣化は進んでいるようにも見えます。

 この他にも、船体の外板は一般の目に触れる船尾~右舷乗船口までの範囲は比較的きれいでしたが、立ち入りが制限されている船首側の傷みはかなりひどいように見えました。

 現役を退いた保存船が常にペンキを塗ったり甲板を磨いていないとどうなるか、これらの写真から判ると思います。これだけの大きさの船になると船体各部に塗るペンキ代やメンテナンスに当たる人的費用だけでも馬鹿にはなりません。だからといってそれらの経費を削減してしまうと、数年と経たずに船全体が錆や塗料の劣化で幽霊船のような状態になってしまい、復旧は更に困難になってしまいます。

 現時点では氷川丸の営業終了後は日本郵船が所有する事だけが伝えられていますが、その未来像ははっきりしません。以前にも書いたようにこの船は日本郵船の歴史の象徴ですから、営業を停止した他の保存船のように急速に荒れ果ててしまう事はないと信じたいのですが、財政難で公的補助がほとんど期待できない横浜市の現状にも鑑み、楽観できない気持ちが強くあります。

20061222_4
クリスマスイルミネーションの氷川丸
その前途に幸多からん事を

氷川丸を見に行く(その2)

2006–12–20 (Wed)
 前回の続き。画像はクリックすると拡大表示します。

20061220_1

 プロムナードデッキ(ブリッジデッキ)右舷側の船首方向。この部分の木甲板はそれほど痛んでいないように見えます。奥の階段はブリッジの下部に通じています。

20061220_2

 プロムナードデッキ右舷側の船尾方向。側面が窓でクローズされている前部よりも甲板の痛みや塗装の汚れ・サビが若干見えます。現役当時、この甲板は奥の緑で塗られた部分との境目までしかありませんでしたが、引退後に船尾まで延長されてビヤホールやイベントスペースとして用いられるようになりました。

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 1等ダイニングサロンに通じる大階段。さすがにタイタニックのような大きさはありませんが、流麗なデザインは時代を感じさせません。

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 1等ダイニングサロン。引退後は結婚式などの宴会場として用いられていた事もあり、メンテも行き届いているように見えます。上の大階段と合わせて営業終了が発表されるまでは一般の見学客の立ち入りは禁止されていました。照明が多く明るい室内だったため、写真も露出オーバーで写っていまいました。

氷川丸を見に行く(その1)

2006–12–18 (Mon)
 実はハセガワ宗谷の感想を上げている間に、今月で営業を停止する横浜の氷川丸まで行ってきました。以前にも書いたようにこの船の先行きはまだ不透明ですし、私自身も楽観視はしていません。最後になるかもしれない、という事で気合いを入れて写真を撮ってきたのですが、帰宅して整理してみるとやはり所々でメンテに手が回っていないと感じる部分もありました。

 撮った写真の中から幾つか載せてみます。これらの写真はクリックすると拡大表示します。

20061218_1 20061218_2

 中甲板後部の右舷側から乗船し、まずエンジンルームを上から船底に向かって降りてゆきます。ここは図面上は2層ぶち抜きで、天井の部分はブリッジデッキ(プロムナードデッキ)になり、中央の主機関の図解パネルの裏側が煙突配管になります。主機械のピストンシリンダーの上部が左右に並んでいます。

20061218_3

 ここは上の写真の2層下の位置になります。主機械が左右にずらりと並んでいます。

20061218_4

 ここが船底になります(最初の写真から3層、上の写真の1層下)。両端の灰色で塗られたハンドルの付近に主機関の操縦ハンドルがあります。画面の上端まで主機関と巨大なシリンダーで占められている事になり、これらが一斉に稼働する姿はさぞ壮観だっただろうと思います。

誤記のお詫び

2006–12–17 (Sun)
 12月16日にupした「ウォーターラインの「飛び番」?」の内容ですが、私の思い違いで

No.449…駆逐艦 霞 ハセガワ
No.450…駆逐艦 朝霜 ハセガワ

 菊水作戦スペシャルバージョンに合わせて発売されていた事を見落としていました。ゆえに推測の前提が外れるため、全削除とします。誠に申し訳ありませんでした。

雑感:ハセガワ1/350南極観測船「宗谷」(その5)

2006–12–16 (Sat)
 最後に資料の話など。

 参考資料は、まず船の科学館前に保存されている実船が挙げられます。私は宗谷に関しては詳しく調べた訳ではないので断言はできませんが、一般論として現役時代の特定の時期を完全に再現している保存船などまず有り得ません。法令上、陸上の建物と同じ基準で消火設備を設けなければなりませんし、船内の見学路を作るためにハッチを切り取ってラッタルを設けたり、装備品を取り外したりレプリカと取り替えたり、船と関係のない設備や展示を設けたり、塗装を変えたりと、保存船の運営団体の事情によって状態が様々なのが実情です。宗谷の場合は日本財団が目的を持って管理しているため、船と関係がない展示などはありませんが、それでも現在の保存船を見たり写真映像に記録したものを、そのまま無検証で模型に反映させるのは避けた方が良いのではないかと考えます。

 もちろん、これは実物を見るなという意味で書いている訳ではなく、実船の大きさや構造を理解するためには見学にまさる手段はありません。ただ、大きなスケールでより厳密な模型を作ろうとするならば、保存船の現在の状態と模型の設定時期との間に何が合っていて何が違うのかという検証が必要になってくる、ということです。

 その手段として、現役時代の写真や映像、特に撮影時期が明確なものがあれば、検証作業は楽になるはずです。キットの初回特典として同封されている船の科学館の資料ガイドは手頃なものですし、仮に同封されなくなったとしても通販で購入することができます。


 現在容易に見ることができる映像資料としては、これらプロジェクトXの番組が挙げられます。ただ、この番組はレンタル店で扱われていたり再放送やCSでの放送も多いため、それを待つ方法もあります。

 また、CS放送の日本映画専門チャンネル(スカパー707ch)で、2007年1月に宗谷の南極観測をテーマにした当時のドキュメンタリー映画が2本放送される予定です。



 最後にキット本体の情報も貼っておきます。

雑感:ハセガワ1/350南極観測船「宗谷」(その4)

2006–12–14 (Thu)
 この宗谷に関しては、前作雪風の感想の際にシリーズの統一性という点で選択には疑問が残ると書きました。しかしながら実際にキットを手にしてみると、小さいながらも特徴的な船型で、また搭載機の種類も多く、付属の雪上車やエッチングと組み合わせると色々と変化が楽しめそうです。その点では艦船専門の愛好者よりもむしろ一般受けしそうな内容と言え、模型店での初動が予想外に良いと聞きますが、そういった面にも一因があるのかもしれません。

 その視点からキットを眺めてみると、素組み無塗装では実物の全容を捉え切れないという点が、現時点では一つのウイークポイントになるかもしれません。つまりブリッジ回りをそっくり透明部品化した点に個人的には疑問があります。

 ブリッジを透明化することで、窓の部分を外して塗装すれば違和感がないガラス表現が期待できる1/700の艦載機と同じ発想で、それ自体は良い考え方ですが、窓のモールドが繊細である上に塗装は色が乗りにくい白色ですから、窓をマスキングして塗るのはそれなりに力量が問われます。かといって無塗装のままではブリッジ回りに強い違和感が残りますし、個人的には船体の他の窓が塗装でブリッジだけ窓を透明化してもあまり意味がないのではないかと思うのです。ここは他と同じ白色成形のプラパーツを付けた上で、上級者向けのオプションとして透明パーツを用意する仕様の方が良かったのではないかと考えます。

 とはいえ、キットの内容は(考証面を抜きにすれば)期待を大きく超えるもので、最初に書いたように模型としての密度が高く、旧海軍艦艇にはない変化も楽しめます。大きさこそ駆逐艦に劣りますが、価格に充分見合った内容です。ハセガワが今後1/350をどうしたいのかは現時点ではわかりませんが、旧海軍艦艇を選ぶとしても、その他の船を選ぶとしても、これだけの内容であれば充分期待できると思います。

 あと1回続きます。

雑感:ハセガワ1/350南極観測船「宗谷」(その3)

2006–12–12 (Tue)
 船体のモールドは繊細なものですが、雪風よりははっきりしていて、南極観測船に改造された時に付けられた鋼板の取り付け状況もよくわかります。個人的に驚いたのは、これまでフルハルの艦船キットではほとんど無視されていた水線下のシーチェスト(ボイラーの冷却用などに用いる海水の取り入れ排出口、エンジンがある船には機関室付近の側面と底面に必ずあります)らしきモールドが見られることで、もしそれならば画期的な表現ではないかと思います。その他のモールドも前作の雪風よりはやや濃い目で、南極観測船の武骨さは良く表現されています。

 付属のエッチングパーツはほぼ妥当な内容ではないかと考えます。価格も(比較的)安く、エッチングに慣れた方であれば購入して損はないかもしれません。観測隊員や犬にペンギンが付いているのが面白い所で、初回特典の雪上車と合わせるといろいろな展開ができるかもしれません。かつて1970年代に発売されていたエアフィックスのディスカバリー(悲劇的な遭難で有名な英国スコット探検隊の船)のキットに、犬と隊員とソリの部品が付いていた事を思い起こさせる仕様です。

 実船の知識はあまり無いので考証面の是非はほとんど述べられませんが、恐らく衣島尚一氏がきちんとした解説を書かれるだろうと期待しています。

 以下続きます。

雑感:ハセガワ1/350南極観測船「宗谷」(その2)

2006–12–10 (Sun)
キットの部品割は以下の通り。プラの成形色は展示台支柱以外全て白色です。
・A部品
船底(左舷、右舷)、上甲板、ウインドラス、煙突、スクリュー、レーダー、レーダー室、ほか
・B部品
上甲板上外舷部(右舷、左舷)、船首楼甲板、船首楼隔壁、船橋操舵甲板、船橋天蓋、前部マスト、第一船倉ハッチ、ほか
・D部品
長船尾楼甲板、ボートデッキ甲板、ヘリ格納庫、後部マスト、後部デリック、ほか
・F部品
展示台支柱
・G部品
展示台座、第二船倉ハッチ、セスナ架台、副錨、ほか
・K部品(2個)
主錨、ボートダビッド。前部デリックウインチ、機関部吸気口、コンパス、救命浮輪、リール(小)、ほか
・M部品
搭載艇一式、リール(大)、船橋操舵機、基準コンパス、信号灯、双眼鏡、ほか
・N部品(2個)
搭載ヘリ部品
・Q部品
搭載セスナ一式
・U部品(透明部品)
船橋正面、側面
・V部品(透明部品)
操舵室側面、船長室側面、船橋背面
・W部品(2個、透明部品)
搭載ヘリ本体
・その他
チェーン・ステンレス線(UB部品)、デカール
・初回生産限定特典
1/350ホワイトメタル製雪上車2個、同取扱説明書、船の科学館発行資料ガイド(48p)

 まず、前作の駆逐艦雪風で問題になった縮尺ですが、キットの説明書の要目(=船の科学館が発行している資料ガイドの記述)が正しいとすれば、全長83.3(m)÷350=23.8(cm)ということになります。

20061210_1

 それで実寸で全長が約1mm足りませんが、誤差0.5%以下という事でこれは無視できる範囲だろうと考えます。

 このキットの部品割の最大の特徴は、左右分割の船体が主に上甲板の位置で更に上下に分割されている事で、このような割り方は他に記憶がありません。これは恐らく船底や上甲板から上の構造がそれぞれに異なる、戦中の輸送船時代や第二次以降の南極観測の状態をバリエーション展開させるために行ったものと思われ、設計者の苦心血涙の跡が伺えます。南極観測船としての同型船がない以上バリエーション展開は当然ですし、確かに船底や舷側を取り替えた方がそれぞれに全く新しい船体を設計したり、元の船体に舷側バルジを取り付けるよりも合理的です。

 しかし、分割された舷側部品の取り付けはそれなりに配慮されていますが、接着に当たっては船底から浮き上がったり沈んだりしないように注意する必要があります。それに接合部にはどうしてもパテ埋め整形が避けられませんが、周囲のモールドが非常に繊細なために、これを潰さないように整形するのは少してこずるかもしれません。

以下続きます。

雑感:ハセガワ1/350南極観測船「宗谷」(その1)

2006–12–08 (Fri)
 戦前にソ連向けの耐氷型貨物船として建造された宗谷は、苛烈な太平洋戦争を生き延び、戦後は引揚船や灯台補給船として活動した後、その砕氷性能を買われて初代の南極観測船として活動するという、数奇な運命をたどった船でした。現在は東京・船の科学館前で永久保存されています。

 このように歴史的・学術的にも重要な意義を持った船ですが、(南極観測船としては)同型船が無かった事もあり、組立模型の世界では1960年代の初期にマルサンがノンスケールで発売していたキットが20世紀中は唯一で、同社倒産後は長らくキットがない時代が続きました。世紀が替わった2003年にシールズモデルから1/700のキットが発売されたのに続いて、南極観測開始から50年目の節目の年にハセガワから1/350の大型キットが発売される事になりました。キットの内容は充分に水準を満たしたもので、大胆な部品割で他の時期への展開も考えられているものと思われます。変化も装備品も多く一般受けする内容ですが、キットの方向はブリッジの全透明化も含めて艦船愛好者、それもかなり濃い人に向けたもので、より一般向けにシフトした構成でも良かったのではないかと考えます。

20061122_1
外箱の仕様は前作の雪風と同じです。
キャラメルボックスの外箱と凹型の内箱の二重包装になっていて、
外箱の裏側には完成作例と別売のエッチングパーツの写真が印刷されています。


 まずは評価表から。
 これは私の個人的な主観によるものです。難易度以外は5つ星が満点、難易度は星が少ないほど易しいという意味で、星3つが標準レベル・白星は1/2と捉えて下さい。

ジャンル:近代艦船・海上保安庁南極観測船
名  称:宗谷(1956-57年第一次南極観測隊当時)
メーカー:長谷川
スケール:1/350
マーキング:船名、甲板標識、海上保安庁マーク、船橋窓枠・ドア、搭載機標識・ヘリ骨組、ほか
モールド:★★★★
前作の陽炎よりは濃いもので実感もありますが、ブリッジの透明部品化は疑問。船体の分割は大胆かつやむを得ないものだが組立には負担を強いる。
スタイル:★★★★☆
前作で問題になった縮尺はほぼ正確。甲板のキャンバーや特徴的な船体水線下の構造も再現。従来のフルハル艦船キットでは無視されていた水線下のモールドにも一部考慮している点は好感が持てます。
難易度:★★★
繊細なモールドを潰さずに二分割された船体外舷を組むのは少してこずる。
おすすめ度:★★★★★
部品の段階では価格の割に大きさが物足りない印象も受けますが、模型としての密度は非常に濃い。付属エッチングの内容もおおむね妥当。
コメント:
遊び心も多く一般受けする内容。むしろ艦船専門の愛好者よりあまり船に関心がない人の方がより満足度が得られるかもしれません。

 以下続きます

短信

2006–12–06 (Wed)
 現在はハセガワの宗谷の感想を書いている所です。実船に対する知識はあまり無く、また衣島尚一氏が詳細な解説記事を書かれるでしょうから、考証面の話はほとんど出ないと思います。

 それと、12月から1月に掛けて艦船関係の番組や映画が幾つか放映されます。
小さな旅 港に航跡 ~横浜 氷川丸~(NHK)
関東地方では既に放送済、全国枠の放送は今週金曜夜のハイビジョンと土曜早朝の地上波でそれぞれ1度あります。

映像で見る「激動の昭和史」第5回 1月29日[南極昭和基地開設](日本映画専門ch)
宗谷が活動した第一次観測隊当時のドキュメンタリー映画が2本放映されます。

ウェルデッキの製作・前編(その22)

2006–12–04 (Mon)
 天候は相変わらずですが、ブルワークと船室下端をディトナグリーンで塗りました。

20061204_1

 キットには後方船室下部の塗装指示しかなく、しかも実際より高いようです。模型では現役当時の写真と現在の実測値からブルワーク下部を1mm、後方船室下部を1.5mmとしています。

 実際はブルワーク下部の塗装帯も後方船室と同じ高さですが、外側の外板モールドを基準に付けたLidの内枠やフォアシート/メインタックの引込口と干渉するため、やむなく下げる事になりました。幸い船室と接する部分にムアリングパイプがあるため、そこで高さを切り替えて目立たなくなっています。

 写真は遠景で目立たないだけで、実際は散々な事になっています。この後に一部の塗装の手直しと、甲板両端のウォーターウエイを赤味が強いレッドブラウンで塗りますが、不安定な天候に加えて水系塗料の重ね塗りの上にマスキングをするため、念のため1週間ぐらい置いて取り掛かる事にします。

インターミッション-4

2006–12–02 (Sat)
 製作は相変わらず天気待ちです。12月の声を聞くと同時に、一日中どんよりとした曇り空で時折強い雷と共に雨やみぞれが降る、北陸らしい天気になってきました。これから約4ヶ月こういった気候が続きます。寒いのはどこでも同じですが、太平洋側と違って湿度が低くならないため、特に塗装にはあまり良い環境ではないかもしれません。来年の1月下旬から2月の厳冬期は夏にエッチングで量産した滑車の組立に当てようと考えています。

 以前触れたハセガワ1/350宗谷の感想は来週にまとめて書くことにします。

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プロフィール

MOMOKO.120%

Author:MOMOKO.120%
職業:自営業見習い
趣味:ブログの通り
模型の守備範囲:船
Webページ:模型の缶詰

現在は1/100初代海王丸の製作を一時休止して、ハセガワ1/350空母隼鷹を製作しています。

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