素材入れの整理

2006–07–31 (Mon)
 前回書いた素材入れができました。

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 これは元々は事務用のレターケースで、サイズはW:D:H=27.7*33.6*34.9cm、4,000円ほどで売っているものです。左側に見えている白い棚がこれまで使っていた素材棚(の一つ)です。この引き出しを必要に応じて区切ります。

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 これは真鍮線。私は福原金属とウェーブのものを主に使っています。福原の真鍮線は1本当たり50cmと長く、普通そこまで長いままではあまり使わないので、数本を残して半分に切って入れています。

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 これはPlastructのプラ棒。少々高価ですが、伸ばしランナーよりも均一性に優れ、また加工も楽なので使っています。evergreenからも同様の製品が出ていますが、個人的にはPlastructよりもやや扱いにくい気がします。

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 他の段には真鍮板や帆船用のロープや材料などが入っています。これで大分整理できました。

 素材は一度に買わなくとも、必要に応じて揃えてゆけば良いと思いますが、種類が増えてくるにつれて何が幾つどこにあるのかわからなくなってゆきます。東京のように困った時に東急ハンズやユザワヤに行けば何とかなる、といった環境であればそれでも良いのですが、地方在住の者にとっては必要な時に必要な特殊素材がないというのはかなり辛いものがあります。こうやってある程度整理しておけば、通販で注文を出す時に不足気味の素材を一緒に頼むことができますし、使用頻度の高い素材の種類といったこともわかってきます。

 あとはエッチング用の真鍮板が今週中に入荷すれば良いのですが、こればかりはどうにもなりません。

エッチング祭いきなり中断(^^;)

2006–07–29 (Sat)
 エッチング用の原稿はいくつかできましたが、注文していた素材が納期を過ぎても店に入荷しません。エッチング液は後のメンテナンスが面倒でまとめて作業する必要があるため、祭りは素材到着までお休みです。

 仕方がないので週末はこういうものでも作ることにします。

20060729

 素材が増えてきてこれまで使ってきた素材入れが手狭になったため、部屋を少し整理して市販のレターボックスを一つ入れました。これはその引き出しですが、フッドの飾り台に使った透明アクリル板の余りを切って仕切を作ります。ここに種類別に素材を入れることになります。

夏のエッチング祭り(その1)

2006–07–27 (Thu)
 現在の状況を整理します。

20060727_1

 実船の、向こう側に高くなっているのが船首楼甲板、手前の低くなっているのがウェルデッキ(上甲板露天部)です。製作はウェルデッキの甲板を船首楼の先端まで貼り、ウインドラスと船首楼内部の船室壁面などを製作した所で止まっています。

 順番としては(1)のブルワークから台のように張り出している、ファイフレールと呼ばれる動索を止めるピンの台をまず製作し、同時にブルワークの内側のモールドを付けます。次に(2)の船首楼船室の壁面を接着し、(3)の船首楼の内部を製作してゆきます。

 ファイフレールはキットに部品があるにはあるのですが、長さや形状が共に異なる上に強度対策が何も成されていないため使い物になりません。ここには動索を止めるピンが集中するため、ロープの張力が掛かります。模型とはいえ決して無視できるものではなく、製作の終盤で万一この部品が剥がれることがあれば場所的に修復は非常に困難です。そのため、台と支柱を真鍮板のエッチング抜きで作り、支柱を甲板に差し込んで強力接着剤で固定させると共に、その上にプラ板を貼ってブルワークに接着し強度を出すことにしました。

20060727_2

 これはファイフレールの支柱のエッチング原稿(5*10cm)で、前に滑車を抜いた時よりも抜きの範囲を狭めています。他にも滑車や当面必要な部品などの原稿も作ることにします。

製作の現況

2006–07–25 (Tue)
 ウェルデッキ内部の製作に先立って、図面を何枚か書いていました。

20060725

 これはピンレールの各ピンに、どの動索がどの滑車を経由して降りてくるかを示した図で、キットの説明書の内容に関係なく帆船を作る時には必ず描きます。初代海王丸/日本丸には解説した資料がありますが、実際と多少異なっている部分があるため、それも加味しながら描きます。

 これがないと甲板のどこに何個滑車やアイボルトを付けたらいいのかわからないという事もありますが、動索に過不足がないか全て整理できるため、私の場合はこの図面が描けた時点でリギングはできたも同然です。画像は甲板側の図ですが、マストを立てる時にマスト・ヤード側の図も描きます。

 7月も下旬だというのに一向に梅雨が明けませんが、模型の方は前に書いた「夏のエッチング祭り」の準備に入ってゆきます。

BLOG没企画up

2006–07–23 (Sun)
 トランペッターから1/350でイギリス巡洋戦艦フッドが発売されました。主砲塔や連装高角砲といった小物が以前作ったホワイトエンサインの完成品に流用できれば買おうかなと思っていたのですが、メーカーサイトの完成作例やパーツ写真を見る限り少し印象が異なるように感じたので、購入を見送る事にしました。よってレビューも書けませんが、気がついたことなどを少し書いておくことにします。

 メーカー作例を見る限りでは、上記の点を除けば基本はしっかりできているように見えます。タミヤの1/700WLは実艦の大きな特徴の一つである舷側の装甲帯のモールドが全くなく、エレールの1/400に至っては「フッド以外には見えないが、フッドのようなものでしかない」という大変につらい内容でした。これらのキットに比べれば今度のトランペッターのキットは考証的に改善されているように、写真からは見えます。

 艦橋の防空指揮所や第二煙突背面の探照灯台周囲の形状など、他に気になる部分はありますが、これらは本国英国にも全体の形状が把握できる写真や構造図などが存在しないらしく、私も推定で作らざるを得なかったため、是非を判断することはできません。ただ、メーカーサイトの完成作例では防空指揮所の前部と後部がブルワークで完全に仕切られているようですが、これは恐らく1941年4月撮影の艦橋正面の写真で前部のブルワークが二段になっているのを読み違えたのではないかと思います。少なくとも1939年8月まではこの部分にブルワークはなく、1940年10月撮影の写真(Warship Profile No.19 HMS HOOD p163, MONOGRAFIE MORSKIE No.6 HOOD p27上段)では、後部の側面のブルワークは正面に回り込んですぐ切れているように見えます。

 艦橋の各甲板は私は濃いグレーで塗りましたが、これはメーカーの指示が正しいようです。また後部マスト頂部の279型対空レーダー(送信用のみ)がメーカー作例では見当たらないようなので、もし部品が無いようであれば調達する必要があります。また1番主砲両脇の小型クレーンはパラベーン展開用のもので、使用しない時は外されていました。ホワインエンサインの製作記でも書きましたが、艦橋の基部の3本のデリックのモールドのうち、一番上の短いものはパラベーンデリックのブームではないかと考えているため、これは付けない方が無難かもしれません。

 フッドの資料は実艦の公式サイトが無料かつ情報満載で、模型を作る上での最低限の知識や注意点、参考資料といったこともここに行けばわかります。

待ち人のお見送り

2006–07–21 (Fri)
 北陸は二代目海王丸が富山新港に入港した15日からずっと天気が不安定でした。15日は曇り時々雨で猛烈に蒸し暑く、一般公開された16日は朝から強い雨が降り、総帆展帆(全ての帆を広げるイベント)が行われた17日も雨で、初代の方の展帆は中止になってしまいました。

 この出迎えは旧知の同窓会をキャンセルして行ったのですが、15日は猛烈な蒸し暑さで早々に体力が尽きてしまい、16日は強い雨に祟られて下半身がズブ濡れ(しかもあまりの雨に午前で引き揚げたら午後から雨が止んだそうで…)という、もう散々な目に遭いました。まったく旧友をないがしろにすると良いことはないとつくづく思い知らされました。

20060721_1

 18日も一日中雨が降り、出港する19日になってようやく梅雨前線が南に下がって晴れ間が出たため、午後から休みを取って見送りに行くことにしました(画像はクリックすると拡大表示します)。

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 出港に先立って、実習生がヤードに登って寄港地に敬意を示す、登檣礼という儀式が行われました。船首から斜めに突き出したバウスプリットの先端に立った実習生の号令で、「ゴキゲンヨー」と大声で三度別れのあいさつを行いました(これは帽子を掲げて行うのですが、写真を取りそこないました)。

20060721_3

 富山新港の桟橋は逆コの字になっているため、船尾からタグボートでバックで港内に引き出し、方向を変えて次の寄港地の函館に向けて出港してゆきました。


 座礁事故が起きた時は、水平座礁でそれほど油の流失も見られなかった事から、船底の損傷は軽いのではないかと見ていたのですが、ドックに引き入れて予想外に損傷が酷かった事を知って愕然としたものです。ただ修理が技術的に不可能だとは思っていませんでした。

 日本はあの太平洋戦争で、魚雷や爆弾で艦首や艦尾が吹き飛んだ艦であっても短期間で修理して前線に送り出しました。そんな歴史をくぐり抜けて、日本の造船業は世界一の技術を持つことになりました。現在では事故が起きた船に対して修理か新造かは主に経済的な面が問題になります。幸い、キール自体に損傷が無かったことと、マストを支える静索がそのまま使えたことから、船体のかなりの部分は取り替えになりましたが、工事そのものは見積もりよりも1ヶ月ほど早く終わったといいます。

 船内を見てもほぼ新造船のような感じで、あと30年は現役で活動できそうな印象を受けました。ただ二代目海王丸は就航以来、日本丸と比べても軽微な事故が少なくなかった船で、今後は安全運行に一層気をつけてほしいものです。

二代目海王丸を見に行く

2006–07–19 (Wed)
 7月16日の一般公開の際に撮影した写真からいくつか。画像はクリックすると拡大表示します。

20060719_1

 船首方向の写真。見た目は事故前と全く変わりません。船首像は座礁事故の際に船から流失し、一時行方不明とも言われていたのですが、その後無事に回収され修復されました。ちなみに、この船名「海王丸」の書体は、1988年の起工当時に運輸大臣だった石原慎太郎(現東京都知事)の筆に依るものです。

20060719_1

 船首の揚錨装置一式。以前書いたようにケーブルホルダーから錨鎖がはみ出すのは構造的にあり得ないことがこの写真からもわかります。また雨に叩かれた甲板のチーク材の色調がケーブルホルダーの基部や周囲の溝に塗られたグレーよりも濃く見える点にも注意して下さい。

20060719_1

 フォアブリッジも事故前とほとんど変わっていません、ただし、事故前は両舷側への張り出しの下には救命筏のコンテナが装備されていましたが、これが救命筏への降下式乗込装置のロッカーに置き換えられていました。装置そのものは事故前から装備されていたようですが、どこから移設されたのかはよくわかりません。中央に書かれているIMO8801010は国際海事機関が発行する船舶識別番号です。

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 ライフボートは船首側の4隻が自走機関装備、最も船尾寄りの2隻がカッターで、ボートダビッドの仕様はそれぞれで異なります(写真は左舷側カッター)。ライフボートは事故前は全面オレンジで塗られていましたが、船体部分が白色に変更されています。

20060719_1

 事故前は、船内の第一教室の背面に初代海王丸の模型が置かれていました。今井1/100プラキットのほぼ素組みでしたが、他の置物と同様に影も形もなくなっていました(かつての写真(2003年10月25日撮影))。あの事故以来ずっと気になっていた事の一つで、これというものではありませんでしたが、それでも姿がないのを見るのは寂しいものです。

 2日間で撮った写真は新海王丸が236枚(外観39枚、船上及び船内198枚)、あこがれが212枚(外観64枚、船上及び船内148枚)でした。人出が少なかった分自由に撮れたものの、共に天候が良ければもっと枚数が撮れたはずで、その点が少し残念でした。

待ち人来たれり

2006–07–17 (Mon)
 富山県射水市の富山新港、現在初代が永久保存されている向かい側の岸壁に二代目の練習帆船海王丸と大阪市の帆船あこがれが入港したので、7月15・16日に渡って見てきました。二代目は本来2004年10月22日に入港する予定だったのですが、周知の通り台風に依る座礁事故のために中止になり、実に1年9ヶ月遅れで「待ち人」がやってきました。15日の入港は岸壁から見ていましたが、目の前を静かに通り過ぎ、初代を背に接岸する姿には特別な感慨がありました。

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入港する二代目海王丸

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初代を背に接岸
(左端はあこがれ)

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停泊中の写真
(撮影はいずれも2006年7月15日)

 保険の関係で現状復旧となったため、外観上は事故以前とほとんど変わっていないように見えます。一般公開で乗船した際の印象は次回に。

※上の3枚の画像はクリックすると拡大表示します。

ありがたい道具

2006–07–15 (Sat)
 旧日本海軍艦艇の模型を作った方であれば、もっと細部の写真が見たい、資料のこの写真のフレームがあと数十cmずれていれば…とジレンマに襲われたことがあるかもしれません。私もそういう経験があったため、模型の参考用に船の写真を撮りに行く時には、できる限り枚数を撮るようにしてきました。

 とはいえ、銀塩写真の時代はフィルム現像料500~550円+プリント1枚35円で、当時一般的だった24枚撮りフィルムで撮影した場合の経費は1枚当たり55~60円前後。これでは自由に撮るという訳にはなかなかゆきませんでした。

 デジタルカメラは撮影内容がPCで確認できますから、経費として必要なものは電池代だけです。私のカメラでは単三アルカリ電池4本、400~450円で200枚近く撮影できますから、1枚当たり単価はたった2円。銀塩時代から考えると夢のようです。デジカメを手にしてからは「枚数を気にせず目に付いたものは片っ端から体力が続く限り撮れ」ということになりましたが、それでも整理すると撮っていないものや二重三重に撮ったものがあるのは何とも不可解です。

20060715

 これは近場に写真を撮りに行く時の最小構成です。これらとデジカメをポーチに詰めて出掛けます。奥に見えているのは東芝のLibretto50というちょうど10年前に発売されたノートで、Pentium75MHzの画面640*480という性能ですが、ハードディスクを6.4Gのものと換装し、デジカメのデータ蓄積用として持ってゆきます。

素材いろいろ

2006–07–13 (Thu)
 前回の話の続きになりますが、私が模型作りの素材にプラを多用するのは、物心ついた子供の頃から使い慣れた素材で、性質も長所も弱点もある程度身体に染み込んでいるということがあります。タミヤやエバーグリーンのプラ材を使うのもいちぱん形にしやすい素材だからで、それは他の人にとっては木材かもしれませんし、また別の人にとっては紙であり、ある人にとっては金属かもしれません。それぞれの素材には長所と弱点があり、その人や環境によって替わってくるものだろうと考えています。

 つまり最終的に仕上がった模型に対して見る人に与える印象が同じであれば、素材はプラであろうと木材であろうと紙や金属やその他のものでもかまわないということになります。重要なのは素材の特性を理解した上で自分に合った素材を試行錯誤しながら見つけてゆくことであって、間違っても素材が模型の内容を規定する訳ではない、と私自身は考えています。とはいえ、一連の廃人の道で示したように、未だに試行錯誤を繰り返しながら進めている部分も少なくないのですが。

 海王丸の製作はウェルデッキの製作に当たって必要となる追加図面や細部の詰めを行っている所です。しばらくこの工程が続きます。

1/700のブルワーク

2006–07–11 (Tue)
 たぬきさんのブログで1/700のブルワークの付け替えに苦労されているのを読んで、自分だったらどうだろう?と思ってやってみることにしました。ただ手元に山城のキットがないので、ジャンク箱をあさって見つけた、似たような部品でやってみます。

20060711_1

 まず部品のブルワークや高角砲台座のモールドを全て削って平面にし、それを0.3mmプラ板に両面テープで貼り付けて先を尖らせた鉛筆でなぞり、これを元にして元の部品よりも0.3mm程度小さい底板を切り出します。

20060711_2

 次に木の板に両面テープを貼り、その上にこの底板を貼ります。この際、底板全てを両面テープに貼り付けるのではなく、内側に当たる部分のテープを一部切り剥がしておきます(べったり貼り付けると後で剥がしにくくなるため)。

20060711_3

 次に0.3mmプラ板を2mm幅で切り出し、Rがかかる部分だけを丸棒に押さえつけて手で丸めます(全体を丸めてしまうと逆にRが抜けた部分が上手くつかなくなります)。次にこれを両面テープの上に底板を回り込むような形で付けて、金属板を貼り付けて押さえ込みます。

20060711_4

 そして内側に流し込みタイプの接着剤を多少多めに付けて、充分乾燥させ、最後に両面テープを剥がしてできあがり。この際、部品をテープから剥がすのではなく、テープごと木の板から剥がして、その後に部品からテープを剥がすと上手くゆきます。

 個人的な考え方ですが、私ならばこの程度の形状なら底板もタミヤの0.3mmプラ板で置き換えてしまいます。キットのプラ+プラ板よりもプラ板同士の方が確実に接着できますし、サイズをブルワークの分だけ小さくする事によって、外側に巻いた時にもその分だけ飛び出す事がなくなります。

 そういえば、初めてWLの改造やスクラッチを始めた頃は、やはり同じようにブルワークが上手く立てられずに困った記憶があります。

厄介な部品

2006–07–09 (Sun)
 ブルワーク内側の製作を進める前に、リギンスクリューの形をある程度考えておかなければなりません。帆船のマストを支える黒く塗られたロープのことを静索(Standing Rigging)と呼びますが、この静索を船体側に固定する金具のことをリギンスクリューと呼びます。古代~近代の船ではデッドアイと呼ばれる三つ穴の滑車を用いて固定していましたが、20世紀以降の近現代の船ではこのような金具に置き換えられ、時代的な特徴の一つになっています。

20060709_1

 キットには一応部品があるにはあるのですが、シュラウドと一体化していたり太すぎたりで全く使い物になりません。それにリギング(ロープの展開)を実船と同様に行うためにはプラの部品では強度が足りないので、金属材料で自作する必要があります。とはいえ、これがなかなか複雑な形状で、一筋縄ではゆきそうもありません。しかも写真に写っているようにピンレールの台を貫通して付けられているため、模型でもそれを考慮しなくてはなりません。

 とりあえず真鍮線や板やパイプを切り貼りして試作品を作ってみました。

20060709_2

 形状的にはほぼ実船通りですが、どこか微妙です。

製作の現況

2006–07–07 (Fri)
 アンカーチェーンが出来たことで、船首楼回りはこうなります。

20060707

(画像をクリックすると拡大します)

 当初想定したものより少し大きめのチェーンになったため、ウインドラスの巻き上げドラムからはみ出してしまいました。今回この部分は組み上げてしまうとほとんど見えなくなるのでウインドラス側の修正はしていないのですが、製作の順序を逆にすべきでした(軍艦の模型でもケーブルホルダーとチェーンを合わせずに製作するとそこから大きくはみ出してしまう事があります。構造的にあり得ないので注意が必要です)。また、船首側に付いているストッパー状のものは制鎖器と呼ばれるもので、チェーンを一定の位置で止めるために付けられています。これには幾つか種類がありますが、初代海王丸/日本丸はかんぬきのような棒の上下で留めるものが付けられています。

 この一連の部品はまだ接着できません。その前に後方のブルワークの内側やロープを留めるピンレールの台を作って付ける工程がありますが、それに関連してもう一つ、厄介な部品の自作が待っています。

廃人への道 Part6

2006–07–05 (Wed)
 ネックレス用のチェーンには色々と種類があって、キットに入っていたのは小豆チェーンと呼ばれるもので楕円に近いリングですが、これを更に横に伸ばした長小豆チェーンと呼ばれるものがあり、これならば中に仕切棒を入れても前後に空間ができそうです。そこでこのタイプのチェーンを3種類ほど買って試してみることにしました。

 まずリング径1.2×2.3mmのものに付けたら上手くゆきました。スケール的にはこれが近いのですが、どうも船体に合わせると貧弱な印象を受けます。そこで一回り大きい1.3×2.8mm径のものに真鍮線をハンダ付けして作る事にしました。方針が決まればあとは同じ作業の繰り返しで、実にあっさりと20cm×2本のチェーンができました。どうもハンダ付けが不安定で、均一性もイマイチですが、エッチングの失敗に比べればはるかにましと思うほかはありません。

20060705_1

 あとはこれを黒く染める工程が残っています。真鍮などの金属を黒く染めるには、化学変化で表面を黒くする薬品を使う手法があり、塗装よりも自然な色合いでかつ剥げにくいことから、木製帆船や鉄道模型、モデルガンを扱う店などで真鍮黒染液やガンブラックなどの名称で売られていました。過去形で書くのは現在では劇物に指定され、住所氏名と捺印がなければ購入できないらしく、取り扱う店が以前よりも減っているからで、東急ハンズでもそのような手続きを取る必要があるようです。

 ここではアオバ502という黒染液を使います。上にも書いたように劇物指定の薬品なので取扱には細心の注意が必要ですし、色もきれいな青色なので子供のいる家庭では間違って飲んだりしないよう管理を徹底しなければなりません。また502という番号は真鍮や銅用を示し、他の金属用はまた別の番号があるようです。

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 まずは専用の洗浄液に浸して汚れや油分などを取り(上画像左)、次に黒染液に浸します(右)。2~3分ほどで黒く染まって仕上がります。ハンダ付けした部分で一部染まらない所もありますが、これは後で似た色の塗料を塗れば目立たなくなります。

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 こうして何とかアンカーチェーンの部品ができあがりました。自作エッチングは失敗でしたが、滑車自作のメドが付いたことでやるだけの価値はありました。しかしながら、部品1つでこの回り道では、先はまだまだ長いようです。

戦艦大和最終状態の航空写真発見

2006–07–03 (Mon)
 ニュースを見た方も多いかもしれませんが、久々の艦船資料の大発見なので書いておきます。戦艦大和の沖縄特攻出撃5時間前に、米軍の偵察機が撮影した航空写真が発見されたもので、未見の方はこちらに概要と写真があります。

 ニュース映像を見る限りかなり解像度が高い写真のようで、恐らく近いうちに何らかの形で拡大写真が発表されるだろうと思います。これまで議論が絶えなかった機銃や射撃指揮装置の配置、艦尾クレーンの空中線支柱の有無、甲板色などのことがらに決定的な結論がもたらされるかもしれません(少なくとも甲板は錨甲板よりも暗い色のように見えます)。

廃人への道 Part5

2006–07–03 (Mon)
 前回書き忘れた事ですが、エッチングの両面抜きの転写パターンの合わせ方は、こういう方法を取ってみました。

20060703_1

 片面側の台紙の上に両面テープでエッチングに使うものと同じ厚さの真鍮板の細切りを貼ります。次にパターンの上に透明プラ板を仮止めします。今回は0.3と0.5mmの板を使ったので0.4mmのプラ板を置きます。そして台紙をガラス板に仮止めし、裏側から蛍光灯の光を当ててもう片面側の台紙の位置を合わせ、テープで止めてプラ板を抜いてエッチングする板を差し込み、アイロンで定着させます。

 アイロンは藤崎氏の解説では中温で3~4分程度とありましたが、私の場合は0.3~0.5mmの厚手の板では10分近く当てないとパターンが定着しないようでした。またアイロンは力を入れて押し付ける事をしないとただ乗せているだけでは定着しません。全体にまんべんなく力を入れて押し付けないとパターン欠けの元になります。

 上質紙の除去は力を入れずにゆっくりと、抜く場所のパルプが取れればそれでOKで、転写トナーの上に残ったものは神経質に取り除く必要はないようです(エッチング中にみな取れてなくなります)。私の場合は神経質に取り除こうとこすったり消しゴムを掛けたりすると、パターンが欠けることがありました。また、パターンの外枠からはみ出した部分や、片面抜きの裏側のマスキングは、タミヤのマスキングテープを貼れば大丈夫です(ただしエッチング液がわずかながら染み込むので、水洗いの過程で剥がす必要があります)。


 アンカーチェーンの自作が頓挫したため、最初に考えた既存のチェーンに仕切棒をハンダ付けする方法に戻ってみることにしました。真鍮製の無塗装でスケールに合うチェーンがどこかにないか、もう一度貴金属アクセサリー店をリアルからネットまで探して、ようやくそれらしいものを見つけることができました。

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 これならハンダも付きそうです。

廃人への道 Part4

2006–07–01 (Sat)
 前回の最後に出てきた単滑車は組み立てるとこうなります。

20060701_1

 0.7mmの穴を2個、0.3mmの穴を1個開けて折り曲げ、0.6mmの真鍮線を通してハンダ付けし、真鍮線を曲げたものを上に差し込んでハンダ付けしてできあがり。大きさは4mm×2mm×1.5mmになります。滑車自作のメドはこれで付きましたが、同じものをこのタイプだけでもあと約500個ほど作らなければなりません。滑車自体は一部を除いて必要になるのはまだまだ先なので、夏場に一斉にエッチングして、冬場にゆっくり作ろうかなと考えています。

 模型の素材には、はっきり言って使って身体に良いものは何一つありませんが、その中でもこのエッチング液は最も危険度の高いものの一つで、取扱には細心の注意が必要です。金属を腐食させる液ですから金属製品に飛び散れば表面を痛めますし、衣服に付いたら二度と落ちません。また溶けた金属成分を含んだエッチング液は立派な産業廃棄物で、原液はもちろんのこと腐食後の金属板や機器を洗った水も、無害化させる廃液処理を行わないと廃棄できません(絶対にそのまま流しや庭などに流してはいけません)。サンハヤトのエッチング液には廃液処理剤と処理の手順書が付いていて、個人レベルでも比較的容易に処理することができますし、藤崎氏のWebサイトでも処理法が詳しく述べられています。

 他に部品が調達できるのであれば、ここまでリスクを負う必要はないのですが、リスクをよく理解した上で手順に従って取扱う限り、他にどこにも売っていない部品を大量に量産するには、エッチングは有力な手法の一つになります。


 本題のアンカーチェーンの自作ですが、0.3mmの真鍮板にパターンを転写してエッチング槽の中に突っ込んで待つこと40分、引き揚げて唖然。

20060701_2

 パターンのほとんどが溶けて消え去っていました。わずかに残ったリングも手で触れるとグズグズと形が崩れてしまいます。どうもサイドエッチングが利きすぎて真鍮本来の強度も無くなっているようです。ならばと、0.5mm厚の真鍮板にパターンを転写して1時間20分漬けてみました。一応形にはなったのですが、

20060701_3

 強度がまるでなく、引っ張ると簡単に外れてしまいます。これでは全くお話になりません。自作は振り出しに戻ってしまいました。

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プロフィール

MOMOKO.120%

Author:MOMOKO.120%
職業:自営業見習い
趣味:ブログの通り
模型の守備範囲:船
Webページ:模型の缶詰

現在は1/100初代海王丸の製作を一時休止して、ハセガワ1/350空母隼鷹を製作しています。

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