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ハセガワ1/350隼鷹を作る(その127)

2020–03–29 (Sun)
 前回の記事で、「錨甲板の隔壁の前にある張り出しの仕様は図面が無いためよくわからない」と書きました。その後有り難い事に昭和19年の公式図の最上甲板平面図に直上の張り出しのアウトラインが描かれている旨指摘がありました。それをトレスしたのが下の図になります。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 赤のラインははっきり読み取れるもので、右舷側(図下側)の脇にラッタルがあり、これは竣工時の舷外側面図の内容と一致します。問題は青で示した部分で、縦のラインは225番のフレームラインと重なって判別が難しい上に、青矢印で示した線も微妙によれていて元図面の皺や汚れなのか意図した線なのか今ひとつ判別が付きません。

 この張り出しは竣工時の艦内側面図では整備科潤滑油及び軽質油積込用フラットと書かれています。隔壁の内側(図左側)に廊室を挟んで整備科潤滑油庫室があるので、前部軽質油タンクへの注入口が隔壁の内側にあるのか外側かで張り出しの仕様が想定できます。すなわち内側ならばハッチからホースを引き込んで接続するだけなので赤の範囲で充分ですが、外ならとても足りません。

 可能性はどちらも有り得ますし、隼鷹の仕様を示す資料はありません。模型としては明確な根拠がなければより見栄えのする方を選ぶのが良いので、青の範囲を軽質油積込用フラットと解釈しそのように作ることにしました。


 ライオンロアの1/350用パンチングプレート(LE350017)を切り抜いて床とし、フライホークの1/700金属製通風筒III(FH700162)を注入口として6個取り付け、周囲を取り外し可能なチェーン手すりとしています。また隔壁のハッチは潤滑油庫への積込口である事を考慮してエッチング扉の二枚貼りで両開きとしています。

 あとこの図面を見るまで気が付かなかったのですが、昭和19年の公式図とキットで錨甲板上のキャプスタンコントローラー(部品Q10)の数と設置位置が異なっています。キットの指示はキャプスタンが4基設置予定だった橿原丸の位置に近いもので、隼鷹では2基に減らされたためにコントローラーも2基になったのではないかと考えますが、確証はありません。本製作では19年の公式図に従いましたが、この件についてはいずれまた詳しく述べる事にします。

昭和19年公式図に於ける
錨甲板上のキャプスタンコントローラー(Q10)の設置位置
組立説明書部品取り付け参考図より作成



 左舷の部品の取り付けも済んだので、次は飛行甲板を取り付けて更に部品を追加します。

 なお、例年通り今年も年度末につき、しばらく記事更新を休みます。
 次回は04/19か04/26の見込みです。

ハセガワ1/350隼鷹を作る(その126)

2020–03–16 (Mon)
 3回前の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 左舷側から高角砲手用の台、ラッタル、作業員待機所の縁台など装備品を付けてゆきます。縁台はパーツが無いのでレインボーモデルの1/400タイタニック用ベンチのエッチング(Rb4002)から板の部分を切り出してプラ材で脚を付けて作っています。

 高角砲と機銃は飛行甲板を貼って高角砲射界制限枠を付けた後に付ける予定です(射界制限枠は専用エッチングがありますが、左舷側のものは明らかに形状と仕様が異なります。詳細はそこまで製作が進んだ時に述べます)。


 左舷側の電動測深儀用の桁は竣工時の公式図(上部平面図)ではこの位置に描かれています。格納の向きは艦首方向にスペースが少ない事から艦尾側としましたが、これについては確証がありません。

 この桁は、老猿さんのブログ「海に憧れる山猿」の昭和19年の解説図では若干後方に移設されているようです。解説にもある通り艦首の機銃増設に伴う移設と考えるのが最も妥当ですが、昭和18年6月出図の飛鷹の公式図では桁のある舷外通路の下側は既にカバー有りとして描かれていて、カバーがあるという事は図が描かれる以前にそうしなければならない程の損傷を通路が受けたと考えられますから、カバーの設置と測深儀桁の移設はセットで行われた工事なのかもしれません。本製作ではそれを示す根拠が皆無である事から、竣工時のままとしています。なお終戦後の写真では撤去あるいは再移設されたのか、昭和19年の公式図が示す位置には何も写っていません。

 電動測深儀は桁の設置位置の内側の甲板上に付けています。これは部品が全くないので、エッチングパーツとプラ材の寄せ集めでそれらしく作っています。


 錨甲板上はこんな感じです。隔壁の前にある張り出しは公式図(艦内側面)には整備科潤滑油及び軽質油積込用フラットと書かれていますが、この部分を示す機銃甲板平面図が全ての時代に於いて残存していないようで、垂直梯子やハッチの位置と数も含めて本当にこのような平面形状だったのかはよくわかっていません。軽質油積込用なら専用のバルブが設置されているはずですが、飛行甲板の下で完成後はほとんど形状が把握できなくなるので、キットのままとしています。

 引き続き左舷の装備品などを付けて、飛行甲板の取り付けに掛かります。
 以下次回。

ハセガワ1/350隼鷹を作る(その125)

2020–03–02 (Mon)
 前回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 艦載艇と増設機銃座を取り付けて艦尾の装備品の取り付けが一通り済みました。甲板の両縁に2台ずつ並んでいる魚雷の縦舵機調整台はスペース的に艦載艇の搭載状態では置かれていなかったと考えられますが、一応キットの指示位置に付けています。


 右舷手前で調整台が並んでいる縦舵機調整所は、竣工時の舷外側面図ではキットの(本製作の)位置ですが、老猿さんのブログ「海に憧れる山猿」の昭和19年の解説図では艦尾側に移設されているようです。そのため、キットの元々の設定時期であるマリアナ沖海戦時では既に移設されていた可能性もあります。

 艦尾の機銃座については以前に書きましたが、昭和18年6月の飛鷹の公式図から、元々あったリールフラットを後方に延長した形と解釈しています。従って機銃座設置後も兵員待機所を設けるまでフラットが機能していたと考えてリールを取り付けています。

 しかしながら、弾薬供給所や機銃射撃指揮装置が邪魔でこのままでは直接後方に索を展開できません。可能性としては艦首側のフラットの縁にフェアリーダーを設けて下側に回して後方に出す形式ですが、資料が無くリールの有無自体も含めて想像の域を出ません。完成後はほとんど見えない上に適当な部品が見当たらないので何も付けていませんが、飛行甲板の取り付けまでに少し手を加えるかもしれません。


 航海中の設定のため、舷梯は両舷共に収納状態としています。このような解釈に至った根拠は(その66)で書いた通りです。

 艦載艇はキットが発売される前に製作した関係で、手前(左舷側端)の8m内火ランチと6m通船はタミヤの艦載艇セットの部品を使用しています。公式図ではこのように2段重ねになっていますが、キットは8m内火ランチだけで通船の取り付け指示がありません。他艦の例から見て搭載されていなかったとは考えにくいので、幌の部品(G88)を使用せず不要部品のAE3を乗せると良いと思います。

 船鐘はYXMODELの3Dプリント部品(YXN350-011)を使用しています。内側に鳴らすための舌まで表現されていますが、ただの「鐘」で、乗員が鳴らすために下がっているロープが再現されていません。特徴的なものなので、0.2mmドリルで一旦上から穴を明けて舌のモールドを外し、0.2mm真鍮線を通して下の部分をロープとしています。


 発動機調整所の表現はまだ決まっていません。公式図には調整台が描かれていますが、そもそも航空母艦の発動機調整台は写真も詳細な図面も無く、どのような運用形態だったのかすらよくわかりません。また航空母艦の艦尾周辺に物資を積んだ写真や証言があることから、航海中ならば調整台よりも物資で埋めるほうがより現実的だったのではないかとも考えます。この付近は後でも手が入れられるのでもう少し検討することにします。

 まだ少し書くことがあります。長くなるので以下次回。
 (数日内に更新します)

ハセガワ1/350隼鷹を作る(その124)

2020–02–24 (Mon)
 前回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 製作は艦尾の艦載艇の取り付けに掛かっています。まず中央の収納部に13m特型運貨船を入れます。艦載艇の製作の際にも述べましたが、ここは上しか見えないので船体形状がいまいちなタミヤの艦載艇セットの部品(ZZ29)を使っています(ただしタミヤの部品をここで使用するには収納部の底を下げる必要があります)。また繋止用の張り線は上面のバンドのみ付けています。


  運貨船の上に棒の部品を渡して12m内火ランチを付けます。これは公式図の通りですが、終戦後の解体中の写真を見る限りでは収納部全体に蓋が付けられるように見えるため、途中かもしくは最初から仕様が異なっていた可能性もあります。運貨船と12m内火ランチ及び内火艇に関しては、幌の部分を右舷側がフレームのみ、左舷側は幌を付けた状態で変化を付ける事にします。

 右舷側の12m内火艇を付けた所まで。これについては左舷側の艇を取り付けた後にまとめて書きます。

 以下次回。

ハセガワ1/350隼鷹を作る(その123)

2020–02–17 (Mon)
 気が付いたら正月以来製作の記事が無かったので現状を。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 現在は外舷の影付けの作業が済んで艦尾の艦載艇関連の作業に入っています。まず固縛の表現方法が決まっていなかったために後回しにしていた手すりの取り付けから。この後に艦載艇の取り付けに掛かります。


 外舷の影付けはこのような感じです。接近して撮っているので画像は黒の影がかなり強めに出ていますが、肉眼ではそれほど陰影は強くはありません。追加したモールドに立体感を与える事と実スケール以上の重量感を出すために影付けが有効な手段であることは確かなのですが、個人的にはこういった表現はあまり好きではありません(隼鷹の次では行わない予定です)。とはいうものの、これに替わるより上品な方法も思いつかなかった以上仕方のない事ではあるのですが。

 ちなみに前後の錨甲板と艦尾甲板は飛行甲板で覆われる事から影付けは行っていません。また機銃甲板もブルワークの内側で汚れが強く残りそうだった点と舷側ほどには効果が無さそうだったので元塗装のままとしています。

 以下次回。

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プロフィール

MOMOKO.120%

Author:MOMOKO.120%
職業:自営業見習い
趣味:ブログの通り
模型の守備範囲:船
Webページ:模型の缶詰

現在は1/100初代海王丸の製作を一時休止して、ハセガワ1/350空母隼鷹を製作しています。

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