ハセガワ1/350隼鷹を作る(その31)

2017–09–17 (Sun)
 前回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 左舷艦首側からリベットモールドを付けた外板を貼ってゆきます。前回も書きましたが、水線上の互い違いに貼る部分で、下になる部分はキットの地をそのまま使い、垂直の接合部のみ浅く彫って細切りにした紙を貼ります。上になる部分のうち曲線のきつい艦首上端はマスキングテープであらかじめ型を取り、それを元に切り出して貼ります。

 完成見本写真や元々のパーツではあまり意識しませんでしたが、こうして写真に撮るとキットは軍艦とは異なった大型商船の特徴的な船型を捉えていることがよくわかります。

 今回、舷窓は塗装ではなく透明材で表現します。キットの元々のモールドを元にドリルで穴を開け、透明材を差し込んで表面を整形後に窓枠のエッチング(フライホーク FH350013)を貼ります。

 以下次回。
 なお、都合により来週の更新はありません。次回は09/30以降の予定です。

ハセガワ1/350隼鷹を作る(その30)

2017–09–10 (Sun)
 前回の続き。

 この製作では船体の外板にリベットを表現します。1/350ではかなりのオーバースケールになりますが、商船改造艦の特徴を出すためにあえて加えることにします。

 外板とリベットの表現方法は、航空機模型で使われるリベットルーラーを紙の上で転がして凸モールドを作り、それを船体に貼り付けて行います。今ではあまり見られなくなった手法ですが、かつては大スケール船舶の表現の一つとして考えられていたものです。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 リベットは船体の前後と平行の外板接合面は1列、垂直の面を2列として区別を付けます。外板の垂直面は本来であれば平行面と同じく段差が付きますが、そうすると上にかぶさる板の平行面が綺麗に処理できないので、段差は付けずに太めの凹モールドで処理します。舷側の互い違いに貼る部分は下側をキットの地のままとし、接合面のみ浅く彫り込んで二段リベットのモールドを付けた細切りの紙を貼ります。

横浜の保存船氷川丸(2006年12月07日撮影)
画像右側が船首方向、左側が船尾方向で、
外板端の接合部のリベットが水平部で2列、垂直部で4列あるのがわかります。
また垂直の外板接合部は船首側が上、船尾側が下になります。

 リベットルーラーは幅0.5mmで打てるトランペッターのツール(No.09910)を用い、二段用は刃に当たる部分を削り込んで二枚重ねで回せるようにします。またこのツールは元のままでは刃先が非常に見にくいので、先端を削って見やすくしておきます。

上からオリジナル、一段用、二段用。
見分けが付くように先端の削り方は変えています。

 以下次回。

ハセガワ1/350隼鷹を作る(その29)

2017–09–02 (Sat)
 3回前の続き。

 船体には外板モールドが凹で表現されています。太かったり彫刻そのものが無かったりとハセガワの艦船キットでは一作毎に表現が変わる部分ですが、この隼鷹のキットでは比較的繊細な表現になっています。

 しかしながら、モールドの内容には少し疑問があります。外板のラインは艦首艦底のものが艦尾側に延びて、船体中央部下のラインを統合する形として表現されていますが、どうも当時の一般的な船のそれとは合っていないようです。実際のところは無視したところで全体の印象を左右する問題ではないのですが、この点について少し述べます。

 空母隼鷹の外板展開図は残っていないようですが、日本造船学会編/原書房刊「昭和船舶史 第一巻(戦前・戦時編)」に、橿原丸の機械室付近の二重船殻構造図が掲載されています。

客船橿原丸(空母隼鷹)二重船殻構造図
日本造船学会編/原書房刊「昭和船舶史 第一巻(戦前・戦時編)」掲載図より作成
(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 これによると、機関室付近の外板は船底中心から舷側の立ち上がり付近までは中心側が上の重ね合わせ継手、舷側は互い違いに重ねる形になっています。これは昭和19年12月の雷撃損傷後の写真で確認でき、以前に触れた長門型戦艦の改装後の中央部構造切断図でもそうなっているほか、イギリスのモレタニアやクイーン・メリー、ドイツのブレーメンといった大型豪華客船でも見られる形式(ただし重ね方は船体中心側が下)です。

丸スペシャルNo.11 空母隼鷹・飛鷹 p55より
艦首水線下の外板が船底中心線側が上の重ね張りであることがわかります。

 船の船体の断面は中央部付近が太く艦首尾端で細くなる形なので、外側を覆う外板のラインの本数も中央部付近が最も多く、艦首尾端に向かうにつれて減ってゆきます。この減らし方について、戦前主流だった鋲接工法(リベットによる取り付け)は、現代では完全に途絶えた技術なので今の造船の専門書には項目がありません。模型の製作指導書でも私が知る限り突っ込んで解説しているものは見当たらないようです。

 戦前の書籍や大和ミュージアム公開資料の巡洋艦や駆逐艦の外板展開図を幾つか見てゆくと、外板はまず船底中心線に接するものが艦首尾端に伸び、上に向かって張り重ねる過程で艦首尾方向で段階的に本数を減らしてゆく形を取っていたようです。言葉では説明しにくい部分ですが、少なくともキットが示しているような艦首下端の板のラインが一律に中心部船底の板を統合するような形ではないようです。

 これらの点から外板モールドは全面的に作り直します。またこの製作は南太平洋海戦当時の設定なので、舷窓の閉鎖部も元に戻す必要があります。船体には綺麗で繊細なモールドが付けられていますが、一旦削り落とし舷窓の凹モールドも埋める事にします。またエッチングと交換する部品の差込部も同時に埋めておきます。

 以下次回。

今週の記事更新はありません。

2017–08–25 (Fri)
 木曜日の朝からメインで使っているPCが起動しなくなり、どうもシステムの起動領域がソフト的に壊れたようで、何とか起動しないか色々やっていましたが、結局諦めてOSを再インストールする事にしました。その作業に少なくとも週末一杯は掛かるようなので、今週のブログ更新はありません。何卒御了承願います。

 なお、不具合が起きているのはシステムの部分だけでデータには問題はないので、システムが復旧すればブログの活動はこれまで通り行える見通しです。

短信

2017–08–19 (Sat)
 1/350隼鷹は船体と専用エッチングの取り付け位置を調整しているところです。今回の製作では外板モールドをそっくり作り替えるので、その前に舷外通路などの取り付け位置をあらかじめマーキングしておく必要があります。

 ハセガワの専用エッチングの説明書は一枚の紙に無理矢理レイアウトを押し込んだ構成で、組立説明書の順番通りでもなければその図解と角度が正反対で描かれている部分もあり、取り付け位置の指示も曖昧でエッチングと差し替えるパーツの指示もないという、非常にわかりにくいものになっています。加えてベーシックABスーパーを全て揃えた場合、その極めてわかりにくい説明書3種とキットの組立説明書の合わせて4種を見比べる事になり、作業が滞って仕方ありません。1/350赤城の頃から見られる問題ですが、一向に改善の気配が見られないのは閉口するばかりです。



 このブログではこれまで航空母艦隼鷹/飛鷹の型を「飛鷹型」と書いていました。これは世界の艦船やグランプリ出版「軍艦メカニズム図鑑日本の航空母艦」、模型関連の資料などの記述に従ったものです。しかしながら、これはどうも空母改装に当たっての仮称艦名が飛鷹が1001番艦、隼鷹が1002番艦となっている所から来ているようで、実際は竣工して軍艦籍に編入されたのは隼鷹が先で、海軍の法規をまとめた内令提要の艦船艦艇類別等級表でも隼鷹型/隼鷹、飛鷹となっています。そのためこのブログの表記も「飛鷹型」とした部分を全て「隼鷹型」に書き換えました。本文のみでコメントの修正はできないので一部相違が残ったままかもしれませんが、御了承願います。

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MOMOKO.120%

Author:MOMOKO.120%
職業:自営業見習い
趣味:ブログの通り
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現在は1/100初代海王丸の製作を一時休止して、ハセガワ1/350空母隼鷹を製作しています。

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