ハセガワ1/350隼鷹を作る(その19)

2017–05–20 (Sat)
 前回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 マリアナ沖海戦当時の隼鷹の、艦首側先端の1,2番高角砲座の下部はサポート材と支柱が一体化した形状になっています。これは海戦直前に撮影された写真から明白です。竣工時の公式図では他の砲座と同じく三角サポート材が付いた形状とされていて、明確に裏付ける写真はありませんが他艦の実例から見てそのような仕様だろうと考えます。

 昭和19年12月の雷撃損傷の際に、その直前の荒天下で艦首機銃座と飛行甲板の前端が損傷した話を以前に書きました。隼鷹の艦首側の高角砲座は他より一段高い位置にあるのですが、もしマリアナまでの間に砲座下部がこのような形状に変わったとすれば、波浪で損傷するような事がどこかであったのかもしれません。初陣のアリューシャン攻略の戦記を幾つか読む限りではそのような記述が見当たらない事から、南太平洋海戦当時は他の砲座下部と同じ形状と判断しています。


 キットは最初に示したようにマリアナ沖海戦の状態なので、南太平洋海戦時とするためには砲座下部の部品を取り替える必要があります。自作するにはバランスが取りにくい部品なので、他の砲座下部をそっくりシリコンで型を取り、レジンで複製して作る事にします。この製作限りの複製で何十個も取るものでもないので、型枠も粘土で簡易的に作り、その中にシリコンを流します。


 元の部品とシリコン型とレジンで複製した部品。必要なのは最も左列の3個だけですが、一応サポートの形状が若干異なる艦尾側の砲座の複製も同時に取っています。


 仮に付けてみると大体合っているようです。厳密な調整はまた船体に取り付ける際に行う事にします。このうち三角と後方長方形のサポートは後でプラ板に置き換えますが、製作の都合上一旦砲座に接着します。

 以下次回。

ハセガワ1/350隼鷹を作る(その18)

2017–05–13 (Sat)
前回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 右舷側に続き、左舷側の機銃座の下部サポートが一通りできました。あとブルワーク内部の補強材等を付けて機銃座の製作はここで一旦止めます。艦尾の増設機銃座は船体の形ができた後、艦橋前後のものは飛行甲板の組立と同時に行います。

 次からは6基の高角砲座と高角砲の製作に入ります。以下次回。

ハセガワ1/350隼鷹を作る(その17)

2017–05–07 (Sun)
前回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 前回作り直した右舷側機銃座の内側に、レインボーの三角孔板エッチング(Rb7015)の縦横1mm三角板を取り付けます。


 機銃座のブルワーク外側の補強材は、隼鷹については竣工時から設置されていた4基の95式射撃指揮装置の部分にしか付いていなかったようなので、伸ばしランナーでその部分にのみモールドを加えます。これで右舷機銃座の作業は一通りできました。


 引き続いて左舷側の機銃座を右舷と同様の手順で作り直します。キットのパーツを元に切り出してブルワークを付けたところまで。これから下側のサポート材を付けてゆきます。

 艦尾の機銃座も同様に作り直しますが、これは艦尾との兼ね合いで船体ができた後に作業します。左舷の機銃座の後は6基の高角砲座と高角砲の検討に入る予定です。

 以下次回。

ハセガワ1/350隼鷹を作る(その16)

2017–04–29 (Sat)
 3回前の続き。

写真日本の軍艦第4巻より
(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 隼鷹本体の製作は両舷側の2つの機銃座から始めます。上の写真は終戦後の右舷後部機銃座を捉えたものです。


 この実艦写真とキットの機銃座の部品(上写真奥)を比較すると、キットはブルワークの高さが低く、このまま機銃を取り付けるとブルワークから飛び出るような印象を与えてしまいます。これは成形技術の都合で機銃座の床面が約1mm程の厚みがあるのに対して、ブルワークは図面通りの2mmの高さが付けられているために、内側の高さが差し引き1mm程度に留まっている事に依ります。わずかな差に過ぎず1/700では無視できる事ですが、1/350となると少し気になります。そのため機銃座を全て作り替え、薄い素材を用いる事で床面を下げてブルワークの内側の高さを上げる事にします。

 まず右舷の銃座から、具体的には機銃座の裏面のサポートを全て削り取った上でこれを型として0.3mmプラ板を切り出し、上面に滑り止めのモールドを加えた上で2×0.14mmのプラストライプを前面に貼ってブルワークとします。


 キットの部品との比較。床面を下げた事でキットよりもブルワークの内側の高さが高くなっているのがわかると思います。0.5mm程度の差ですが、より実艦に近い印象になりました。また今ひとつシャープさに欠けたキットのブルワークの厚みも改善しています。


 下面もキットの表現は1/700とさほど変わらないので、レインボーの組み合わせができる切り込みの入った穴空き帯板(Rb7004)とプラ材からそれらしく作っています。バランスは今ひとつですが、船体を完全に裏返さない限り全体を見通せないのでこれで通します。


 船体に仮に付けるとこのような感じになります。中央にある筒状のものは95式射撃指揮装置用のブルワークで、0.1mm真鍮板を丸めて作っています。頭に挙げた実艦写真をよく見ると、この筒状のブルワークは機銃座前面のブルワークに接する形で取り付けられています。どうも竣工時から付けられていたものではないようで、艦尾の増設機銃座のそれが機銃座前面のブルワークと一体化している所から見て、それが設置されたと考えられる昭和17年8月頃までに追加されたのではないかと見ています。


 下面はこんな感じです。あともう少しモールドを加えたあと、左舷側の機銃座も同様の手順で作ります。

 以下次回。

飛鷹型航空母艦に関する覚え書き(8)補足

2017–04–24 (Mon)
 以下は「南太平洋海戦時の隼鷹」の主題から外れる事なので補足として。



 隼鷹が太平洋戦争中に増設した機銃のうち、昭和18年11月から19年3月の雷撃損傷修理の際に設置された艦首の25mm三連装機銃4基について、マリアナ沖海戦の後に噴進砲が装備された際に単装機銃と取り替えられたとする解釈があり、先日発売されたモデルアート艦船模型スペシャルNo.63隼鷹飛鷹p86-87にもそう書かれています。しかしながら、老猿さんのブログ「海に憧れる山猿」に於いて違うのではないかと指摘されており、私も機銃換装の事実は無いと考えています。

 大和ミュージアムの公開資料の中に昭和19年12月の雷撃損傷の際に佐世保工廠が作成した損傷状況の見取図があり、この図には艦首機銃座を指して二十五粍三聯装機銃とはっきり書かれています。恐らく換装説は雷撃後の損傷写真で右舷の三連装機銃の台座に銃身が一本しか見えない防弾板付きの機銃が写っている所から来ているのではないかと思いますが、防弾板が三連装機銃のものである事と、銃座形状の違いなどから何らかの理由で銃身を二本取り外した機銃ではないかと見ています。

 なおこの写真は右舷艦首機銃座のブルワーク前端が上方に吹き飛ばされた姿が印象的ですが、上記の損傷見取図によればこれは雷撃によるものではなく、3日前の12月6日に荒天下の激浪で受けた被害ということです。当日の気象は波高8m、風速17m、右舷30度の方向から30mの突風が吹き付ける状況で、艦首左右の機銃座の損傷に加え飛行甲板の前端が上方に折れ曲がり、更に雷撃の衝撃で折れ曲がった前端が落下圧潰したとあり、そのためか修理後の艦首機銃座は基部が支柱とサポート部が一体化した形状に変わっているほか、飛行甲板前端の支柱の本数も増やされています。



 前回の記事でミッドウェー後の航空母艦の艤装方針の変更点として艦首尾方向の砲力の増加という事を書きました。実際それ以降に竣工したり改装を受けた空母は艦首と艦尾に機銃や噴進砲を増設していった艦がほとんどですが、唯一例外が存在します。昭和19年3月に竣工した大鳳で、残存する資料では艦首部に機銃座が全くありません。

 ハリケーンバウを採用した関係で艦首前端に機銃座が設置できないのは判りますが、同時期に機銃を増設した隼鷹のように両舷に銃座を設ける事は可能だったようにも思えます。しかしながら残存する航空写真からは艦首部に銃座らしきものは見当たりません。艦首方向からの攻撃に対してこれで良しと見ていたのかどうか、よくよく考えると引っ掛かる点ではあります。

 この項目はこれで終わりです。

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MOMOKO.120%

Author:MOMOKO.120%
職業:自営業見習い
趣味:ブログの通り
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現在は1/100初代海王丸の製作を一時休止して、ハセガワ1/350空母隼鷹を製作しています。

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